おうちで飼われている猫の中では最大種と呼ばれている「メインクーン」という種類の猫をご存じですか?
とても大きな猫なので、「飼うのが難しそう」と思われるかもしれません。ですが、迫力のある見た目に反して、実はとても穏やかで賢く、「穏やかな巨人」とも言われています。
今回は、そんなメインクーンの魅力について詳しくご紹介します。
この記事の目次
メインクーンとは?
メインクーンは、北米でもっとも古い猫種のひとつとして知られています。起源には諸説ありますが、ノルウェージャンフォレストキャットなどの北欧の猫が北米に入り、現地の猫と交配して生まれたという説が有力視されています。
メインクーンの「クーン」はアライグマを意味し、猫とアライグマの交配により誕生したという伝説もありますが、遺伝的にはありえないとされています。また、メインクーンはアメリカ・メーン州の州の猫にも指定されています。
メインクーンの特徴
身体的特徴
一般的なメインクーンは、オスは体重6~9kg、メスは4~6.5kg程度で、体長100cmを超える子もいます。成体の猫の平均体重が3.5〜4.5kg、平均体長は23〜25cmですので、他の猫と比べて非常に大きな体格を持っていることがわかります。特にオスは非常に大きくなるといえるでしょう。
体が大きいだけでなく、骨格はガッチリとしていて、足は筋肉質です。胴や尻尾がとても長く、「最も長い猫」や「最も尻尾が長い猫」としてギネス記録を持っているメインクーンもいるほどです。
被毛
寒い地域で暮らしていたメインクーンは、長く密度が高い被毛をもちます。イメージとは異なりシングルコートのため、抜け毛は比較的少ないでしょう。
毛色のバリエーションは多く、ブラウン、レッド、シルバー、ブラックなど、ほとんどの毛色が認められています。柄も、ブラックやホワイトなどの単色、縞模様のタビー、三毛のキャリコなどさまざまです。
また、耳の先端に生えた「リンクスティップ」という飾り毛も特徴的です。
性格
「穏やかな巨人」と言われるように、温和な性格をしています。なつきやすく、愛情深いので、飼い主さんはもちろん、他の猫や動物、赤ちゃんとも相性が良いメインクーンも多いでしょう。
また、犬のように飼い主に忠実で、特にメインクーンのオスにその性質が見られるようです。頭が良いので、他の種類の猫に比べ短時間でトイレなどのしつけもできるでしょう。
鳴き声
メインクーンの鳴き声の動画をご紹介します。大きな見た目なので野太い鳴き声かと思いきや、とてもキュートな鳴き声をしています。
メインクーンのかかりやすい病気
メインクーンにはかかりやすい病気がいくつかあります。遺伝的な病気の予防は難しいですが、生活環境の整備や普段のお手入れで予防できるものもあります。
- 肥大型心筋症
- 股関節形成不全
- ピルビン酸キナーゼ欠損症
- 進行性網膜萎縮
- 脊髄性筋萎縮症
詳しくは以下の記事をご参照ください。
【獣医師監修】メインクーンの好発疾患と4つの健康管理のポイント
https://cheriee.jp/cats/30105/
メインクーンの飼い方のポイント
食事
メインクーンは、その大きな体を支えなくてはならないため、関節に負担がかかりやすいといわれています。関節の健康維持のため、コンドロイチン硫酸やグルコサミンなどの関節部分に多く分布する成分を含むフードを摂取することが効果的です。
また、メインクーンには心臓の遺伝病があります。この病気は、Ⅼ-カルニチンやタウリン、オメガ3系不飽和脂肪酸の不足に関係があるのではないかとされており、心臓病を予防するためには、これらの成分をバランスよく摂取する必要があるといわれています。
このように、メインクーンにとって重要な栄養分がいくつかあります。愛猫の健康に過ごしていくためにも、必要な栄養がバランスよく入っているメインクーン専用のフードを与えてあげると良いでしょう。
お世話
毛が長く、ふさふさしているメインクーンは、こまめにブラッシングをしてあげないと毛が絡まってしまいます。特に毛の長い部分である、お腹や首回り、尻尾などを重点的にブラッシングしてあげましょう。
メインクーンには狩の本能があり、十分に運動させてあげられないとストレスがたまってしまいます。広いスペースを使った水平方向の運動だけでなく、キャットタワーなどを使った垂直方向の運動もしっかりさせてあげられるような環境を整える必要があります。
【番外編】 ギネス記録を持っているメインクーンの猫たち
ここからは番外編として、ギネス記録を持っているメインクーンの猫たちをご紹介します。
世界一長い猫、バリベルくん
バリベルくんの体長は約120cmで、なんと人間の7〜8歳の子供の平均身長くらいです。バリベルくんはまだ子供の猫なので、これからもどんどん大きくなるようです。
世界一しっぽの長い猫、シグナスくん
最もしっぽが長い猫としてギネス記録を持つメインクーンのシグナスくん。彼のしっぽの長さは44.66cmとして、ギネスブックに登録されました。一般的な猫のしっぽの長さは20〜30cmなので、シグナスくんのしっぽの長さは平均的な猫の約2倍もあります。
まとめ
メインクーンは体が大きい分、成猫になるスピードも他の猫に比べてゆっくりです。そのため、メインクーンの成長を間近でゆっくりと感じることができることも、一つの大きな魅力といえるでしょう。
穏やかで賢いメインクーンは、きっとあなたの人生の大切なパートナーになってくれるはずです。