愛犬にはいつも元気に健康でいてほしいものです。しかし、人と違って犬は自分で体調不良を伝えられないため、どうしてもわかりづらいですよね。飼い主さんが日常的に注意して観察し、些細な変化でも気づいてあげる必要があります。
この記事では犬の不調に気づくためのチェックポイントをご紹介します。日頃から健康チェックを習慣にして、病気の早期発見に役立てましょう。
この記事の目次
日常生活での行動からわかる異変
1. 排せつ物のチェック
毎日のトイレ掃除のときに、排せつ物をよく観察し、健康状態をチェックしましょう。子犬や老犬が急に下痢をした場合、命に関わることがあるので特に注意が必要です。
若い成犬でも、慢性的な軟便で痩せてくるような場合は、必ず動物病院に連れていきましょう。
チェックポイントは以下の通り。
- 臭い、色、量、頻度
- 血便、血尿
- 便の中に虫
便秘の場合でも、自己判断で浣腸するのは危険です。異変があれば獣医師に相談しましょう。
2. 呼吸のチェック
すぐに治まる場合はそれほど心配する必要はありませんが、下記に挙げた呼吸の異変が長引く場合は呼吸器系や循環系の病気、また熱中症などが疑われます。
特に、運動をしていないのに呼吸が速かったり、ゼーゼー音が混じったりしているときは、命に関わるかもしれないので要注意です。
- 呼吸が速い/遅い
- 荒い音がする
- 舌や唇の色が変
3. 仕草のチェック
環境や生活が特に変わっていないのに、いつもと異なるしぐさをしたり、様子がいつもと違ったりする場合には注意してください。どこかに異変を抱えているかもしれません。
代表的な仕草や行動の異変としては、以下のようなものがあります。
- 落ち着きがない
- 運動したがらない
- 歩き方がおかしい
- 発作やけいれんがある
- 元気がなく疲れやすい
4. 食欲と水分補給のチェック
食欲は健康の良し悪しを表し、飲水量は腎臓の病気を示唆します。どちらも体調不良の初期症状として異変が見られることが多く、大切な指標なので、食事や掃除のときに毎回チェックする習慣をつけましょう。
- ご飯を食べない
- 水分補給をしない
- 水を飲みすぎる
体の変化からわかる異変
犬の異変のサインは行動だけではありません。体の異変は日頃から触ったり、一緒に遊んでいると気がつきやすいでしょう。体に何らかの異変が現れていないか、スキンシップするときなどにチェックすることを習慣付けましょう。
5. 目のチェック
ホコリや小さなゴミが目に入って一時的に目が真っ赤になることもあります。しかし、症状が持続するようであれば、結膜炎や角膜炎などが考えられます。
目はとてもデリケートですので、異常が見られたらすぐに動物病院に連れて行ってください。
- 目ヤニが多い
- 充血している
- こすっている
- 痛がっている
また、目ヤニの色はこちらを参照して、異常なものかどうか判断する参考にしてください。
6. 耳のチェック
耳の中に異常があると、犬は頭を振ったり耳をかいたりします。特に垂れ耳の犬は耳の中が蒸れやすく、病気になりやすいため注意が必要です。
- 臭う
- かゆがっている
- 痛がっている
- 汚れが多い
- 頭を左右に振る
- 出血している
犬の耳のトラブルについてはこちらをご参照ください。
7. 鼻のチェック
人間と同じように、くしゃみや鼻水、咳などは一時的な症状である限り、過度に心配する必要はありません。ただし、慢性的に見られるようなら、感染症などの病気の可能性があります。
- 鼻水の量、色、粘度が変
- くしゃみ、咳が止まらない
- 呼吸が苦しそう
8. 口のチェック
口に何か異常があっても、口を開けてくれているときしかわからないので見逃しがちです。しかし、口内炎や歯周病を早期に発見するために、定期的に確認してください。
- 臭う
- 出血している
- 歯石が多い
- 口腔がただれている
- 色がおかしい
9. 被毛、皮膚のチェック
体をかいたり、噛んだりしているなど、かゆみを伴うしぐさを多くする場合はノミやダニなどの寄生虫がいるかもしれません。また、アレルギーの可能性も考えられます。
- 体臭が強い
- かき傷
- 湿疹
- 赤く腫れている
- 抜け毛が多い
- ハゲている部分がある
つい気になってしまうのが脱毛。脱毛の原因は様々です。こちらの記事で犬の脱毛について詳しく説明していますので、参考にしてみてください。
まとめ
「こんなに軽い症状で病院に行ってもいいの?」と悩む方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ちょっとした様子の変化が重大な病気の兆候を表していることもあります。
編集部のメンバーが飼育している犬も、ちょっとの変化でも動物病院で診察してもらうようにしているそうです。片足でケンケンするように歩いていれば、上げている方の足の不調が疑われますし、下痢や食欲不振が2〜3日続くようであれば、動物病院に連れていきます。ちなみに、どの場合も何でもなかったそうな。
ただ、こうすることで、近隣の動物病院はほとんど行ったことがある場所になり、どこは何に得意なのかがわかるようになってきます。そして、最も頼れる動物病院に連れていく機会が多くなり、自然とかかりつけの動物病院を作ることができます。
日頃から愛犬の状態、行動をよく観察し、気になる変化があれば、こうして関係を作ったかかりつけの獣医師に相談するようにしましょう。何か重い病気や怪我をしたときでも関係が出来ている獣医師であれば、より一層、親身に診てくれることでしょう。