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いぬお手入れ

梅雨から夏には特に気をつけたい!耳のトラブルとお手入れの仕方

yuri
yuri シェリー編集部

今年ももうすぐ梅雨がやってきます。ジメジメして気の滅入る日々が続きますが、梅雨から夏にかけては犬の耳トラブルも多くなります。「うちの犬は立ち耳だから大丈夫」と思っている方、ちょっと待ってください。

確かに垂れ耳の犬の方が、耳の疾患にかかりやすいことが多いですが、もちろん立ち耳の犬も耳のトラブルとは無縁というわけではありません。

本格的に梅雨入りする前に、犬の耳のトラブルについて知り、お手入れの仕方や日常的にチェックしたいポイントを確認しておきましょう。

犬の耳の病気① 外耳炎

犬の耳の病気①外耳炎
外耳とは耳介から外耳道にかけての部分、つまり外から見える耳と耳の穴のことを指します。この外耳に炎症が起こっている状態を外耳炎といい、細菌やカビの繁殖が原因で発症します。

外耳炎の症状

  • 耳をかゆがる
  • 耳垢の量が増える
  • 耳のにおいが気になる
  • 頭をよく振る

外耳炎の治療方法

アレルギー体質による外耳炎は慢性化や再発しやすいため、定期的なお手入れが欠かせません。外耳炎を放置すると、中耳や内耳まで炎症が広がるため、早期に治療することが重要です。

早期の外耳炎は、外耳道の洗浄、点耳薬や内用薬で治療しますが、悪化してくるとX線検査やCT/MRI検査も必要になることがあります。

犬の耳の病気② 中耳炎

犬の耳の病気②中耳炎
中耳は鼓膜とその奥の空間のことを指します。中耳炎は外耳炎の炎症が奥にある中耳まで起こっている状態で、強い痛みが見られる場合があります。

中耳炎の症状

症状は外耳炎とほとんど同じですが、中耳内には眼の交感神経と顔面神経が走行しており、悪化すると目が揺れたり、顔面神経の麻痺などが見られることもあります。

  • 耳をかゆがる
  • 耳のにおいが気になる
  • 頭をよく振る
  • 耳を触られるのを嫌がる
  • 頭を傾ける
  • 目が揺れるように動く

中耳炎の治療方法

中耳炎の治療は、基本的には投薬で行いますが、鼓膜を切開して中耳内を洗浄したり、CT/MRI検査を行ったりすることもあります。

犬の耳の病気③ 内耳炎

犬の耳の病気③内耳炎
多くの内耳炎は、外耳炎、中耳炎を経て、内耳へと炎症が広がって発症します。

内耳炎の症状

内耳には、音の伝達や平衡感覚を保つ役割をもつ器官があるため、悪化すると神経症状や難聴などが引き起こされる場合はがあります。

  • 頭を傾ける
  • 目が揺れる
  • 同じところをぐるぐる回る
  • 歩き方がおかしくなる
  • 平衡感覚が麻痺する
  • 嘔吐
  • 食欲不振

内耳炎の治療方法

内耳炎の原因のほとんどは細菌性ですが、他の神経疾患や腫瘍などの病気の区別が難しいため、さまざまな検査を組み合わせて治療が行われます。愛犬への負担もかなり大きいため、内耳炎を発症させないことが何よりも大切です。

犬の耳の病気④ 耳血腫(じけっしゅ)

犬の耳の病気④耳血腫
耳介に血液がたまった状態を耳血腫といいます。外耳炎などによるかゆさから頭を振ったときに、耳に強い衝撃が加わることで発症することが多く、垂れ耳の犬は特に注意が必要です。放置すると耳が変形することもあります。

耳血腫の症状

  • 耳をかゆがる
  • 耳が腫れる
  • 頭を振る

耳血腫の治療方法

耳血腫の治療は、耳介にたまった血液を注射器で抜いたり、腫れている部分をメスで切開し、再び血液がたまらないよう処置を行います。

犬の耳の病気⑤ 耳ダニ感染症

犬の耳の病気⑤耳ダニ感染症
耳ダニ感染症は、ミミヒゼンダニというダニが耳の中に寄生することで起こります。耳ダニを持っている犬から感染するため、他の犬と関わるときは注意しましょう。放置すると症状が悪化し、外耳炎や中耳炎を引き起こします。

耳ダニ感染症の症状

  • 耳をかゆがる
  • 耳道にコーヒーのカスのような耳垢がある

耳ダニ感染症の治療方法

耳垢を採取し、顕微鏡で観察して診断されます。耳ダニが発見された場合は投薬により治療します。

耳のお手入れの仕方

犬の耳のお手入れの仕方
犬の耳は放っておくとすぐに汚れてしまい、病気の原因になってしまいます。垂れ耳の犬は蒸れやすいため、特にお手入れを欠かさないようにしましょう。

お手入れは以下のように行います。

1.ペット用の耳洗浄液をコットンなどに取り、指の届く範囲をやさしく拭き取る
2.洗浄液を数滴耳の中に直接入れ、耳の根元をマッサージして馴染ませる

耳に液体を入れられた犬は、液体を出そうとして頭をフルフルし、耳の奥の汚れを洗浄液と一緒に排出します。

このお手入れを室内でやってしまうと汚れが部屋中に撒き散らされてしまいますので、庭やお風呂場などで行うことをオススメします。


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また、耳を触られたり、液体を入れられたりするのを嫌がる場合は、耳を触ることから徐々に慣らしていきましょう。犬を飼う上で耳のお手入れは必須ですので、小さいうちから飼い主さんも愛犬も慣れるようにしてください。

難しい場合は、洗浄液が染み込んだシートで、耳の周りや届く範囲を優しく拭き取ってあげるだけでも良いでしょう。

日頃から耳の確認を

日頃から耳の状態を確認しておくことで、ちょっとした変化にもすぐ気がつくことができます。愛犬とスキンシップを取りながら以下のことをチェックしましょう。

  • 耳に赤みはないか
  • 黒くベトついた耳垢はないか
  • においが強くないか

お手入れの頻度

耳のお手入れはそれほど多くなくても構いません。もちろん、耳の状態にもよりますが、2週間〜4週間に1度程度の頻度で良いでしょう。
ただし、耳の構造や個体差によって耳の汚れ具合は異なります。普段からチェックしながら適切な間隔でお手入れしてあげてください。

もし、耳に何らかの異常がある場合は、動物病院を受診の上で、薬を塗るなどの治療が必要になる場合があります。その場合は、自分の判断でお手入れするのではなく、獣医師の指示を仰いでください。

お手入れの注意点

耳掃除といえば耳の奥まで綿棒を入れて耳垢を除去することを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、耳の中を傷つけるのではないかと勇気がいるでしょう。

それであれば、イヤークリーナーやイヤーローションを使って、耳の周りを掃除するだけでも構いません。定期的にトリミングに通っている場合は、トリマーさんに相談しても良いでしょう。しっかりチェックしてくれた上で、適切なアドバイスがもらえるでしょう。

なお、神経質にお手入れをしすぎると、かえってトラブルになることもありますので、様子を見ながら適度に行うようにしましょう。

不安なら専門家に相談して

最近では、YouTubeなどで耳の掃除の仕方を紹介している動画もありますので、自分でお手入れをしたいという方も多いでしょう。

もちろん、飼い主自身がメンテナンスしてあげた方が、犬にとっても安心ですし、日々チェックしてあげられるためベストです。
しかし、やっぱり不安だし、やり方が合っているのかわからないという方がいるのも事実。

そんな時はぜひ獣医師やトリマー、ドッグトレーナーに相談し、簡単にできるお手入れの方法を教えてもらいましょう。定期的にトリミングに通っている場合は、耳の状態チェックをするだけで十分な場合もあります。

最後に

梅雨から夏には特に気をつけたい!耳のトラブルとお手入れの仕方
犬の耳トラブルは最初は軽い外耳炎であっても、放置しておくと炎症が奥へ進行し、難聴や神経症状を引き起こすことがあります。愛犬に以下のようなしぐさが見られたら、自分で判断せずにまずは動物病院に連れて行きましょう。

  • 耳に赤みがある
  • 耳をかゆがっている
  • 耳のにおいが気になる
  • 黒い耳垢が出ている
  • 頭を頻繁に振っている
  • 頭を傾ける
  • 目が揺れる

これからの時期は、犬の耳トラブルが多く発生します。垂れ耳の犬は特に注意が必要ですが、立ち耳だからといって病気にならないわけではありません。愛犬の健康のためにも、ぜひ日々のスキンシップの中で、耳のチェックを取り入れてみてください。

  • お手入れ
  • 中耳炎
  • 内耳炎
  • 外耳炎
  • 病気
  • 耳ダニ
  • 耳血腫

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