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【事件】犬が飼い主を食べる!?他人事ではない、その驚きの理由とは

2020.07.30
【事件】犬が飼い主を食べる!?他人事ではない、その驚きの理由とは

「犬が飼い主を食べてしまう。」そう聞いたとき、みなさんは何を思ったでしょうか。
「さぞかし野蛮な犬に違いない」「飼い主が虐待をしていたのではないか」など、さまざまな想像ができるでしょう。

犬が飼い主を食べる事件はこれまでに数十件報告されていますが、その多くが飼い主と仲良しで、際立って凶暴な犬というわけではなかったのです。

では、なぜ犬は飼い主を食べるのでしょうか。その原因を見ていくことで、決して他人ごとではないことを認識しましょう。

この記事の目次

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犬が飼い主を食べる事件

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犬が飼い主を食べる事件は共通点して、「飼い主が亡くなったとき」や「飼い主が意識を失ったとき」など、飼い主の応答がなくなったときに起きています。

学術誌に投稿されて世間を騒がせた事件

1997年、科学捜査の学術誌「Forensic Science International」に投稿されたある事件が話題になりました。

なんと、ドイツのベルリンにて、自殺をした30代の男性の顔を、飼い犬のジャーマン・シェパードが食べてしまったのです。

ジャーマン・シェパードは特に凶暴だったというわけでもなく、警察官の指示にも落ち着いて従ったといいます。また、発見当時、犬のエサが入ったお皿が置かれていたことから、犬は空腹だったわけではないと考えられています。

犬に食べられたおかげで人生が救われた人も・・・

2011年12月、イギリスのランカシャー州で、50代の女性がひとりで暮らしていました。

女性はアルコール依存症で、事件の日は家でウォッカを1本飲み、階段から転げ落ちてしまいました。女性はしばらく気を失っていましたが、突然の強烈な痛みに目を覚ますと、飼い犬が自分の顔を食べていたといいます。

顔を食べられたことで一時視力を失ってしまいましたが、その後手術で回復。事件をきっかけに、アルコール依存症を断ち切ることができた彼女は、「愛犬にはとても感謝している」と語りました。

これらはとても珍しい事件のように思えるかもしれませんが、実は過去20年ほどの間に同様のケースは80件以上報告されているのです。

事件は日本でも起きている

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犬が飼い主を食べる事件は、遠い異国の話ではありません。

2015年11月、東京都のマンションに暮らしていた30代の住人が、顔の皮膚が剥がされた状態で亡くなっているのが見つかりました。

住人は睡眠薬で自殺を図ったとみられていますが、飼っていたチワワ犬と雑種犬の2匹の鼻には住人の血液が付着しており、DNA型も一致したといいます。

なぜ飼い主を食べるのか

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「飼い主を食べてしまうなんて、よほど凶暴な犬か、飼い主に虐待されていた犬だろう」と思った方も多いでしょう。しかし、多くのケースで、飼い主と犬は良好な関係だったにも関わらず事件が起きているのです。

では、なぜ犬は飼い主のことを食べてしまうのでしょうか。いずれも仮説ですが、いくつかその原因をご紹介します。

お腹が空いていた?

事件の中には、空腹でやむなく食べてしまった可能性が考えられるものがあります。

飼い主が孤独死をしてしまって、食べ物がもらえなくなってしまったときです。

しかし、2015年の研究で取り扱われた事件のうち24%は、飼い主が亡くなってから犬に食べられた遺体が発見されるまでに、1日も経っていませんでした。さらに、エサが残っているのに飼い主の方を食べてしまうという事件も多数起きており、そうした事例では原因は空腹によるものではないと考えられます。

飼い主を起こそうとしてパニックになった?

科学捜査官のマーカス・ロスチャイルド氏は、犬の行動を次のように分析しています。

まず、意識を失った飼い主を必死で起こそうとして、犬は初めは顔をそっとなめてみます。しかし、それでも飼い主が起きないことにパニックになってしまい、「かむ」という行為にエスカレートする可能性がある。

英ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ(UCL)の法医人類学者カロリン・ランドー氏は以下のように言っています。

飼い主と離れることに大きな不安を感じている臆病な犬が、パニックに陥って飼い主をなめ、それがかじったり食べたりといった行動にエスカレートしやすいと考えられる。

また、法医人類学者カロリン・ランドー氏はこのように指摘しています。

犬が飼い主の顔をかんでいるうちに、血の味に刺激されて、「食べる」という行為にまで発展する可能性がある。

イヌ科の野生動物が普通、獲物を捕まえたら栄養のある胸部や腹部から食べるのに対し、飼い犬が飼い主の遺体を食べる場合は大半が顔を食べていることからも、初めから食べたいと思って食べたわけではないと考えられます。

飼い主がやっておくべきこと

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では、こうした事件を防ぐために飼い主ができることはあるのでしょうか。

犬を飼っている以上可能性は完全には拭えない

今回ご紹介した事件からもわかるように、たとえ犬が飼い主と仲が良くても、華奢な小型犬であっても、飼い主を食べてしまう可能性は十分にあります。

むしろ、飼い主との間に深い絆があるほど、そして、パニックになってしまうような少し臆病な犬ほど、飼い主を必死で起こそうとして食べてしまう可能性が高いと考えられるのです。

ですから、犬を飼っている以上、突然倒れたときなどに、犬に顔を食べられてしまう可能性を完全にゼロにすることはできないと言えるでしょう。

持病がある人、アルコール中毒の人は特に注意

持病を抱えた人やアルコール中毒の人など、突然倒れる可能性が他の人よりも高い人は、特に注意が必要です。

なぜなら、先ほどご紹介したイギリスの女性のように、亡くなっていなくても意識を失っただけで、パニックになった犬に食べられてしまう可能性があるからです。

特に、ひとり暮らしの場合は、毎日、安否確認を行ってもらったり、具合が悪くなった時にすぐに誰かに連絡できるようにしておくと良いかもしれません。自分のためにも、犬のためにも、生活を今一度見直してみましょう。

また、中毒とまではいかなくとも、お酒を飲みすぎて意識を失ってしまうことが一度でもあれば、その時に犬に食べられてしまう可能性はありますから、くれぐれも注意してください。

ひとり暮らしの高齢者には気を配って

家族や親族、近所の人などに、犬を飼っているひとり暮らしの高齢者はいませんか?

もちろん、犬を飼っていなくても必要なことですが、定期的に連絡をとったり、様子を見に行ったりして、常に安全を確かめてあげましょう。
また、飼い主さんがまともに犬のお世話できない状態であれば、犬を引き取ることも考える必要があります。

まとめ

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今回は、犬が飼い主を食べてしまうという、衝撃的な事件をお伝えしました。

犬が飼い主を食べてしまうのは、必死で飼い主を起こそうとしてパニックになることが原因であることが多く、特にひとり暮らしの飼い主さんには他人ごとではありません。

自分が飼い犬に食べられないようにするためにも、飼い犬が取り残されてパニックにならないためにも、この機会に生活を見直したり、安全確認を定期的にしてくれる人を見つけてみてはいかがでしょうか。

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