犬を飼っている方は、愛犬がどこかに挟まっているのを見たことはありませんか?
狭い隙間や飼い主さんの脚の間など、「どうしてそこ?」と思う場所に全身すっぽりと挟まっていたり、顔だけ、または体の一部だけ挟まっていたりと、挟まり方はいろいろです。
どうして犬は挟まるのが好きなのでしょうか?
今回の記事では、犬が隙間に挟まりたがる理由と注意点をご紹介します。
この記事の目次
犬はどうして自分から挟まるの?
囲われていたい本能
犬は野生時代、穴や洞窟などの狭い場所に住み、寝るときは親や兄弟姉妹と体を寄せ合って寝ていました。
縄張りを決め、天敵や雨風を防ぐために、動物は巣を持つものですが、周囲を囲まれ姿を隠すことのできる狭い場所は、犬にとってとても安心できる場所なのです。
犬は、広くて何もない場所の真ん中にポツンとひとりでいるよりも、周りを何かで覆われている場所の方が安全だとわかっているのです。これは、クレートやケージのサイズ選びにも参考になる考え方です。
邪魔されたくないから
挟まっていると、周りを囲まれて静か。人間や他の動物が来ることもありません。
犬もひとりになって自分だけの空間を作り、誰にも邪魔をされずに静かに過ごしたいときがあるのです。
何かに体をくっつけていたいから
先ほどもご紹介した通り、犬には仲間同士で体を寄せ合って眠る習性があります。眠っているときはどうしても無防備な状態になってしまうため、背中やおしりなど、死角となる部位を仲間と寄せ合って身を守ろうとしていました。
その名残もあって、仲間の代わりに壁や家具などに体をくっつけていると落ち着くのだと考えられます。飼い主さんにおしりを向けてぴったりとくっついている時も、安心して体を預けていますよね。
犬は飼い主さんに挟まることも。その理由は?
ソファやクッション、壁との隙間、椅子の間などだけでなく、飼い主さんの脚の間や、人と人の間に挟まる犬も多いのではないでしょうか。
次は、犬が飼い主さんに挟まる理由をご紹介します。
より安心できるから
狭い場所が好きな犬にとって、人間の脚の間はぴったりフィットする丁度良い空間で、リラックスができます。大好きな飼い主さんにくっつくことで、近くで飼い主さんの匂いも感じることができます。
マーキングのため
飼い主さんが自分のものであることを示すためのマーキングの意味もあるという説もあります。自らの匂いをつける意味があるのかもしれません。
甘えたい・かまってほしいから
飼い主さんに甘えたいときにも挟まりに来ることがあります。飼い主さんの温もりを感じながら、全身を委ねて心地よいのでしょう。そんなときは甘えさせて優しく撫でてあげると、犬のストレス解消になります。
暖かいから
寒い季節、飼い主さんの脚の間や人と人の間に挟まるととても暖かいことを知っているからです。飼い主さんにとっても、寒い時期に犬がくっついてきてくれるのは暖かいものです。
特に小型犬は寒さに弱いので、挟まりにやってくる頻度が高いようです。
犬が挟まっている時の注意点
犬が隙間に挟まっている姿はとても可愛らしいですが、注意したい点をいくつかご紹介します。
物が落下しやすいなど、危険な場所ではないか
あなたの家の犬は、隙間に埋もれて抜け出せなくなったり、上から何か物が落ちてきたりする場所で挟まって寝てはいないでしょうか?
家電の配線が混線している場所も絡まってしまう危険性があります。
また、壁の釘などが飛び出ていないか、あるいはゴミや埃が溜まってはいないかどうかも、しっかり確認するようにしましょう。
意に反して挟まっていないか
犬の意思に反して挟まってしまい、出られなくなっていることもあります。苦しそうにしていないか、身動きの取れる最低限の隙間があるかを確認しましょう。
また、認知症の犬の場合、一度狭いところに入ってしまうと、そこから出る方法が分からなくなってしまうことがあります。その場合は速やかに出してあげましょう。
初めてこのような様子を見たときは、認知症の可能性があるので獣医師に相談することをおすすめします。
不安定なところで挟まっていないか
飼い主さんの脚の間に挟まっている際、飼い主さんが体勢を変えたときや眠ってしまったとき、脚の間の隙間から落下しないように注意です。
飼い主さんの体でなくても、犬が不安定な場所で挟まり寝ていないか見ておきましょう。
まとめ
このように犬にとって狭い場所にいる理由は様々あります。犬にとってお気に入りの場所で「挟まる」ことで、リラックスできる時間を過ごしているのでしょう。
家の中に落ち着ける隙間がないときは、安全に挟まれる場所を作ってあげてみてはいかがでしょうか。もしくは、適度なサイズのクレートやケージを設置して、犬が落ち着ける場所を用意してあげることも重要です。
人間は広い家を好む方が多いと思いますが、犬にとっては広い場所の方が良いというわけでもありません。これらの注意点に気をつけながら、危険がない限り、挟まっている犬の可愛らしい姿をそっと見守ってあげてくださいね。