「猫を飼うとゴキブリがいなくなる」という話を聞いたことがある人もいるかもしれません。
これは一体どういうことなのでしょうか?また、もし本当にいなくなるとしたら、ゴキブリはどこへ行ってしまうのでしょうか?
今回の記事では、猫のゴキブリ退治事情や、猫がいる家庭での殺虫剤・駆除剤の選び方などをご紹介します。
この記事の目次
「猫を飼うとゴキブリがいなくなる」って本当?
結論から言うと、基本的に猫を飼っただけではゴキブリがいなくなることはありません。
しかし、中にはゴキブリを捕まえる猫もいるため、その場合は「最近ゴキブリが減ったなあ」と感じるかもしれません。
捕まえたゴキブリは、弱らせたり殺したりしたまま放置することもあれば、食べてしまうこともあります。猫によっては、捕まえたゴキブリを「おみやげ」として飼い主さんの枕元に持ってくることもあるようですので、猫を飼うならそれなりの覚悟が必要です。
狩りは猫の本能
野生の猫は、ネズミなどの小動物や昆虫を食べて生きてきました。家猫は飼い主さんからごはんをもらえるので、自ら狩りをする必要はありませんが、動き回るゴキブリやセミなどを見ると、捕まえたい本能に駆られるのでしょう。
そもそも、猫がペットとして飼われるようになったのは、ネズミ退治のためとも言われています。
狩り好きゆえの侵略的外来種ワースト100
ゴキブリに限らず、猫は外に出ると遊びで小鳥や昆虫を傷つけてしまうことがよくあります。
狩りが好きな猫はただ楽しくてやっているだけですが、食べる必要がないのに殺したり弱らせてしまうのは、他の生き物にとっては大変迷惑な話です。
実際、猫は国際自然保護連合(IUCN)の種の保全委員会によって、「世界の侵略的外来種ワースト100」に選ばれていて、生態系への深刻な影響が問題視されています。
猫が逆にゴキブリを呼び寄せることも
キャットフードの食べカスが落ちていたり、猫の糞尿を長時間放置してしまうと、逆にゴキブリが寄ってきてしまうことがあります。
猫の食事場所やトイレは、毎日こまめにしっかりと掃除をし、清潔に保ちましょう。
ゴキブリを捕まえる猫と捕まえない猫の違い
猫だからといって、みんながゴキブリを捕まえるわけではありません。中には、ゴキブリを怖がって近づきたがらない猫もいるため、飼う前から猫にゴキブリ退治を期待するのはやめましょう。
ゴキブリを捕まえる猫の傾向
もちろん猫にもよりますが、ゴキブリを捕まえる猫は比較的、野生の本能が強い傾向があります。
野生本能が強い猫の特徴には、次のようなものがあります。
- おもちゃを素早く動かすとかなり食いつく
- 野良猫出身など、外で暮らしていたことがある
- 窓の外にいる鳥などによく反応する
- 好奇心が旺盛で、初めて見るものにすぐ興味を示す
ゴキブリを捕まえない猫の傾向
逆に、ゴキブリを捕まえたがらない猫は、次のような特徴を持ちます。
- おもちゃなど、動くものに興味を示さない
- 子猫の時からずっと室内外で、あまり外にも出たがらない
- 見たことのないものを警戒し、怖がる
猫はゴキブリを食べても大丈夫?
猫がゴキブリを食べることは、飼い主さんからすると気持ちが悪いことですが、基本的には猫の健康を害する心配は少ないです。
ゴキブリが原因でかかる可能性のある病気
しかし稀に、ゴキブリを食べたことが原因で体調を崩すことがあります。
ゴキブリそのものの成分は問題ありませんが、サルモネラ菌などの細菌や、回虫・条虫などの寄生虫を持っていることがあり、これらが猫の体内に入ると病気になってしまいます。
駆除剤で中毒になることも
また、時間差で効果が現れるゴキブリ駆除薬を設置している場合、ゴキブリを介して駆除薬が猫の体内に入り、中毒症状を引き起こすことがあります。
猫がいる家庭での駆除剤や殺虫剤の選び方は、次の章でご紹介します。
猫がいる家の殺虫剤・駆除剤選び
危険な殺虫剤・駆除剤
次のタイプの殺虫剤・駆除剤は、猫のいる家庭では使用を控えましょう。
- 家中のゴキブリを一気に退治できる燻煙剤(例:バルサン)
- ホウ酸団子系の食べる駆除剤(例:ゴキブリキャップ)
- 粘着剤(例:ゴキブリホイホイ)←猫が届かないところならOK
安全な殺虫剤・駆除剤
薬を使わないで駆除する方法は最も安全ですが、薬を使った場合に比べて駆除の難易度が上がります。
- 冷却スプレー
- 熱湯
ほとんど害のない殺虫剤・駆除剤
薬を使っている商品でも、哺乳類への害が少ないものなら使っても大丈夫でしょう。
ただし、使用の際は猫にかからないようにし、しばらく換気をしましょう。
- ピレスロイド系のゴキブリ用殺虫スプレー(例:ゴキジェット・プロ)
- フィプロニル系(例:ブラックキャップ)、ヒドラメチルノン系(例:コンバット)の食べる駆除剤
まとめ
「猫を飼うとゴキブリがいなくなる」というのは、野生の本能が強く狩りが好きな猫の場合は、十分にあり得る話だと分かりました。
猫のおかげでゴキブリが減るのは嬉しいことですが、猫がゴキブリを食べてしまったり、枕元に持ってきたりすることを考えると、やはり気持ちが悪いと感じる飼い主さんも多いでしょう。
猫の出した食べカスや糞尿につられてゴキブリがやって来てしまうこともありますから、ゴキブリ退治は猫だけに頼るのではなく、安全な駆除剤を使うなどして上手に減らしていきたいものです。