猫はなぜ獲物の「おみやげ」を持ち帰る?対処法やリスクを解説

2025.01.01
猫はなぜ獲物の「おみやげ」を持ち帰る?対処法やリスクを解説

猫を飼っている皆さんの中には、愛猫が外から死んだ昆虫や小動物を持って帰ってくる姿を見たことがある方もいるのではないでしょうか。「猫のおみやげ」とも呼ばれるこの行為ですが、実はその裏には大きな理由があるのです。

今回は、猫の習性の一つである猫のおみやげについて解説していきます。

この記事の目次

そもそも猫のおみやげとは?

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もともと猫は狩りをして生きてきた肉食動物です。その本能は現代にも受け継がれており、外で狩りをして狩猟本能を満たす飼い猫もいます。

時には、外で仕留めた獲物を家に持ち帰ってくることがあります。これがいわゆる「猫のおみやげ」です。

猫が持ち帰ってくるおみやげとしては、以下のものが挙げられます。

  • ネズミ
  • すずめなどの小鳥
  • ヘビやトカゲなどの爬虫類
  • セミやバッタ

基本的に、口で咥えられるサイズのものが多いですが、中にはカラスや鳩といった大きめの鳥を捕らえてくる場合もあります。おみやげの種類も季節や地域によって異なり、例えばセミなどは夏特有のおみやげだといえます。

猫がおみやげを持ち帰る5つの理由

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猫がおみやげをわざわざ家に持ち帰ってくるのには、どのような理由があるのでしょうか。実は、飼い主さんへの嫌がらせなどではなく、むしろ飼い主さんへの愛が詰まった理由があるのです。

1.飼い主さんのご飯として

狩りをしない飼い主さんのことを「狩りができない存在」と認識し、お腹を空かせないようにとご飯を持ってきている可能性があります。

飼い主さんのことを心から考えた結果の行動ですので、嫌がらせなどと思わず、その気持ちだけでも受け取ってあげましょう。

2.飼い主さんに自慢したい

自身が獲った獲物を飼い主さんに見せるために持ち帰っているという理由です。成果を見せることで、狩りの能力の成長を誇示し、飼い主さんに褒められようとしているのです。

3.狩りの仕方を教えようとして

狩りができない飼い主さんに、狩りの仕方を教えようとしているという説もあります。メス猫によく見られるもので、母猫が子猫に狩りを教えるように、飼い主さんが一人で獲物を捕らえられるように教育しているのです。

もし、持ち帰ってくるおみやげがまだ生きていたり、元気に動いていたら、飼い主さんの狩りの練習のために連れてきているのかもしれません。

4.安全な場所に保管するため

捕まえた獲物を安全な場所で保管するために持ち帰っている可能性もあります。これはつまり、自分が住んでいる場所を安全だと認識しているということです。

そのため、飼い主さんのことを信頼している、もしくは無害だと思っている証しであるともいえます。

5.おもちゃとして遊ぶため

人間の家庭で育った猫にも狩猟本能はありますが、狩った獲物を食事にすることはほとんどありません。なぜなら、捕らえた獲物を食べるという行為は、野生においては母猫から教えられるためです。

しかし、子猫の頃に母猫から引き離され、人間の家庭で飼われている猫の場合、本能に従い獲物を狩ったはいいものの、その後どうすればいいのかわからず、遊んでしまうことがあります。

もし、おみやげにひっきりなしにちょっかいを出している場合、おもちゃとして遊ぶために持ち帰ってきたという理由が考えられるでしょう。

どうやって対処すればいい?

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このように、愛らしい理由でおみやげを持ち帰る猫ですが、飼い主にとっては困りものでもあります。おみやげを持ち帰られた場合や、そもそも持ち帰らせないためには、どうすればよいのでしょうか。

おみやげをそっと片付ける

飼い猫の多くは獲物の食べ方を知らず、狩りをして捕らえるだけなので、獲った後は執着しません。一説によると、おみやげとして持ち帰ってくる獲物は、実際に外で狩った獲物の3分の1程度でしかなく、残りはその場に放置しているといわれています。

おみやげを見つけた時に大きなリアクションをしていると、飼い主さんのためにしたのに怒られたと思い込んでしまったり、喜んでいると勘違いしてしまう場合もあります。猫がいない間にこっそり片付けてしまいましょう。

完全室内飼育にする

そもそも外に出さず、ずっと家の中で飼っていれば、猫がおみやげを持ち帰る可能性は低くなります。ただし、家の中に小動物や昆虫がいたり、猫がベランダに出られる環境では、おみやげを持ち帰ることがあるため、完全に防げるわけではありません。

しかし、狩りをするのは本能であり、それをやめさせることは容易ではありません。そのため、外に出さず、室内で飼育することが最も直接的な解決策となるでしょう。

また、猫自身の安全を守り、ご近所への迷惑を避けるため、さらには環境保護の観点からも、飼い猫の完全な室内飼育をおすすめします。

病気に感染する可能性も

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母猫から獲物の食べ方を習っていない猫であっても、時には獲物を捕まえて食べることがあります。その際、特に注意が必要なのが寄生虫です。ネズミなどの獲物には寄生虫が含まれていることがあり、これを捕食することで下痢や嘔吐などの症状が引き起こされることがあります。

飼い主さんに病気がうつる可能性も

猫に寄生する寄生虫には、人間に感染する可能性のあるものも存在します。

その中でも特に注意が必要なのが、猫の糞を介して感染するトキソプラズマという寄生虫です。妊娠初期にトキソプラズマに感染した場合、胎児に影響を与えることがあり、最悪の場合、死産や流産などを引き起こすこともあります。

もし猫の様子に異常を感じた場合は、すぐに動物病院を受診してください。また、猫や飼い主さんの健康を守るため、定期的な寄生虫予防や完全室内飼育も検討しましょう。

まとめ

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今回は、猫がおみやげを持って帰ってくる理由と対処法、そして病気に感染する可能性について解説しました。

飼い主さんからすると迷惑に感じる猫のおみやげですが、その裏には愛猫からの愛情が込められているのかもしれません。そのため、猫の気持ちを受け取り、気づかれないように処分するのが良いでしょう。

また、本能である以上、猫に狩りをやめさせることは困難です。病気などを予防するためにも完全室内飼育に切り替え、おもちゃ遊びなどで狩猟本能を満たしてあげることをおすすめします。

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