飼い主のみなさんは、人生で一度くらいは仮病を使った経験があるかもしれません。では、犬は仮病を使うことはあるのでしょうか?結論だけお伝えすると、犬も仮病のような行動をとることがあります。
この記事では、犬が仮病を使う理由と対策、本当の病気との見分け方について解説していきます。
この記事の目次
犬の仮病とは
人と同様、犬の仮病はさまざまですが、以下のような行動がよく見られます。
- 体が震える
- 足を引きずって歩く
- お腹が痛いふりをする
- ご飯を食べなくなる
慌てて病院を受診しても、症状や悪いところは見つからないため、「とりあえず様子を見ましょう」と言われる場合が多いです。
ちなみに、獣医学的には「仮病」と診断されることはありませんが、この記事ではあえて「仮病」と表記させていただきます。
犬が仮病を使う理由
では、なぜ犬は仮病を使うのでしょうか?その理由はいくつか考えられます。
1. 飼い主に構ってもらいたい
犬は、ケガや体調不良のときに飼い主がやさしくしてくれたことを覚えています。
すると、病気の時と同じことをすれば飼い主が構ってくれたり優しくしてくれることを期待し、仮病を使うことがあります。
多くの場合、飼い主とのコミュニケーション不足が原因と考えられます。
2. 何かを要求している
例えば、普段は食べていたご飯やおやつを突然食べなくなった場合に、もっと美味しいものが食べたいと要求している可能性があります。
散歩が嫌な場合は足を引きずるような行動をしたり、爪切りやシャンプーが嫌な場合は聞こえないふりや元気のないふりをしたりすることもあります。
愛犬が仮病を使っていたら?
もし、愛犬が仮病を使っていることがわかったら、以下のように対処しましょう。
コミュニケーションの時間をしっかり取る
犬が仮病を使うのは、飼い主とのコミュニケーションやスキンシップが足りていない場合が多いです。まずは、愛犬と遊ぶ、撫でる、トレーニングをする等コミュニケーションを取る時間をしっかり確保しましょう。
この場合、一時的に犬とコミュニケーションを取る時間を増やすのではなく、普段のコミュニケーション量を増やす必要があります。仮病を使わなくなったからといって、コミュニケーションを減らしてしまうと、また仮病を使うようになりエスカレートしかねませんので注意しましょう。
不満を解消する
いつもの食事に飽きてしまったり、試供品などで一度だけ食べたものがおいしかったりなど、現在の食事内容に満足していない場合があります。
飼い主に構ってもらいたくてご飯を食べない場合はスキンシップを増やすことで改善できるかもしれませんが、食事に不満があるようでしたらご飯の変更も検討しましょう。
散歩に行きたがらない場合は、その理由を見つけて不満を解消してあげましょう。
仮病を見分ける
犬が仮病を使っているかどうかを見分けるのは大変難しいです。仮病だと思っていたら本当に病気だった!とならないように、仮病の判断は慎重に行いましょう。不安な場合は、獣医師に診てもらうのが安心です。
ケース別の見分け方
1. ご飯を食べない場合
ご飯を食べないようであれば、すぐに下げてしまいましょう。もし仮病であれば、名残惜しそうにしていたり、時間を置いて再度ご飯をあげると食べるはずです。
2. 足を引きずる場合
引きずっている部分を軽く触っても痛がらないようであれば仮病の可能性が高いです。また、「おやつだよ」と声をかけたときに、いつも通りに元気におやつを要求する場合も仮病の可能性が高いでしょう。
<注意>
犬が仮病を使うたびにおやつをあげすぎてしまうと、同じことをすればおやつをもらえると学習してしまいます。
仮病なのかどうかを確認するのではなく、根本的に仮病を使わなくてもいい環境を整えてあげてください。
初めての行動だったら病気の可能性が高い
今までに、腹痛や、足の痛みなどの経験があれば、そのような行動を取れば飼い主が優しくしてくれることを知っています。
しかし、経験がない場合はその行動をすることはできません。そのため、初めて見る行動の場合は本当の病気である可能性が高いです。
飼い主がいない時の反応を確認する
飼い主が目の前にいなければ仮病を使う必要がありません。
愛犬が仮病を使っているかもしれないと思ったら、見守りカメラや、スマートフォンのビデオ機能などで飼い主がそばにいないときの様子を観察してみましょう。
他の異常はないか
本当に体調が悪い場合、他の部分にも異常が現れている可能性があります。
- おしっこやうんちの量・色はいつも通りか
- 呼吸は乱れていないか
- 歯茎の色は健康的なピンク色をしているか
- 食事や水分補給は適切か
- 脱毛は見られないか
もし、これらの異常が見られたら病気の可能性が高いですので、動物病院を受診しましょう。
まとめ
愛犬が仮病を使っている場合、飼い主からの愛情やスキンシップが不足している可能性が高いです。愛犬に寂しい思いをさせないよう、普段からしっかりスキンシップを取り、愛情を注いであげてください。
仮病か本当の病気かを区別するのは獣医師でもとても難しく、検査結果に異常はなくても、病気の一歩手前の状態である可能性もあります。症状が悪化したり、再発したなどがあれば、必ず獣医師に相談するようにしましょう。