突然ですが、犬や猫はどのように水を飲んでいるか知っていますか?舌をスプーンのように水をすくって飲んでいると考えている人も多いかもしれませんが、実はそうではありませんでした。
また、一般的には、犬の方が水を飲むのが下手だと言われることが多いですが実際のところはどうなのでしょうか?
この記事では、犬と猫の水の飲み方の違いについてご紹介します。
この記事の目次
犬や猫は人間のように水を飲めない
人間には厚い頬があり、液体を吸い込んだり、蓄えて飲み込むことができます。しかし、犬も猫も人間のような頬をもたないため、人間と同じ方法で水を飲むことはできません。
もちろん器用に手でコップを持って、口の中に水を流し込むこともできません。
では、犬や猫は一体どのように水を飲んでいるのでしょうか。実際には犬や猫はほぼ同じような舌の使い方をして水を口の中に運んでいます。詳しく見ていきましょう。
犬の水の飲み方
犬が水を飲む際、特に大型犬の場合は「ガポッガポッ」と少し大きな音を立てていることが多いかもしれません。豪快な飲みっぷりで、周りに水が飛び散ってしまうこともしばしばで、「犬は水を飲むのが下手」といわれるのはこれが理由です。犬を飼っている方なら身に覚えもあるでしょう。
そんな犬は、水の中に舌をしっかり入れて「J」のように丸め、舌の裏側で水をすくって勢いよく引っ込めます。その際、水面と口の間に水柱ができるため、水柱を口に含むことで水を飲み込みます。冒頭で述べたような、スプーンのように水をすくっていたわけではありませんでした。
なお、犬は1秒間に3回程度舌の出し入れをしているようです。
猫の水の飲み方
猫は水を飲むときも犬とほぼ同様な動きをして水柱を作り、素早く口を閉じることで水を飲んでいます。
ただし、犬と比べると水面付近までしか舌を入れないため、口の周りを濡らしたり、周りに水が飛び散ったりしにくいです。そのため、「巧みで優雅な飲み方」といわれることもあります。
猫は1秒間に4回程度舌を出し入れしており、一度の動作で0.14ml程度の水を飲んでいるといわれています。
犬と猫の飲水ASMR
ASMRとは、人の聴覚や視覚を刺激する、ゾクゾクしたり心地よくなる音を収録した動画のことで、耳かきの音や咀嚼音が人気を集めています。
今回ご紹介するのは、犬と猫がひたすらに水を飲んでいるだけの動画です。「それだけ?」と感じるかもしれませんが、不思議と見入ってしまうのでぜひ再生してみてください。
こうやって聴き比べてみると、犬の方が豪快に飲んでおり、猫の方がスピードが速いことにも気づきますね。普段は意識しなかった愛犬や愛猫の水を飲む様子が、余計に愛おしく感じるかもしれません。
犬と猫の飲水量の目安
犬や猫の飲水量で、体調の良し悪しがわかることもあります。いつもより多く飲んでいる、もしくは少ないというときは、何らかの体調不良を抱えている可能性があります。特に猫の場合は、高齢になると腎臓病になってしまうことが多いので、若い頃からしっかり水を飲ませることが大切です。
ここでは犬と猫の適切な飲水量について解説していきます。
犬と猫の飲水量の目安
犬も猫も1kgあたり50ml程度が目安です。
なお、普段ドライフードを食べているかウエットフードを食べているか、持病の有無によっても必要な飲水量は異なります。夏や冬といった外的環境により飲水量が変化することもありますので、多少増減があっても神経質になる必要はありません。しかし、様子がおかしいと感じたら、早めにかかりつけの獣医師に相談しましょう。
給水量を把握するには
犬や猫がどのくらいの水を飲んでいるか、なるべく普段からチェックしておきましょう。
水を容器に入れる前に計量カップなどで水の量を量ってから犬や猫に与えます。2、3時間後に容器に残っている水の量を量り、最初に入れた水の量から差し引くと飲水した量が算出できます。
また、目盛りがついた水飲みの容器もおすすめです。正確な値まではわかりませんが、どのくらいの量の水を飲んでいるかの目安にはなります。毎日計量カップなどで測定するのが負担な場合はこちらも検討してみてください。
まとめ
人間のように水を吸い込めない犬や猫は、舌を器用につかって水柱を作り、それを口に含むことで水を飲んでいました。どちらもほぼ同じ方法ですが、犬は周りに水を飛ばしながら豪快に、猫は素早くかつ優雅に飲む点が異なります。
犬や猫を飼っている場合は、飲水量の把握がとても重要です。特に環境の変化がないのに飲水量が減ってきたり、逆に増えてきた場合は、何かしらの異常が生じている可能性もあるため注意しましょう。
愛犬や愛猫が水を飲んでいる姿は何時間でも見られるような気がしますね。今まで意識したことがなかった方も、ぜひ一度水を飲んでいる様子を観察してみてください。