愛犬のために良いと思って与えていたり、やっていたりすることでも、実は危険が潜んでいたり、愛犬にとってデメリットが多いこともあります。その一つとして噛むための木や、鹿の角でできた硬いおもちゃがあります。
多くのペット用品店でも目にするこれらのおもちゃですが、なぜ犬にとって良くないかを解説し、硬いものを噛む以外にできるエネルギーの消費方法を紹介します。
この記事の目次
噛むためのおもちゃの役割
硬いおもちゃを噛む最大の目的は、元をたどればエネルギー消費です。
犬が硬いものを噛み続けるのは噛みたい欲求を満たすためであることが多いと思いますが、噛みたい欲求があるということはエネルギー消費が足りていない可能性が考えられます。
硬いおもちゃはなぜ危ない?
噛むための硬いおもちゃは様々な種類が販売されており、実際に購入している方も多いと思います。絶対に良くないというわけではありませんが、デメリットがあることも知った上で、何を愛犬にあげるべきかを選択できるようにしましょう。
硬いおもちゃのリスク①誤飲
硬いおもちゃの中でも、木や鹿の角などは噛み続けたり、唾液などでふやけるとおもちゃの一部が取れて誤飲することがあります。木などは先が尖っているため口の中や飲み込んでしまった場合には胃腸を傷つける可能性もあります。
また、木などは消化はされないため、飲み込んだ大きさによっては便で排出する前に詰まってしまい、命にかかわる事態になることも考えられます。
硬いおもちゃのリスク②歯が欠ける
硬いものを噛み続けると歯が欠けるリスクもあります。乳歯であれば抜け替わりますが、永久歯の場合、欠けた歯が元に戻ることはありません。歯が折れることもあれば、折れなくてもずっと噛み続けることで歯が削れてしまうこともあります。
また、歯が欠けた部分は凹凸ができ、歯垢も溜まりやすく歯周病にもなりやすいとされています。
噛む以外にもできるエネルギー消費
木の棒や鹿の角といった硬いおもちゃを控えて別の方法でエネルギー消費をする方法はいくつもあります。
これから紹介する方法を、愛犬の体力などに合わせていくつか組み合わせてやってみるのがおすすめです。
エネルギー消費方法①知育玩具
知育玩具とは、おやつやフードを知育玩具の中に入れ、それをどのようにしたら食べられるかを考えながら、嗅覚、口、前脚を使って取り出す玩具です。
犬は普段、頭や嗅覚を使う機会が少ないため、知育玩具は頭も嗅覚も刺激され、良い消費に繋がります。
知育玩具は弾力のある素材でできている物が多く、噛みたい欲求み満たしながらも歯が欠けたりするリスクは低いのもメリットのひとつです。
知育玩具使用時の注意点
- 一回の使用は10〜15分程にしましょう。長時間の使用は、知育玩具の破壊による誤飲、飽きにつながります。
- 使用後は食器用洗剤でよく洗い清潔に保ちましょう。汚れていてニオイがついたままだと使わなくなる子もいます。
- はじめは簡単なレベルで、おやつが出やすくなるよう調整しましょう。初めから難しくすると、おやつが食べられず知育玩具のモチベーションが下がり、興味がなくなる可能性があります。
エネルギー消費方法②おもちゃ遊び
愛犬とおもちゃの引っ張りっこや、おもちゃを投げて持ってきてもらうなど、飼い主さんも一緒に遊ぶことが大切です。丈夫なロープなどのおもちゃであれば、遊びながらしっかり噛むこともできます。
エネルギー消費方法③ノーズワーク
ノーズワークとは、犬が優れた嗅覚を使って決められたニオイやおやつを見つける仕事や遊びです。ニオイを嗅ぎ分けターゲットとなるニオイやおやつを見つけ出すことは、体力も使い良いエネルギー消費になります。
ご自宅でもお部屋の様々な場所やお菓子の空き箱におやつを隠すことで、ノーズワークが手軽にできます。最近ではノーズワークマットというフェルト生地におやつを隠す場所がいくつもあるものも多く売られています。
ノーズワークは1回10分程度とし、2~3回やったら休憩しましょう。やりすぎると飽きにも繋がります。
エネルギー消費④刺激のあるお散歩
いつもと同じ道を歩くだけでもある程度のエネルギー消費はできますが、物足りなさがあるかもしれません。広い公園があれば、ロングリードに付け替えて思い切り走ったり、おもちゃを投げて持ってこい遊びをするのもいいです。
ご自宅では走れる距離も限られてしまいますが、ロングリードであれば存分に走ることもでき愛犬の普段見られない表情も見られるかもしれません。
※ロングリードは周りの状況をしっかり見て、安全な場所で使いましょう。飼い主さんがロングリードの扱いに慣れていない時は、複数の飼い主さんがいる時にやった方が安心です。
まとめ
犬は噛むのが好きというイメージも強く、硬い木などををあげたくなる気持ちもわかりますが、愛犬の健康や安全面を考えると別の方法でエネルギー消費をする方が良いでしょう。
エネルギー消費をしてもらうのには、飼い主さんの労力も必要となりますが、消費させてあげられるのは飼い主さんだけです。ぜひ一緒に楽しみながら愛犬のエネルギー消費ができる機会を作ってあげてみてはいかがでしょうか。