犬を飼っている方の多くは、愛犬に家族の一員として、幸せな生涯を過ごしてほしいと願っていることでしょう。犬の幸せな暮らしには様々な要素がありますが、特に犬が長い時間を過ごす居住部屋の環境作りは重要です。
本記事では、犬にとって安全で快適な部屋づくりのポイントを紹介します。愛犬との暮らしをより充実させるために、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
犬に優しい床材を選ぼう
現代では多くの家庭でフローリングの床が使用されていると思います。しかし、フローリングは犬にとって滑りやすいため止まる時にブレーキが効きにくく、膝関節や腰に大きな負担をかける可能性があります。
滑ることにより発症しやすい病気
- 大型犬に多く、股関節のゆるみが原因で引き起こされる「股関節形成不全」
- 小型犬に多く、膝の皿が脱臼して歩行障害を起こす「膝蓋骨脱臼(パテラ)」
- ダックスフンドなどに多く、背骨を繋いでいる椎間板が衝撃を受けて変性する「椎間板ヘルニア」など
こういった病気から愛犬を守るために、犬が過ごす場所の床材には注意しましょう。
犬に適した床材やフローリングの滑り対策には、以下のような種類があります。
- カーペット
- タイルカーペット
- ジョイントマット
- コルクマット
- クッションフロア
- フローリング用滑り止めコーティング剤
どの床材も一長一短がありますが、犬が走った時にフローリングと接している床材の裏面が滑らないかどうかや、賃貸住宅の場合は原状回復が可能かどうかなどをチェックしておく必要があります。
犬に危険が及ぶ場所はガードをしよう
犬に危険が及んだり、イタズラしやすい場所はあらかじめガードをしてトラブルを避けましょう。
危険がいっぱいな「台所」
台所は刃物や熱湯など危険な物を扱ったり、犬には有害な食材を扱う場合もあるため、犬が入れないようにゲートやフェンスを設置しましょう。これにより、盗み食いや拾い食いなどのイタズラも防げます。
飛び出すクセがある犬は「玄関」も注意
玄関を開けた瞬間に外に飛び出してしまう犬に対しては、先程のようなフェンスなどを設置するか、外に出る際には一旦座らせて待たせ、飼い主の「ヨシ」という合図で外に出る習慣をつけることが重要です。
ケガや病気を引き起こしやすい「階段」
階段は落下によるケガや、頻繁な上り下りによる椎間板ヘルニアなどの病気の発症が懸念される場所です。階段を使わせない場合はゲートを設置し、抱っこできる犬の場合は抱っこでの移動が良いでしょう。抱っこできない犬に階段を使用させる場合は、階段用の滑り止めの設置をおすすめします。
網戸があっても「窓」は危ない
窓には網戸がついているため、開けていても安全だと思われがちですが、犬が網戸を引っ掻いているうちに穴を開けたり、大きな犬の場合は飛びつくだけで網戸を外してしまうこともあります。その結果、落下すると非常に危険です。
換気などで窓を開けたい場合は、猫の脱走防止にも使われる窓のストッパーを利用して、犬の頭が出ない程度に窓を開けるように設置してみてください。
誤食、盗み食いの宝庫の「ゴミ箱」
台所のゴミ箱には食べ物が捨てられることが多いため、盗み食いの心配があります。また、リビングのゴミ箱ではティッシュの誤食が頻繁に起こり、最近ではマスクの誤食の事例も多く報告されています。できるだけ蓋付きのゴミ箱を使用するようにしましょう。
愛犬が快適に過ごせる環境を作ろう
いくら安全に暮らせる環境を作ってあげても、愛犬が快適でなければ意味がありません。愛犬のQOL(生活の質)を向上させるために、快適な環境を整えましょう。
「冷暖房器具」で不快な気温から犬を守る
一般的に犬にとって快適な室温は21~25℃程度、湿度は50%前後とされています。ただし、子犬や老犬、小型犬、短毛種などは寒さに弱く、成犬や大型犬、長毛種は暑さに弱い傾向があります。犬種によっても適温は異なるため、愛犬の様子を観察しながら適切な温度を見つけてあげましょう。
また、エアコンの設定温度と実際の室温が異なることも考慮しなければなりません。夏場の冷房では、冷たい空気が下に溜まるため、25℃の設定では子犬や老犬は寒さを感じる可能性があります。サーキュレーターを使用して空気を循環させたり、犬が通常過ごす場所の近くに温湿度計を設置して適切な温度を把握するなどの工夫してみてください。
エアコンでの調節と共に、犬が過ごすスペースに温度差をつける方法も有効です。例えば、夏の場合は犬が暑く感じた時に、さらに涼しく過ごせるように冷感シートを設置し、エアコンが寒すぎると感じた場合は丸まって眠れるベッドへ移動できるようにするなどの対策をしましょう。
冬の場合も、犬が寒さを感じた場合に温まれるように湯たんぽなどを設置したり、暑さを感じた場合には暖房の効きにくい部屋の隅に移動できるように工夫してみましょう。
安心できる隠れ家の「ハウス」
個体差はありますが、犬は一般的に狭くて暗い空間が落ち着くという習性があります。犬が一人きりで安心して過ごせる隠れ家を作ってあげましょう。
普段サークルで過ごす時間が多い犬の場合はサークル内に、部屋の中をフリーで過ごす時間が多い犬の場合はフリースペースのどこかに、クレートやベッドなどを設置します。
中には一人で過ごすことが苦手な犬もいます。そういった犬でも、入院時や災害時は一人で過ごさなければなりません。そのような時に大きなストレスにならないように、普段からクレートトレーニングをしておく必要があります。
犬も「トイレ」にはこだわりがある
トイレは犬によって様々なこだわりやクセがあります。設置場所は、その子が食事する場所や寝床から離れた場所が理想です。理由は人間と同じで、トイレの近くで食事したり休んだりするのは、犬にとっても不快なためです。とはいえ、サークル内にトイレを作らなければならない状況もあるでしょう。そういった場合は、できる限りベッドから離れた位置にトイレを設置してください。
トイレのサイズが狭いと、排泄しづらくなり、トイレの失敗の原因となることがあります。頻繁にトイレの失敗が見られる場合、トイレのサイズを大きくすると改善されることもあります。
また、トイレのはみ出し対策としては、囲いが付いているタイプのトイレがおすすめです。
健康な生活に欠かせない「食器台」と「水」
食器台を使用して食事や水を摂取することには、以下のようなメリットがあります。
- 床に置いた食事や水を摂取する場合、犬が下を向くことで食道が狭くなるため、誤嚥や吐き戻しの原因となる可能性があり、食器台の使用でそれらを防げる
- 首に痛みを抱える犬や老犬の場合、食器台を使用することで首への負担を軽減できる
- 巨大食道症や気管虚脱など、気管や食道に疾患を抱えている犬は、食器台を使用することで食事が摂りやすくなる
まだ使っていないという方は、ぜひ取り入れてみてください。
また、犬が健康な生活を送るために水は欠かせません。犬の居住場所に2箇所以上設置して、水切れを防ぎましょう。
まとめ
犬が安全で快適な生活を送るための部屋づくりのポイントをご紹介しました。既に犬を飼っている方は、住環境の見直しをしてみてください。また、これから犬を飼う方は、部屋づくりの参考になさってください。
皆さんの愛犬が幸せな生涯を送る一助となることを願っています。