世界には数多くの犬種が存在しますが、その中でも「ビション系」または「ビション・ファミリー」と呼ばれる犬種がいることをご存じでしょうか。
白い毛の犬が多く、フワフワとカールした毛をしていて、垂れ耳が可愛い小型犬たちですが、見分けるのは難しいかもしれません。この記事では、そんなビション・ファミリーやその系統の7犬種をご紹介します。
この記事の目次
ビション系の犬種とは
「ビション(bichon)」とは、バルビション(barbichon)という言葉が短くなったものだとされています。バルビションには「小型のバルベ」という意味があり、ウォーター・ドッグの祖とも言うべき「バルベ」という犬種に由来しています。(※所説あり)
一般的にビション・ファミリーといえば、「ビション・フリーゼ」「マルチーズ」「ボロニーズ」「ハバニーズ」の4犬種を指す場合が多いですが、今回はそれらに加えてビション系とされることもある、「プードル」「コトン・ド・テュレアール」「ローシェン」などもご紹介します。
1.ビション・フリーゼ
■基本データ
- 【原産地】フランス/ベルギー
- 【体高】25cm~29cm
- 【体重】約5kg
- 【被毛】純白/ダブルコート
ふわふわな巻き毛が全身を覆うビション・フリーゼ。明るく社交的な性格で飼いやすく、日本では「アフロ犬」としても人気の愛玩犬です。綿密で柔らかい毛は癒される触り心地ですが、その下の筋肉は意外にもがっしりとしています。フワフワな毛は絡まりやすく、毎日ブラッシングしていても毛玉ができることもありますので、十分なお手入れが必要です。
※ビション・フリーゼについては、こちらの記事もご覧ください。
初心者にも飼いやすい小型犬!ビションフリーゼを紹介!
https://cheriee.jp/dogs/15743/
2.マルチーズ
■基本データ
- 【原産地】中央地中海沿岸地域
- 【体高】オス:21cm~25cm/メス:20cm~23cm
- 【体重】3kg~4kg
- 【被毛】純白/シングルコート
マルチーズの歴史は古く、紀元前の古代ギリシャ文化が栄えた頃から貴族の間で愛されてきた犬種です。その後、貿易商たちの間でも人気となり、地中海地域に広く知られるようになりました。ルネサンスの頃にはヨーロッパの貴族の間で広く飼われるようになり、現代では見た目の愛らしさや飼いやすい性格から、世界的に人気の犬種です。
※マルチーズについては、こちらの記事もご覧ください。
小さいぬいぐるみのよう!マルチーズを紹介!
https://cheriee.jp/dogs/12939/
3.ボロニーズ
■基本データ
- 【原産地】イタリア
- 【体高】オス:27~30cm/メス:25~28cm
- 【体重】2.5~4kg
- 【被毛】純白/シングルコート
ボロニーズは、古くはイタリアの宮廷で寵愛されていた愛玩犬です。他のビション系の犬種とは異なり脚が長く、体長と体高がほぼ同じ長さのスクエアタイプの体形です。被毛は長毛の巻き毛ですが、巻き方はきついカールではありません。ふさふさとしたしっぽはくるりと背中側へ巻かれています。
4.ハバニーズ
■基本データ
- 【原産地】キューバ
- 【体高】23cm~27cm
- 【体重】3~6kg程度
- 【被毛】フォーン、ブラック、ハバナ・ブラウン、タバコ、レディッシュ・ブラウン、純白/シングルコート
他のビション系と同様に地中海にルーツを持つハバニーズですが、1600年代にスペイン人とイタリア人によってキューバに渡り、貴族によって可愛がられていました。その後、さまざまなカラーのプードルと交配された後、犬種として認められています。そのため、他のビション系の犬種と異なり、多くのコートカラーが存在します。
5.プードル(トイ/ミニチュア)
■基本データ
- 【原産地】フランス
- 【体高】トイ:24cm~28cm/ミニチュア:29cm~35cm
- 【体重】トイ:3~4kg程度/ミニチュア:6kg~7kg程度
- 【被毛】ブラック、ホワイト、ブラウン、グレー、フォーンなどの単色/シングルコート
プードルは、家庭犬として非常に人気のある犬種ですが、もともとはカモ猟をしていた犬です。原産国のフランスでは「カニシェ(Caniche)」と呼ばれ、Canne(鴨)Chien(犬)がその語源とされています。猟犬のほかにも、ドッグスポーツやワーキングドッグとしても活躍する万能な犬であり、北欧には「プードルのように賢い」ということわざがあるほど、その利口さが知られています。
※プードルについては、こちらの記事もご覧ください。
【犬図鑑】可愛すぎるトイ・プードル
https://cheriee.jp/dogs/1526/
6.コトン・ド・テュレアール
■基本データ
- 【原産地】マダガスカル
- 【体高】オス:26~28cm/メス:23~25cm
- 【体重】オス:4~6kg/メス:3.5~5kg
- 【被毛】地色はホワイト。グレーやレッド・ローンが耳にあるのは許容される。/シングルコート
マダガスカルの貴族の愛玩犬として飼われていたコトン・ド・テュレアール。フランスで犬種として確立したため、フランス語で「綿のようなマダガスカルの港町の犬」を意味する名前がつけられています。親戚犬のマルチーズは毛がシルキーでサラサラなのに対し、コトン・ド・テュレアールはその名の通り、綿花のようにフワフワで柔らかい毛を持っています。
7.ローシェン
■基本データ
- 【原産地】フランス
- 【体高】25~32cm
- 【体重】4~8kg
- 【被毛】ブラウン以外の全ての毛色/シングルコート
ローシェンは、他のビション系と同様に地中海をルーツとし、ヨーロッパの貴族の間で愛されていました。ライオン・カットと呼ばれる、オスのライオンのように前半身としっぽの先端の毛を残すカットが特徴的で、犬種名も「小さなライオン」を意味しています。二度の世界大戦後、その数が激減し、「世界で最も希少な犬」としてギネスに登録されたほどでした。
まとめ
ビション系やビション・ファミリーとされる7犬種をご紹介しました。どの犬種もフワフワでモコモコしていて可愛らしいですね。
似たような容姿なので見分けるのは難しいですが、カールの強さや体形、目の大きさや位置などが微妙に違っています。写真をよく見比べてみると、犬種ごとの違いが分かるようになるかもしれませんので、チャレンジしてみてください。