動物園にいるモルモットは集団で飼育されているというイメージがあるため、ペットとして飼育する場合も複数で飼育した方がいいの?と疑問に思うかもしれません。
そこで、今回はモルモットの多頭飼育についてご紹介します。これからモルモットを飼育しようと考えている方はぜひ参考にしてください。
この記事の目次
モルモットの基本知識
モルモットの基本情報
モルモットはげっ歯目テンジクネズミ科に分類され、「テンジクネズミ」や「ギニアピッグ」とも呼ばれます。もともとは南米原産で野生だったものを、食用として家畜化されたのが始まりといわれています。
モルモットの体の特徴
体長は25〜35cm、体重は300〜700gほどで、ウサギとハムスターの中間くらいの大きさです。
ネズミの仲間ですが、尻尾はほとんどありません。耳は小さく丸い形をしています。
モルモットの平均寿命
平均寿命は5〜6年とされていますが、飼育環境次第では長生きする子もいます。ギネス世界記録に認定されたモルモットは14年10ヶ月も生きたそうです。
モルモットの性格
モルモットはとても穏やかな性格をしていますが、臆病で警戒心が強いため、小さな物音でもびっくりしてしまいます。しかし慣れてくると、名前を呼ぶ声に反応したり、抱っこされたまま寝てしまったりすることもあります。
1匹飼いと多頭飼いはどっちが良い?
野生のモルモットは、5〜10匹の群れで生活するため、複数のモルモットを飼育するのは問題ありません。ただし、モルモットにも相性がありますので、多頭飼育を検討する場合は慎重になる必要があります。
逆に、1匹で飼うのはモルモットに寂しい思いをさせてしまうのではないかと不安になってしまうことがあるかもしれませんが、飼い主が十分に愛情を注いであげれば問題なく飼育可能です。
モルモットにも相性がある
モルモットの多頭飼育の可否は、性格や性別が相性に大きく影響します。性格の相性は一緒にしてみないとわかりませんが、性別の相性は事前に把握しておくと安心です。
メス同士
メス同士の場合は、相性が良く、ケンカも起こりにくいため、比較的飼いやすいとされています。
ただし、性格による相性もあることから、いきなり同じケージで飼うのではなく、少しずつ距離を縮めながら様子を見るようにしましょう。また、ケージは十分な広さを確保し、寝床は別々に用意してあげるとケンカになりにくいです。
オス同士
オスは縄張り意識が強く、大ケガを負うほどのケンカに発展してしまうことも珍しくありません。基本的にはオス同士の同居は難しいと考えておきましょう。
オスとメス
モルモットは繁殖力が高く、オスとメスを同じケージで飼育すると繁殖してしまう可能性があるため、希望しない場合は同居させない方が良いでしょう。
不妊・去勢手術は体が小さいためリスクが高く、また手術をできる獣医師が少ないことから、あまり推奨されていません。もちろん、絶対にできないというわけでもありませんので、手術を希望する場合は、獣医師としっかりと相談する必要があります。
多頭飼育に適したモルモットの環境作り
モルモットを多頭飼育する場合は、適切な環境作りが大切です。どのような点に注意すべきか、詳しくご紹介します。
必要なケージやスペースの確保
多頭飼育の場合、1匹あたり十分なスペースを確保しましょう。広いスペースを確保することで、モルモットたちがリラックスし、ストレスを感じにくくなります。
また、ケージ内にはそれぞれの縄張りを確保できるような隠れ家を用意しましょう。それぞれのモルモットに十分なプライベートスペースを与えることが大切です。
トイレや掃除
モルモットは、体の大きさのわりにおしっこやうんちの量が多い動物です。しかし、汚れたまま放置すると、ストレスを感じるだけでなく悪臭や病気の原因にもなってしまうため、基本的には毎日、汚れがひどい場合は1日2回掃除しましょう。
モルモットはトイレを覚えることができず、いろいろな場所にしてしまうため、居住スペースが汚れやすいです。さらに、複数のモルモットを同じスペースで飼育していると汚れるスピードも速くなりますので、定期的にきれいにしてあげてください。
多頭飼育のメリットとデメリット
モルモットの多頭飼育には、メリットとデメリットがそれぞれあります。
メリット
モルモットは群れを作る習性がある動物で、複数飼育することで、社会性が向上します。また、お互いに遊び相手となり、ストレス軽減にもつながるでしょう。
飼い主としても、モルモット同士が仲良くしてくれたらとても癒されますし、健康な他のモルモットとの比較ができるため、異変に気づきやすいというメリットもあります。
デメリット
モルモットにも相性があり、喧嘩や縄張り争いが起こりケガをしてしまうこともあるため、注意が必要です。これらはストレスの原因にもなるため、相性が悪い場合はそれぞれ別のケージを用意し、縄張りを明確にしてあげることが必要です。
また、コストや手間が増えることも覚悟しなければいけません。飼育するモルモットが増えると、餌にかかるお金や掃除などのお世話の時間が個体数に比例して増えます。
これらを考慮しながら、自分たちにとって適切な飼育数を決めることが大切です。
最後に
モルモットはもともと群れで暮らしていたため、多頭飼育が可能です。しかし、性格や性別の相性もあるため、多頭飼育は慎重に行いましょう。場合によっては全匹別々のケージで飼育する覚悟も必要です。
一方で、1匹で飼うのは寂しくてかわいそうと考えるかもしれませんが、飼い主が遊んであげれば問題ありません。
モルモットとの生活はかけがえのないものです。ぜひ、愛するモルモットたちと素敵な日々を過ごしてくださいね。