動物愛護法で定められているペットの8週齢規制をご存知ですか?
人間と同様、子犬や子猫にとっても、母親の存在はとても重要です。健康な身体、健全な精神を養うためにも、すぐに親元から引き離さないことが良いというのは、直感的にも理解しやすいのではないでしょうか。
この記事の目次
8週齢規制とは?
子犬や子猫を56日間(8週間)は親元で過ごさせるようにすることが、法律により定められているのです。
しかしながら、ブリーダーやペットショップへの配慮のためか、「法施行後3年間は45日、その後法律に定める日までの間は49日と読み替えて適用する。」という、本来の目的から逸れてしまう条項も記載されています。
そのため、実際には8週よりも短くても売り買いされているというのが、現状です。なぜなら、この時期が一番可愛く、売れる時期だからです。
このルール、きちんと遵守することは、ペット先進国である欧米では当たり前のことなのですが、日本は事業者も消費者もまだまだ遅れていますね。
なぜ8週齢なのか?
生まれたばかりの幼い頃に、親や兄弟とコミュニケーションを取ることは、その後の成長に大きな影響を与えると言われています。
牛などの家畜でも当てはまることですが、母親に飲ませてもらう母乳には、病原菌から身体を守ってくれる免疫力を強化する効果があると言われています。
すぐに親元から引き離すよりも、母親から直接母乳を与えてもらい、幼い頃を過ごすことで、その後の健康状態に良い影響が出るのです。
また、兄弟と一緒に過ごすことで、群れの中での過ごし方を学びます。
噛む力の抑制方法を学んだり、他の犬とのふれあい方、過ごし方を学んでいくため、1匹だけではなく、仲間と過ごすということはとても重要なことなのです。
ある学者によると、8週間でも短いとも言われているくらいですので、これは最低条件であると言えます。
社会化のためにも必須
「社会化」という言葉を聞いたことはありますか?ざっと整理すると、以下の内容になります。
- 社会化に適した期間は生後1か月〜4か月
- 社会化することで、人間の生活環境に慣らすことができる
- 犬にも人にもストレスがかからなくなる
この社会化に適した期間が、実は8週齢規制と重複していることに気づくのではないでしょうか。
生まれてから暫くは、親兄弟と過ごし、他の犬と一緒に生活することで、犬社会のルールを身に着けていきます。
この期間を過ぎてから、人間の元に引き取られていき、そこで人間社会のルールを学んでいきます。
このようにすることで、その後の人との共生がより良いものになっていくのです。
吠えない犬、噛まない犬になることで、人にも嫌がられること無く、そして犬自身もストレスを感じない幸せな日々を送れるようになるのです。
社会化については、以下の記事でも取り上げていますので、興味のある方はご覧ください。
飼い主(消費者)が気をつける
ペットショップやブリーダーを訪れた際は、この8週齢規制について、訪ねてみても良いかもしれません。
ほとんど守られていないと言われている8週齢規制ですが、一部のこれを遵守する良いブリーダーさんがいることも事実です。
私たち飼い主がこういった知識を身につけ、そして気をつけることで、今までないがしろにされていた法律も、規制を強化するためのきっかけになるのではないでしょうか。
また、Change.orgでは、8週齢規制に賛同する方の署名を集めています。
もし、ご興味がある方、規制の強化に賛同される方は、是非署名をしてみてください!