「ママ、うちもペット飼いたい!」子どもの一言に、思わず戸惑った経験はありませんか?
ペットとの暮らしは、子どもにかけがえのない学びをもたらします。一方で親の立場からは「本当に最後まで世話できる?」「結局、私が全部やることになるのでは?」という不安が頭をよぎるのも当然です。
この記事では、子どもの「飼いたい」という気持ちにどう向き合うか、家族全員が納得できる選択をするための考え方をまとめました。ペットを迎えるか迷っているご家庭のヒントになればうれしいです。
この記事の目次
子どもが「ペットを飼いたい」と言い出す理由は?

子どもがペットに興味を持つきっかけはさまざまです。
- 友達の家に犬や猫がいた
- テレビやSNSで動物の動画を見た
- 学校や生活の中で生き物に触れた
多くの場合、その根っこにあるのは「かわいい」「一緒にいたい」という素直な気持ちです。「ちゃんと世話するから!」という言葉の裏には、責任感よりも憧れやワクワクが先立っていることがほとんどでしょう。
私自身の「犬との原体験」
私も子どもの頃、実家で犬や金魚を飼っていました。外出先で見つけた飛べない鳩を家で保護していたこともあります。犬を飼ったきっかけはまさに、私と弟の「犬を飼いたい!」からでした。
今思い出すと、家族との思い出は犬も一緒のものがたくさんあります。幸い、とても健康な犬で、あまり動物病院にかかることはなかったのですが、犬との生活がきっかけで獣医師という仕事に興味を持ちました。
実際、獣医学部に入学してくる学生の中には、「子どもの頃に飼っていた犬や猫がきっかけ」という人はとても多いです。
ペットを飼いたい子どもの親が抱く不安

子どもがペットとの生活を思い描いてワクワクしている一方で、親の胸に真っ先に湧き上がるのは、期待よりもむしろ不安ではないでしょうか。それは決して悪いことではなく、命を預かる立場として自然な反応です。
例えば、次のような点が気になる方が多いと思います。
① 本当に世話できるの?
ペットを飼うと、生活の優先順位が大きく変わります。多くの家庭で見られる現実は、やがて世話の中心が親になるということです。もちろん、それが悪いわけではありません。
ただ、犬や猫は15年近く生活を共にすることになります。そのことを踏まえ、「本当に日常の一部として続けられるか」を冷静に考える必要があります。
② 経済的な負担は大丈夫?
ペットと暮らすのは、思った以上にお金がかかります。
アニコム損保が実施した「2024最新版 ペットにかける年間支出調査」によると、1年間にかかる飼育費用は以下の通りでした。
- 犬:約41万円
- 猫:約18万円
- ウサギ:約17万円
- 小動物(ハムスターやハリネズミなど):約10万円
支出にはフード、ワクチンや健康診断などの予防医療費、ケガや病気の治療費、ベッドやケージ、おもちゃなどの飼育用品があります。
医療費は予想が難しく、手術が必要になれば数十万円の出費になることも。一時的な感情だけで飼うことを決めるべきではありません。
③ 今〜将来にわたる家庭環境に合っている?
共働きで留守が長い家庭、まだ小さな赤ちゃんがいる家庭、旅行が多い家庭など、それぞれの環境によってペットを迎える難しさは変わります。
さらに考えたいのは、「今の生活だけで決めない」という視点です。犬や猫の平均寿命は今や15歳。子どもが小学生のときに迎えたペットは、子どもが高校生・大学生になった頃に高齢期を迎え、夜泣きや排泄ケアが必要になるケースもあります。
そのとき、家族の生活はどう変わっているでしょうか?子どもにはそこまで想像することは難しいです。だからこそ、大人こそが長期的な視点を持ち、生涯にわたって本当に寄り添えるかを考えましょう。
ペットの種類ごとの寿命や飼育上の注意点

いざ、ペットを飼おうとなったとき、「小さな動物のほうが世話は簡単」、「犬は子ども向き」といったイメージを持つ人は少なくありません。
しかし、実際にはどの動物にも飼育の難しさがあり、動物ごとに必要なケアや寿命は大きく異なります。「命」である以上、簡単に扱える生き物はいません。
だからこそ、それぞれの特徴を理解し、家族や生活スタイルとの相性を見極めるようにしましょう。
【犬】平均寿命:約13〜15年
犬は人との関わりがとても深い動物です。犬との暮らしは、子どもの思いやりや責任感を育てる良いきっかけになります。規則正しい生活は、生活に良いリズムをもたらしてくれます。
一方で、犬の世話には時間がかかります。しつけや散歩を子どもだけに任せるのは現実的ではありません。小型犬ならまだしも、7〜8kg以上の犬になると散歩中に引っ張られて転倒したり、ふとした拍子にリードを離してしまったりするなど、思わぬ事故のリスクもあります。
家庭の生活リズムや体力に合った犬種かどうかを慎重に検討しましょう。
【猫】平均寿命:約15〜17年
猫は室内飼育が推奨されます。散歩は不要で、トイレも室内で済ませるため、一般的には「飼いやすい」とされます。
ただし、爪とぎや高いところに登るなど、猫特有の習性への対策が必要です。また、猫にアレルギーを持つ人も多いので、症状の程度や生活への影響を見極める必要があります。
【小動物】ハムスター、ウサギなど
小動物は小さくて一見扱いやすそうに見えますが、実際にはとても繊細な性格です。子どもが無理に触ろうとすると噛まれることもあります。
犬や猫に比べると安く購入できることから、「まず小動物から」と考える家庭も少なくありません。また、小さいがゆえにケージのちょっとした隙間から脱走されたり、子どもが踏んでしまったりするなどの事故も起こり得ます。
「お世話の練習」として安易に迎えるべきではないということは覚えておきたいポイントです。
平均的な寿命は
- ハムスター:2〜3年
- ウサギ:7〜8年
と言われています。犬や猫より寿命が短い分、「命には限りがある」ことを身近に感じる経験にもなります。
ペットを飼うのが難しい場合の伝え方

子どもが「ペットを飼いたい」といった時、頭ごなしに「絶対無理!」と否定すると、子どもは自分の気持ちを受け取ってもらえなかったと感じてしまうかもしれません。
まずは、子どもが生き物に興味を持ったという優しい気持ちを受け止めてあげてください。「動物が好きなんだね」と共感したうえで、なぜ難しいのかを子どもにも分かるように丁寧に説明します。
例えば、「今はお仕事が忙しくて長く留守にするから難しい」や「アレルギーがあるから一緒に暮らすのは難しい」と具体的な理由を言葉にしましょう。
そして、今は無理でもいずれは飼える可能性があるなら、「来年はもう一度考えてみよう」と期限を設けると、子どもは気持ちを否定されたのではなく、一緒に考えてもらえたと感じやすくなります。
ペットを飼うと決めたなら、親の最終責任を忘れずに

ペットの命の責任は、最終的には親にあります。子どもは成長とともに興味も生活環境も変わります。テレビやSNSで見る「かわいい動画」や「簡単そうな暮らし」は、ほんの一部であり、現実とは違います。
覚悟と準備と、ペットの命に最期まで寄り添う意思。それこそが、家族にとっての幸せなペットとの暮らしの土台になります。
まとめ

子どもの「ペットを飼いたい」という気持ちは、動物への興味や優しさの表れでもあり、とても大切にしたい感情です。
一方で、ペットとの暮らしには時間、お金、体力、住環境など、現実的な課題もつきものです。どの動物にも必ず手間と責任があり、「簡単に飼える命」はありません。
大切なのは、子どもの気持ちを受け止めながら、家族の生活や将来まで含めてじっくり考えること。飼わない選択でも動物と関わる方法はたくさんありますし、飼うと決めたなら最期まで一緒に暮らす覚悟を持ってください。
子どもに「ペットを飼いたい」と言われたら、まずは家族皆で「なぜ飼いたいのか」「どんな暮らしをしたいのか」「将来にわたって面倒を見られるのか」を話し合う時間を作ってみませんか?考える時間も、子どもの成長にもつながるはずです。



































