この記事は公開から1年以上経っています。

ドッグトレーナーが語る!動物と人の幸せのために出来ること

2022.10.22
ドッグトレーナーが語る!動物と人の幸せのために出来ること

「動物と人が互いに幸せに暮らすために出来ることは何だろう」
これは動物を愛する方々にとっては、永遠のテーマかもしれません。

この難しいテーマについて、愛媛県松山市で家庭犬の出張トレーニングをされている、ドッグトレーナーの西森裕晃(にしもりひろあき)さんにお話を伺いました。
犬の飼い方についてのアドバイスや西森さんの動物愛護活動への取り組みなどご紹介していきます。

この記事の目次

犬猫ペット用品の個人輸入代行「うさパラ」
広告

犬の飼う人たちに向けたアドバイス

ドッグトレーナー,ニュース,パピートレーニング,動物愛護,商品紹介,犬,猫,社会化,飼い方,飼う前

犬を飼う前に考えて欲しいことは何ですか?

犬は生き物ですから、もちろん最後まで責任をもって飼うことが一番重要です。
他には、犬の流行りや見た目の好みで犬を選ぶ人がいらっしゃると思いますが、飼う前に考えて欲しいのは、ご自身の生活スタイルについてです。家族構成や生活のリズム、留守番の時間などを考慮して、犬種を選んで欲しいですね。

僕のお客さんでも、ご夫婦二人暮らしの方ですが、共働きで非常に忙しく留守がちのお宅で、留守番が苦手で運動量も多い犬を飼ってしまった方がいたんです。留守番の寂しさや運動不足から物を破壊してしまうなどの行動を起こしてしまい、飼い主さんが困って僕の所にご相談にいらっしゃいました。

こういった飼い主さんのライフスタイルと犬種の特徴がマッチしていないと、ストレスが原因の問題行動も出やすくなるんです。

犬を迎えた時に気を配って欲しいことは何ですか?

犬を飼いたくて、やっと飼えたような状況だと、可愛くてついついかまってしまいますよね。ただ、犬の視点からすると、ペットショップやブリーダーなどの前にいた場所からガラッと環境が変わって、とてもストレスが溜まる時なんです。可愛くても1~2日は静かにそっとしておいてあげて下さい。

新しい環境で食事や排泄がちゃんと出来るようになったら、可愛がってあげて絆作りや信頼関係を形成していく段階に入って下さい。

子犬を迎えた時にやっておきたいトレーニングはありますか?

子犬から飼った場合は、パピートレーニングに通うことをおすすめします。パピートレーニングではいろいろな物や環境に慣れさせる、社会化トレーニングを主にやっていきます。

子犬が社会を学ぶという面もありますが、飼い主さんの知識が深まり、犬に対する接し方も上手になるので、パピートレーニングに来てくれた犬とそうでない犬を比べると、その後の生活のしやすさが大きく変わってくるんですよ。

成犬になってから出来ること、気を付けたいことはありますか?

成犬になってからも社会化のトレーニングは大事ですね。子犬よりも慣れるスピードは早くありませんが、いろいろな場所に連れていったり、いろいろな状況に慣れさせたりすることは、犬と暮らしやすくする上で、とても重要です。

あと、どうしても僕が気になってしまうのは、犬をそのまま車に乗せて移動する人です。急ブレーキをかけた場合、犬がケガをするリスクは、とても深刻なものになります。車で移動する場合は、キャリーケースやクレートに入れて欲しいと思っています。

動物たちが幸せに暮らすには

ドッグトレーナー,ニュース,パピートレーニング,動物愛護,商品紹介,犬,猫,社会化,飼い方,飼う前

動物の幸せのために飼い主が出来ることを教えて下さい。

まずは、犬や猫たちの習性を知って、知識をつけることだと思います。その上で、知識だけで終わるのではなく、自分の中でしっかり解釈して、実生活で行動に移していくことが重要なのではないでしょうか。
あとは、動物を擬人化せず、動物の気持ちを考えながら暮らしていって欲しいと思います。

捨てられる動物が減るために、私達が出来ることを教えて下さい。

まずは、きちんとした繁殖管理をすることですね。子供を残すことを望まないのであれば、避妊・去勢手術をすることが大事です。どうしても避妊去勢をしたくない場合は、望まない出産を避けるため、犬猫の行動管理の徹底をして欲しいと思います。

そして、飼育放棄は絶対あってはならないことです。そのために犬の場合は、やはりご自身の生活環境にあった犬を選んで欲しいと思います。
犬が言うことをきかなくて捨てる人もいるんですが、言うことをきかないと犬を責める前に、「自分はちゃんと犬に教えたのか」という視点で考えて欲しいですね。

西森さんがされている動物保護活動について教えて下さい。

以前は松山市の保護犬団体のお手伝いで、譲渡会で譲渡される犬をシャンプーするボランティアを行っていましたが、新型コロナウイルスの影響でボランティアをする側にも人数制限が設けられるようになり、今は思うように活動が出来ず残念に思っています。
犬の殺処分の現場にも立ち会って、辛かったですが現実を知ることが出来ました。

西森さんのホームページでは、動物愛護センターに収容された犬たちのありのままの姿を発信されています。

西森さんの愛媛県動物愛護センターのレポート
http://westwoods.ftw.jp/u64256.html

四国は犬猫の殺処分数が多い傾向にあると聞きますが、現状を教えて下さい。

犬の場合は、かつては野犬が多かったんですが、動物愛護センターの方々の尽力で、だいぶ減ってきたように思います。
猫の場合は、四国には漁港が多く、エサが豊富なため、そこに住み着く猫が多い傾向にあります。猫が増えることによって、殺処分をされる確率も上がりますから、まだまだ課題が多い問題です。

愛媛県の動物愛護センターでは、職員さんの日常や動物に対する思いを書いた本を出版しています。児童向けの本ですが、動物が好きな人ほど読むことが辛くなる内容かもしれません。しかし、目を背けてはいけない現実だと思います。

シェリーの読者さんへ

ドッグトレーナー,ニュース,パピートレーニング,動物愛護,商品紹介,犬,猫,社会化,飼い方,飼う前

シェリーの読者さんに向けたメッセージをお願いします。

シェリーのような情報サイトで動物のことを学ぶことだけでも、僕はとても素晴らしいことだと思います。情報のアンテナを張っている人と、そうでない人では、動物との暮らし方が全然違ってきますから。

難しいのは、アンテナを張っていない人に向けて、どうやって情報を発信していくかです。それは僕もシェリーのようなメディアの方も一緒の課題ですね。

最後に

ドッグトレーナー,ニュース,パピートレーニング,動物愛護,商品紹介,犬,猫,社会化,飼い方,飼う前
ご自身も、犬が大好きな猫のもみじ君と、訓練競技会で入賞するほどの実力を持つシェパード犬のメイプリーちゃんと暮らす、動物愛にあふれる西森さん。そして、単に動物が可愛いというだけではなく、動物愛護にも真剣に取り組まれている姿勢が印象的でした。

お話を伺いながら、改めて「動物と人の幸せ」について、考えさせられるインタビューでした。

ドッグトレーナー西森さんのホームページ
http://westwoods.ftw.jp/index.html

関連記事

こちらの記事も読まれています

いぬ」の記事をさがす