愛犬が震えている時、その震えの原因がわからないと心配になりますよね。
寒いのかもしれませんし、怖がっているのかもしれません。慢性的に震えが起こる場合は、病気の可能性も考えられます。
犬が震える理由はいろいろありますが、どれもあまり良いものではありません。状況や犬の様子から原因を的確に見極めることで、犬のストレス軽減や病気の早期発見に繋げられます。
今回の記事では、犬の震えの主な原因と、状況別の見極め方、それぞれの原因への対策をご紹介します。
この記事の目次
犬の震えの原因①寒さ
シベリアン・ハスキーや秋田犬など、寒い地域が原産の犬種は比較的寒さに強いですが、逆に暖かい地域が原産で短毛の犬種のほか、小型犬や子犬、老犬も寒さに弱いとされています。
比較的寒さに弱い犬種の例
トイ・プードル、ポメラニアン、チワワ、パピヨン、ブル・テリア、ミニチュア・ピンシャー、パグ、フレンチ・ブルドッグ、ボストン・テリア
人間は暖かい服を着れば快適に過ごせますが、寒さに弱い犬には辛いかもしれません。
室温が20度を下回っていたり、寒い時間帯に散歩に行って震えている場合は、寒さが原因の震えである可能性が高いです。
対策
震えの原因が寒さだと考えられる場合は、次のような対策をしてみましょう。
- 冬場の室温は20度前後、湿度は40~60%を目安に保つ
- 日の当たるところに毛布などをおいて日向ぼっこをさせてあげる
- 散歩はできるだけ暖かい時間に、日当たりの良い道を選ぶ
- 散歩の際は暖かい服を着せる
犬の震えの原因②ストレス、恐怖心
初めての場所や、知らない人の多い場所に行くと、不安や恐怖から震えてしまうことがあります。
特に、社会化がうまくできていなくて、普段から知らない人や犬に吠えやすい犬や、工事やドライヤーの音などを怖がる犬は、恐怖が原因の震えを起こしやすいと考えられます。
また、例えば過去に動物病院で嫌な思いをしたことがあると、動物病院に来ただけでストレスで震えてしまうなど、過去の経験が震えに結びつくこともあります。
対策
ストレスや恐怖が原因の震えはなかなか対策が難しいですが、できるだけ犬が怖がったり不安になったりしない環境を作ることが重要です。
また、根本的な解決には、成犬になってからでもきちんと社会化をしてあげることが必要です。家に遊びに来た友達におやつをあげてもらうことで知らない人に慣れさせたり、家の中で工事音などさまざまな音の動画を流してみるなどの訓練をしてみましょう。
犬の震えの原因③トイレの我慢
犬は、尿意や便意を催しているときに震えることがあります。
外でしかトイレをしない犬は、散歩に行く時間がずれるとトイレを我慢しなければならなくなってしまう可能性があります。
逆に、普段家の中でしかトイレをしない犬は、長時間の外出の際にトイレができなくて困ることもあります。
対策
外でしかトイレをしない犬の場合
家の中でもトイレができるようにトレーニングしておくと良いです。これは震えだけでなく、実は散歩のマナーの点からも求められていることです。
大雨の日に無理に散歩に連れていかなくて済みますし、病気や高齢で歩行困難になった時のことを考えても、やはり室内でトイレができることのメリットは大きいと言えます。室内でしかトイレをしない犬の場合
自宅以外の場所でもトイレシーツを敷けばトイレができるようにしておくと良いでしょう。
新しいトイレシーツではなく、一度おしっこをしたトイレシーツを親戚の家や車の中などに敷いてみることで、トイレだと認識しやすくなります。
犬の震えの原因④怪我や病気の痛みに耐えている
犬は、怪我やヘルニアなどの病気によって起こる痛みに耐えるために震えることもあります。
震えが一時的なものでなく慢性的に続く場合や、ほかにも気になる症状がある場合は、病気や怪我の可能性を疑いましょう。
身体を触ってみて、痛がるかどうかを確認してみることもおすすめです。
対策
怪我や病気が原因で震えている場合は、少しでも早く動物病院へ連れて行くことが最も重要です。
「もう少し様子を見てからでいいや」と後回しにしていると、どんどん症状が悪化していってしまいます。犬は痛みがあっても、本能的にそれを隠して普段通り振る舞いがちです。震えは痛みに耐えていることがわかる重要なサインのひとつなので、見逃さないようにしましょう。
犬の震えの原因⑤病気や中毒の症状
痛みがあるだけでなく、神経症状として体が勝手に震えてしまうこともあります。
中枢神経系(脳や脊髄)の異常や、中毒物質の摂取によって、自分の意志とは無関係に筋収縮が起こってしまうことがあります。
また、肝疾患やインスリノーマなどによって、血液中のグルコース濃度が低下すること(低血糖)でも震えが引き起こされます。
対策
こちらも、異変に気付いたらすぐに動物病院に連れて行くことが重要です。
その際、次のポイントを整理しておくと診察がスムーズに進みます。
・経過:止まっている時と動いている時の震えの違い、特定の動作時に起こるかなど
・予防歴:寄生虫、ウイルス疾患(犬ジステンパーなど)の可能性
・家族歴:遺伝性の可能性、犬種による好発疾患の推定など
・食事:栄養性、中毒性の可能性
・既往歴:代謝性、他臓器の疾患の可能性
まとめ
愛犬が震えていると、不安になってしまいますよね。
寒さやストレスが原因の場合は、犬が過ごしやすい環境を整えることが大切ですし、病気が原因の場合は速やかに動物病院へ連れて行くことが重要です。トイレの我慢も犬にとって負担になりますから、適切なトイレトレーニングを始めることをおすすめします。
状況に応じて犬が震えている原因を判断して、適切な対策をしてあげましょう。