多くの感染症は、猫の病気ならネコ科の生物だけに、犬の病気ならイヌ科の生物だけに感染するというように同種族の動物しか感染することはありません。
しかし、まれに同じ種類でない動物間でも感染してしまう病気があります。この記事では猫から人に感染してしまうことのある病気のうち、日常生活でもよく見られるものの症状と原因、対策についてまとめています。
猫の飼い主さんはぜひ参考にしてください!
この記事の目次
人獣共通感染症とは
人獣共通感染症(別名:ズーノーシス)とは、人とそれ以外の脊椎動物の両方に感染、または寄生する病原体により生じる感染症のことを指します。(wikipedia:人獣共通感染症 より抜粋)
より簡単に説明すると、人にも動物にもかかってしまう病気ということです。以下の記事では主な人獣共通感染症を紹介していきます!
猫ひっかき病
症状
傷口が腫れたり、リンパの節が腫れたりしている方がいたら、それはもしかしたら猫ひっかき病かもしれません。
猫ひっかき病に感染すると、数日間から数週間感染した部位が腫れ上がったり、リンパ節などが腫れる場合があります。ひどい時には痛みや高熱、倦怠感が出ることもあるので注意してください。引っかかれた後、日にちが経ってから症状が現れることもあるので、十分気をつけてください。
原因
その名の通り、猫に引っかかれたり噛み付かれた時に傷口から病原菌が侵入し発症する病気です。猫のせいで負傷したときは、たとえ傷口が浅くてもすぐに洗い流して消毒するようにしてください。
皮膚糸状菌症
症状
皮膚糸状菌症にかかった場合、全身、または体の一部に赤い斑点が見られるようになり、斑点の部分に生えていた毛が抜けたりするようになります。この病気は猫にも人にも同様の症状が見られます。
原因
カビの一種である皮膚糸状菌が毛や皮膚に寄生することで起きる病気です。湿度・気温がともに高く、蒸し暑い時期にかかってしまうことが多い病気です。また、猫とのふれあいが多い人も気をつけたほうが良いでしょう…。
猫回虫幼虫移行症
症状
猫回虫幼虫感染症に感染すると回虫が体内を移動し、行き着く体の先々で不調を起こします。運悪く目に行き着いてしまったのであれば、失明してしまうことも考えられます。初期書状として下痢や吐き気が起こることがあります。
原因
成熟した回虫の卵を人間が口にしてしまうことで感染します。猫が輩出した回虫の卵が運悪く成熟してしまい、人の手につくなどして口元まで運ばれてしまう事態や、猫が肛門周辺を舐めた時に猫の体に付着してしまい、撫でた飼い主が回虫を受け取ってしまう事が原因として考えられます。
猫の排泄物は早いうちに始末し、猫と触れ合った後は手を洗うように心がけましょう。
パスツレラ症
症状
パスツレラ症は感染すると30分から二日以内に発症します。傷口とその周辺が赤く腫れ上がって激しく痛み、時には発熱することもあるようです。
原因
病原菌のパスツレラ菌が猫の引っかいた傷などに入るとパスツレラ症に感染します。ほとんどの猫の構内に潜む常在菌なので、飼い主と猫のキス、猫に傷口を舐めさせるなどの行為は避けたほうが望ましいでしょう。
予防するには
健康診断
猫が病原菌を持っているかどうかを飼い主みずから判断するのはとても難しいです。猫を飼うことになった場合、迎え入れる前に必ず病院に行き、健康診断を受けさせましょう。
ペットショップなどで販売されていた猫は店側の管理がしっかりしているので比較的病気に感染している子は少ないようです。しかし、ノラ猫や保健所から譲り受けた猫で、特に子猫の場合は注意が必要です。なお、保護団体さんから迎え入れる場合は、事前に対応しているケースもありますので、保護団体さんに聞いてみましょう。
掃除
これは動物を飼う場合は当然のことですが、清潔を保つことを忘れないようにしてください。猫の食器やトイレはこまめに汚れを取り除き、洗浄・消毒するようにしましょう。また、キャットタワーやボールなどの遊具もこまめに掃除するよう心がけましょう。
猫の身だしなみ
ブラッシングは、猫の皮膚病やノミの寄生などに気づくきっかけになります。定期的に行うようにしましょう。また。爪切りをすることによって、飼い主が引っ掻かれても傷が浅くて済むので、お手入れをすることも大事です。傷口から感染する病気はかなり多いので気をつけましょう。
消毒
食事を終えた後の猫用の食器はきちんと洗剤で洗うようにしましょう。このとき、洗うスポンジは猫用と人用に分けると良いです。また、定期的に台所用の塩素系漂白剤で洗うと、もっと良しでしょう!こちらも当然ではありますが、その場合はきちんと洗い流し、洗剤が残らないようにします。
最後に
飼い主と猫がキスすることで感染してしまう病気もあります。お家の猫とスキンシップをとりたいという気持ちはわかるものですが、粘膜同士の接触や傷口の接触は避けるようにしましょう。
また、家の中はできるだけ綺麗に保つよう心がけましょう。犬や猫を人間と同じスペースで飼うのですから、できるだけ清潔に保ち、お互いが心地よく過ごせる環境にしておきたいものです。