10月13日は「ペットの健康診断の日」です。ペットは言葉で体調を伝えられないからこそ、定期的な健康診断は重要です。大切な家族の健康を守るために、この日をきっかけにペットの健康診断について考えてみませんか?
この記事では、「ペットの健康診断の日」の由来や目的に触れながら、健康診断の内容やメリットについてわかりやすく解説します。
この記事の目次
「ペットの健康診断の日」とは
10月13日は「獣医さん」と読む語呂合わせから、「ペットの健康診断の日」と定められています。
この記念日は、ペットが飼い主といつまでも元気に暮らせるように、病気の早期発見や早期治療の大切さを広く知ってもらうことを目的として、一般社団法人Team HOPE(チームホープ)によって制定されました。
Team HOPEは、日本全国の獣医師を中心に構成され、ペットの健康診断や予防医療の普及を推進している団体です。
ペットの健康診断の受診状況
実際にどのくらいの飼い主さんがペットに健康診断を受けさせているのでしょうか。一般社団法人Team HOPEが2024年に実施したアンケート調査によると、結果は以下のとおりです。
- 犬
- 定期的に受けさせている:48%
- 定期的には受けさせていないが、受けさせたことはある:33%
- 猫
- 定期的に受けさせている:40%
- 定期的には受けさせていないが、受けさせたことはある:37%
この調査から、多くの飼い主さんが一度は健康診断を受けさせているものの、定期的に継続している割合は半数未満にとどまっていることがわかります。
定期的な健康診断は、多くの獣医師が推奨しています。まだ受けさせていない方や定期的に継続していない方は、「ペットの健康診断の日」をきっかけに、習慣にしてみてはいかがでしょうか。
ペットが健康診断を受けるメリット
ペットが健康診断を受けることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは主なメリットを紹介します。
1.病気の早期発見・早期治療につながる
ペットは自分で体調不良を訴えることができないため、病気の発見が遅れがちです。
しかし、健康診断で血液検査や画像検査を行うことで、外見からはわからない臓器の異常や病気の兆候を見つけることができます。
早期に発見できれば治療の選択肢が広がり、回復の可能性も高まります。
2.飼い主が安心できる
定期的に健康状態をチェックして「異常がない」と確認できることは、飼い主にとって大きな安心材料となります。また、過去のデータと比較することで、わずかな変化にも気づきやすくなります。
3.病気の際の治療に役立つ
健康なときの検査データがあると、病気になった際に異常の有無や変化を判断しやすくなります。診断や治療方針の決定に役立つ大切な情報源となります。
4.獣医師との信頼関係を築ける
定期的に通院することで、ペット自身も病院に慣れてストレスが減りやすくなります。
さらに、獣医師との関係が深まり、食事や生活習慣のアドバイスを受けたり、肥満や老化といった健康上の問題に早く対応できるようになります。
ペットの健康診断の内容
では、ペットの健康診断とはどのようなものなのでしょうか。
検査内容は病院や選ぶコースによって異なりますが、一般的な診断内容には問診、聴診・触診・視診、尿検査・便検査、血液検査などがあります。
さらに、レントゲンや超音波検査を受けられる場合もあります。心臓などの臓器に不安がある場合は、こうした検査を検討するとよいでしょう。
ここからは、それぞれの検査内容について詳しく見ていきます。
問診
ペットは自分で体調を伝えることができません。そのため、獣医師が診断の手がかりとして最も参考にするのは、飼い主からの情報です。
普段から定期的にペットの健康状態をチェックし、違和感があれば小さなことでも獣医師に伝えましょう。
視診・聴診・触診
目や耳、口やリンパ節など、ペットの全身を診て触り、異常がないかを確かめます。また、心臓やおなか、肺の音を聴いて異常がないかを確認します。
尿検査・便検査
検査には、診断の3時間以内に採取した尿や便を使用します。尿検査では糖尿病・腎臓病・尿路疾患・尿結石などの異常を確認し、便検査では寄生虫の有無、腸内細菌のバランス、出血の有無などを調べます。
ただし、病院によって採取方法の指示が異なるため、事前に確認しておくと安心です。
血液検査
肝臓や腎臓などの臓器が正常に機能しているかどうかに加え、貧血や炎症の有無も確認できます。
レントゲン
レントゲン検査には、胸部レントゲンと腹部レントゲンの2種類があります。胸部レントゲンでは、肺や心臓、血管、骨の位置や大きさなどに異常がないかを確認します。
一方、腹部レントゲンでは臓器に異常がないかを調べます。
超音波検査
レントゲンでは判断が難しい臓器の異常や、見つけにくい病変を確認することができます。
ペットの健康診断の費用と頻度は?
次に、気になる健康診断の費用と、受けさせるべき頻度を見ていきましょう。
健康診断は保険適用外
人間が健康診断を受けるときも保険が効かないのと同様に、ペットの健康診断にも保険は適用されません。病院やコースによって差はありますが、一般的には1〜3万円くらいが目安です。
定期的に受けるには高く感じてしまいますが、ペットの健康を守ることができ、実際に病気になって発見が遅れたときにかかる治療費を考えると、むしろ安いと言えるのではないでしょうか。
1歳からは年に1回、シニアは半年に1回
犬や猫の場合はともに、1歳からは年に1回、シニアは半年に1回程度の健康診断が推奨されています。
私たち人間からすると頻度が高すぎるように思えますが、犬や猫の成長スピードの目安は人間の約4倍とされています。つまり、人間にとっての半年に1回は、犬や猫の2年に1回に相当するのです。
健康診断を受ける上で注意したいこと
予約をしよう
病院によっては、健康診断の前に獣医師とどのような健康診断を受けさせるか打ち合わせが必要だったり、一時的に断食させなければならないこともあります。あらかじめ病院に連絡を入れ、余裕をもって予約しましょう。
ペットをよく観察しよう
ペットの普段の様子がわからないと、獣医師も検査内容や結果を適切に判断することができません。そのため、普段の様子をしっかり伝えられるように、日頃からペットの行動などをよく観察しておきましょう。
油断大敵!ペットの健康管理は日頃から
ペットは体の不調を言葉にすることができないので、飼い主はペットが発するわずかなサインも読み取らなくてはなりません。しかし、獣医学の知識がないとそれもなかなか難しいものです。
知らず知らずのうちに、実は病気で苦しんでいた…ということにならないように、ぜひペットに健康診断を受けさせましょう。
10月13日は、「ペットの健康診断の日」。今が健康診断を受けさせる絶好のタイミングですよ!