ビール缶のラベルが帰宅のきっかけに
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コラム

迷子犬が缶ビールのラベルに!?アメリカで起きた嘘みたいな本当の話

Risa シェリー編集部

アメリカ・フロリダ州の施設で保護されていた犬が先日、遠く離れたアイオワ州の家族の元に3年ぶりに帰ってきました。飼い主が3年ぶりに愛犬の姿を見たのは、SNS上にアップされた、缶ビールのラベルの写真でした。

アメリカで起きたこの奇跡的な話は瞬く間に世界中に拡散し、ペットのマイクロチップの重要性を再認識する動きが広まっています。

迷子犬がビールのラベルに・・・!?

(写真引用元:Wendi Lane “Brewery puts local shelter dogs on beer cans to help them get adopted.” ABC action news.)

話題になった犬(写真:右から2番目)の名前は「ヘイゼル」。ゴールデンレトリバーとテリアのミックス犬で、2017年5月に、飼い主のマディスさんの家から脱走したまま行方不明になっていました。

マディスさんはヘイゼルをずっと探し続けていましたが、ある時、ソーシャルメディアに掲載されていた缶ビールのラベルに、ヘイゼルの写真が使われているのを発見しました。

缶ビール広告は里親探しキャンペーンの一環だった

ヘイゼルは、フロリダ州シェルターで、2019年3月から保護されていました。地元のビール会社「モーターワークス・ブリューイング」が保護犬の里親探しキャンペーンとして、缶ビールに4匹の保護犬の写真を採用しており、そのうちの1匹がヘイゼルだったのです。

当時、ヘイゼルはシェルターでつけてもらった「デイデイ」という名前で缶に載せられていましたが、マディスさんは写真を見た瞬間、すぐにヘイゼルだと直感したといいます。

シェルター側はマディスさんに対し、動物病院での記録や写真など提出するよう求め、これらの証拠をもとにデイデイはヘイゼルであることに間違いないという結論に至りました。2020年2月、晴れてヘイゼルはアイオワ州の自宅に変えることができました。

見直されるマイクロチップの重要性

地元紙”Tampa Bay Times”によると、ヘイゼルを預かっていたシェルターは、ヘイゼルのマイクロチップから飼い主を探し出そうと試みたものの、情報が古かったために探し出せなかったといいます。

この出来事はアメリカから世界中に拡散し、奇跡的で感動的な出来事と称賛されるとともに、マイクロチップの重要性を見直す報道も広まっています。

マイクロチップって何?

マイクロチップは「動物の個体識別」を目的とした直径2mm、全長11~13mmの円筒形の電子機器で、15桁の番号が書き込まれたICが封入されています。この番号を読み取り機で読み取ることで、登録された動物の名前や生年月日、種類に加え、飼い主の名前や住所・連絡先を確認できます

マイクロチップの目的は

ペットにマイクロチップを装着する目的は、迷子のペットを特定することだけでなく、ペットの盗難防止や、ペットの虐待・遺棄防止などの目的も含まれています。

改正法でマイクロチップ装着は義務化へ

以上の目的を果たすため、日本では2019年6月参院本会議にて可決された改正動物愛護法では、ペット販売業者に対し、飼い主にペットを販売する前にマイクロチップを装着することが義務付けられました

なお、販売業者が装着したマイクロチップには、飼い主が後から情報をデータとして登録できるようになっています。

詳しくはこちらの記事もご参照ください。

【2019年改正動物愛護法】マイクロチップ装着の義務化の目的と懸念に迫る

マイクロチップは災害時にも重要な役割を果たす

災害大国とも呼ばれる日本ですが、特に災害時に飼い主と離れ離れになったペットを飼い主の元に返すため、マイクロチップはとても重要になります。実際、東日本大震災の時、飼い主とはぐれてしまい、その結果、道をさまよい、飢えや寒さに苦しむペットがたくさんいました。

マイクロチップに加え、迷子札や鑑札などをつけておくとよいですが、普段首輪をつけていない室内犬や、何かの拍子に迷子札が外れてしまう可能性もあるので、体に埋め込めるマイクロチップとの併用が効果的です。

他にも災害に備えてやるべきことは、こちらの記事をご覧ください。

災害の時、ペットと避難をするために。もしものために備えておくべきこと

住所が変わったらマイクロチップの更新を忘れずに

ヘイゼルのように、せっかくマイクロチップが埋め込まれていたのに、情報が古くて使い物にならないのでは意味がありません。ペットの住所や飼い主が変更になった場合、マイクロチップの情報も更新することを忘れないようにしましょう。

日本獣医師協会によると、マイクロチップの更新に必要な手続きは以下の通りです。

必要な書類

マイクロチップ埋込み時の『AIPO・IDデータ登録申込書(飼い主控え)』/『AIPO・登録完了通知ハガキ』
または、マイクロチップ埋込み時の『ライフチップデータシート(飼い主控え)』/『ライフチップ・受付完了ハガキ』
のいずれか1点。

いずれの用紙・ハガキも見あたらない場合は、下記の連絡先までお問い合わせください。

変更の手続き

『AIPO・IDデータ登録申込書(飼い主控え)』/『ライフチップデータシート(飼い主控え)』を使用して手続きをする場合
書類をコピーし、コピーした用紙の左上の区分「変更」に○印をつけます。変更箇所を二重線で消し、変更内容を明記したものを郵送又はFAXにて日本動物保護管理協会宛に送信。

『登録完了通知ハガキ』/『受付完了ハガキ』を使用して手続きをする場合
ID番号を記載してある面をコピーし、その余白に変更事項を明記したものを郵送又はFAXにて日本動物保護管理協会宛に送信。

お問い合わせ

社団法人 日本動物保護管理協会(AIPO事務局担当機関)
〒107-0062 東京都港区南青山1-1-1 新青山ビルヂング西館23F
TEL 03-3475-1695 
FAX 03-3475-1697 
E-mail:hokankyo@nichiju.or.jp

大切な愛犬が家に帰れるように

アイオワ州に住むヘイゼルは、缶ビールのラベルのおかげで、3年ぶりに家族の元に帰ることができました。しかし、これは奇跡と言っても過言ではなく、残念ながら、迷子になったまま帰れないペットもたくさんいます。

マイクロチップに正しい情報が登録されていれば、すぐに飼い主の元に帰れる可能性が高まります。

日本では、これからマイクロチップの装着が義務付けられるようになりますが、マイクロチップが装着されているからと油断することなく、住所や飼い主が変わった場合は、速やかにマイクロチップの情報を更新し、いざという時に役に立つようにしたいですね。

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