現在、ペットを入手するために利用できる手段は多岐に渡ります。ペットショップ、ブリーダーからの譲り受けなどもありますが、今回は保健所(または、動物愛護センター)や動物愛護団体から入手する方法を紹介しようと思います。
他の手段と違って、事前に知っておかなければいけない情報がたくさんあります。今回はそんな情報をまとめてみました。動物愛護センター等から譲り受けようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
犬を引き取るためにかかる金額
譲り受けにかかる費用
動物愛護センターや保健所から保護犬を引き取る場合、法律で定められた登録費がかかる場合を除いて、譲り受ける際にかかる費用は基本的に無料です。
ですが、公的な機関を除く一部の民間団体では、不妊手術の費用やワクチン接種費用を里親が負担することもあります。
犬を飼う費用
動物愛護センターや保健所から無料で引き取れるといっても、犬を飼うためには毎年費用はかかります。
畜犬登録費用や予防注射、食費や消耗品、ペット保険など内訳は多岐に渡りますが、飼育するためにかかる年間費用は、小型犬では15万円〜、大型犬では20万円〜であると言われています。
譲り受ける際に必要な処置
動物愛護センターから譲り受ける場合
動物愛護センターや保健所から犬を引き取ったあとは、なるべく早く動物病院に行って、健康診断等の各種検査を受ける必要があります。遺伝性の病気や母子感染する病気を保有していたり、血液検査などを行っていない場合があるからです。
特に、子犬の場合には、親犬の情報がないため注意する必要があります。
民間の保護団体から譲り受ける場合
民間の保護団体では、ワクチン接種や血液検査などを既に犬に受けさせてから、譲渡するケースが多いようです。
しかし、念のため、保護団体に処置が済んでいるかの確認をとり、済んでいる場合でも健康診断は最低限受けさせるようにしましょう。
譲り受けるために必要なこと
譲り受けるまでの流れ
地方自治体により多少の違いはありますが、動物愛護センターで犬を譲り受ける場合、大まかに以下のようなステップが必要になります。
- 動物愛護団体に講習の予約
- 指定された日にセンターで講習を受講
- 保護犬を交えての面談
- 気に入った犬の譲渡希望の申し込み
- 他に希望者がいなければ譲渡仮決定
- 譲渡時講習会を受講
- 譲渡決定
実際に譲渡の申し込みをする場合は、各団体に詳細をお問い合わせください。
譲り受けるために必要な条件
譲渡を受け付けるには、どの団体でも受け取り手に関する条件を定めています。その条件は団体ごとに違いますが、主な条件は以下のようなものとなります。
- 不妊手術、血液検査を自己負担で行う
- 各ワクチンを定期的に受けさせる
- 室内飼いである
- ペット可の住居である
- 一人暮らしでない
- 高齢でない
- 犬を飼っていた経験がある
他には、既婚者のみという条件や、転勤の可能性がないことを条件とする場合もあります。
動物保護団体の選ぶときのチェックポイント
第二種動物取扱業の届け出済みか
これは、もっとも根本的な条件になります。非営利の譲渡団体であっても、飼養施設を持っていて一定頭数以上の動物を扱っている場合、所属の地方自治体に第二種動物取扱業として届け出ていなければいけません。事前に確認しておきましょう。
譲渡費用に関してきちんと説明してもらえるか
譲渡会で犬を譲り受けるときは、基本的に費用は無料です。
しかし、前述の通りワクチンや避妊・去勢手術などにかかった費用を飼い主が負担するように求められるケースもあります。こうした費用に関して、きちんと説明してくれる団体を選ぶようにしましょう。また、寄付という形で費用が発生するケースもあります。非営利で、殺処分から救おうと、色々と尽力してくださっている団体が多いので、快く応じるようにしましょう。
譲渡審査が厳正であるか
審査が厳正であればあるほど、犬に関してよく考えていて、信頼できる団体だと言えます。
逆にいえば、審査が甘く、保護犬を押し付けてくるようなところには気をつけた方がいいでしょう。上記で説明した寄付金を狙って、悪質な譲渡を行う団体も中にはあるようです。
トライアル制度があるか
譲渡を受ける前に、犬と一緒に一定期間暮らすことのできる「トライアル制度」というものがあります。安心して生活できると判断できたら、正式に譲渡を受けることができます。
隣人からの苦情や散歩の大変さなど、実際に一緒に暮らしてみなければわからないことがたくさんあるでしょう。トライアル制度を設けている団体を選んだ方が、飼い主さんに取っても犬に取っても良いといえます。
一番大切なこと
ここまで見てきたように、保護犬を保健所や民間団体から引き取ることは、ペットショップや良心的なブリーダーから譲り受けるのとは大きく違います。
前の家族と離れてしまい迷子になった犬、前の飼い主に捨てられてしまった犬、悪徳ブリーダーのもとで育ち何年間もケージに閉じ込められていた犬など、保護犬の経歴の多くは悲しいものです。
そのような過去に悲しい経験をしてきた犬を引き取るなら、二度と同じことを繰り返さないと言う覚悟を持つのはもちろんのこと、彼らの過去の経験を考慮して適切にケアしてあげる必要があります。
保護団体は里親となるために色々な条件を設けていますが、一番重要なのはその犬の一生に責任を持つ覚悟があるかどうかです。
保護犬を譲り受ける際は慎重に検討しましょう!