梅雨になると気になるのが湿度。ジメジメしていて私たち人間も暮らしにくい季節ですが、犬にとっては暮らしにくいだけではなく、熱中症を引き起こしたり、病気を発症してしまったりと気の抜けない時期なのです。
暑い日は室温だけ下げておけば大丈夫、なんて思っていませんか?実は、湿度によって犬の体調は大きく左右されてしまうのです。これからの時期に特に気をつけたい、湿度について学びましょう!
この記事の目次
湿度が高いと危険な理由
なぜ犬にとって湿度が重要なのでしょうか?
犬には汗腺がほとんどなく、肉球に少しあるだけです。肉球からの発汗では十分ではないため、通常は口を開けて「ハッハッ」という呼吸をし、口から水分を蒸発させることで、気化熱を利用して体温を下げています。しかし、梅雨の時期など湿度が高い状態では水分が蒸発せず、体温がなかなか下がりません。
また、犬は私たち人間とは異なり、しっかりとした被毛に覆われています。皮膚から熱を放出しようとしても、被毛が熱を逃がしません。湿度が高まった状態だと、発汗ができず、被毛の効果で熱が体内にこもってしまい、熱中症になってしまいます。
また、湿度が高いと細菌やカビによる病気にかかってしまうこともあるのです。これらのことからも、犬の飼育には、室温だけでなく、湿度にも十分に配慮することが必要なのです。
湿度が高いと起こるトラブル
先に述べたように、湿度が高いとさまざまなトラブルの原因となります。これらのトラブルについて、詳しくご紹介します。
熱中症
湿度が高いと起こるトラブルの中で、最も危険なものが熱中症です。
熱中症は酸欠や脱水を引き起こし、意識障害やおう吐などの症状がみられます。ひどい時には命に関わる場合もあり、そのような症状がみられた場合は一刻も早く獣医師の診断と対処が必要です。特に、幼犬や老犬、肥満や投薬中の犬が熱中症にかかりやすいとされていますので、該当する場合は注意しましょう。
熱中症は、常時エアコンを付けたり、飼い主さんが気をつけるだけで、ほとんどの場合は予防ができます。しっかり対策するようにしましょう。
皮膚や耳の病気
湿度が高いと細菌が増殖しやすくなり、皮膚や耳の病気にかかる犬が多くなってきます。
特に、被毛の密度が高い子は、湿度が高くなると細菌の増殖が促進されます。また、垂れ耳の子は耳の中が蒸れてしまい、耳の汚れを放置すると病気の原因となります。愛犬の犬種によってはしっかり気にかけてあげてください。耳をよく掻くような行動が見られる場合は、獣医師の診断を仰ぐと良いでしょう。
カビの増殖による病気
湿度が高すぎるとカビが発生し、病気を引き起こしてしまうこともあります。カビによる病気とカビを防ぐ方法についてはこちらをチェックしてみてください。
また、ドッグフードにカビが生えてしまうこともあるので、保管場所には十分に気をつけ、与える際もしっかり確認しましょう。
適切な湿度の目安
犬にとって適切な湿度は40%〜60%とされています。
室内で飼育している場合は室温だけでなく、湿度もしっかり管理することが重要です。湿度は高すぎても低すぎても犬にとっては良くありません。季節や環境に合わせて愛犬が快適に過ごせるような空間を作ることが大事です。
湿度を下げるためには
ところで、湿度が高くなってしまわないようにするにはどうしたらいいのでしょうか。その対策法をいくつかご紹介します。
除湿機やエアコンを使用
湿度を下げるのに最も手っ取り早く効果的なのが、除湿機やエアコンを用いた除湿です。部屋全体の湿度の調整をしてくれるので、手間はかけられないという方にオススメの方法です。エアコンの除湿は部屋の温度を下げる効果もありますので、梅雨の時期や真夏には、積極的に用いたい対策方法です。
換気
晴れた日には窓を開け、部屋の中の空気を換気しましょう。気温の上がる日中に行うのが効果的です。
扇風機を使ったり、対角線上の窓を開けることで効率よく換気ができます。ただし、夏などはエアコンをOFFにしてしまい、部屋の温度が上がりすぎないように気をつけましょう。
凍らせたペットボトルを置く
7分目くらいまで水を入れたペットボトルを凍らせ、部屋に置いておきます。すると、部屋の湿気がペットボトルの表面に水滴として現れ、これを回収することで部屋の除湿ができます。
現れた水滴をそのままにしてしまうと、再び部屋に湿気が戻ってしまいますので、こまめにふいたり、出てきた水を流したりするようにしましょう。この方法なら手軽に出来るので、電気代などが気になる方はぜひ試してみてください。
雨の日のキャリーバッグは危険!
雨の日は湿度がかなり高くなります。特にジメジメした梅雨の時期は最悪です。そんな中、愛犬を狭いキャリーバッグに入れてしまうと、熱がこもる上に発汗ができず、熱中症にかかってしまうリスクも高まります。
愛犬のためにも、雨の日にキャリーバッグに入れて移動することはなるべく避けましょう。
どうしてもキャリーバッグで移動しなければいけない時は、呼吸が荒くなっていないか、ぐったりしていないかなどをこまめに確認し、少しでも様子がおかしいようであれば動物病院で診てもらうようにしましょう。熱中症は放置するのが一番危険です。様子がおかしいと思ったら、診てもらうようにしましょう。
最後に
普段、温度は気にするけど、湿度は気にしたことがないという飼い主さんも多いのではないでしょうか?犬と人間では体の作りが違いますから、人間が快適と思う環境であっても、犬には負担がかかってる可能性があります。
愛犬のためにも、しっかり知識を身につけ毎日を健康的に過ごせていけたらいいですね。