犬を飼いたいと思っても、具体的な費用がどれくらいかかるのか気になりますね。そこで、犬を飼った場合に月々や一年にかかる費用、一生涯でかかる費用、また想定外の出費などのデータをまとめてみました。
犬を飼う際に心配なのはなんと言っても費用です。そこで、「犬を飼おうかな」と考えている方は、この記事で確認しておくと良いでしょう。
※かかる費用については地域差や個人差があるため、全てに「~円前後」とつきますが、ここでは省略しています。また、飼い主の犬に対する考え方やライフスタイルによっても、費用は大きく異なりますので、あくまで目安としてお考えください。
この記事の目次
生涯費用の平均は「244万円」
2023年のデータによれば、犬の一生にかかる平均費用は244万円とされています。2018年の統計では179万円であり、ここ数年で65万円も上昇しています。
犬のサイズ別、生涯必要経費
平均寿命 | 生涯必要経費 | |
---|---|---|
超小型犬 | 15.07歳 | ¥2,554,012 |
小型犬 | 14.29歳 | ¥2,382,200 |
中・大型犬 | 13.86歳 | ¥2,559,186 |
平均 | 14.62歳 | ¥2,446,068 |
上記の表の平均寿命からわかる通り、犬は大型犬の方が平均寿命が短く、小型犬の方が長く生きる傾向があります。
超小型犬と大型犬の生涯費用には大きな差は見られませんが、平均寿命で割ってみると、超小型犬の場合年間の費用は169,477円、中・大型犬は年間184,645円となり、大型犬の方が費用が高くなる傾向があります。
月々の費用は「1万4千円」、1年で「17万円」
2018年の月々の平均支出が1万円程度であったのに対し、2023年には1万4千円に急上昇しています。この急激な増加には、物価の上昇や子供の数の減少、そして犬に対する飼い主の意識の変化が考えられます。
犬のライフステージ別必要経費
1ヶ月平均 | 年間平均 | |
---|---|---|
0歳 | ¥18,168 | ¥218,015 |
1~6歳 | ¥14,435 | ¥173,219 |
7~9歳 | ¥13,582 | ¥162,988 |
10~12歳 | ¥13,007 | ¥156,078 |
13歳以上 | ¥14,720 | ¥176,642 |
平均 | ¥14,782 | ¥177,388 |
統計を見てみると、幼年期の支出が特に高くなっています。これは、犬を飼い始めた際に必要なグッズを購入する必要があることや、幼年期特有の病気や誤食などが影響している可能性が考えられます。
月々の費用の内訳
内訳 | 金額 |
---|---|
ドッグフード | ¥3,618 |
おやつ | ¥1,748 |
医療費 | ¥4,284 |
保険料 | ¥2,966 |
トリミングなど | ¥4,053 |
犬の雑貨 | ¥1,600 |
おもちゃ・衣類 | ¥1,190 |
どの項目も2018年と比べると緩やかに上昇していますが、特にドッグフードにかける費用の上昇が見られます。ヒューマングレードの質の高いドッグフードを与えたいという飼い主が増加していることが影響していると考えられます。
※ドッグフードに関しては、こちらの記事をご覧ください。
皆が悩むドッグフード選び、ペット栄養管理士が推奨する選び方って?
https://cheriee.jp/dogs/27061/
飼い始めた時にかかる費用は「3万円」
犬を飼い始める際には、3万円程度の費用がかかります。なお、この金額には犬自体の販売価格は含まれていません。
初期費用の総額
犬を飼うために必要なグッズ(リード、ケージなど)、医療費、および各種登録費用などの総額は以下の通りです。
費用 | |
---|---|
小型犬 | ¥26,715 |
中型犬 | ¥25,207 |
大型犬 | ¥32,235 |
医療費、各種登録費用の内訳
内訳 | 費用 |
---|---|
畜犬登録費用 | ¥3,000 |
狂犬病予防注射 | ¥3,000~4,000 |
混合ワクチン | ¥3,000~¥25,000 |
マイクロチップ登録料 | ¥300~¥1,000 |
混合ワクチンの費用は、防げる病気の種類によって異なります。一般的には、2~8種の病気を予防できる混合ワクチンが多く使用されています。
また、子犬の場合は間隔をあけて3回ワクチンを接種するのが一般的ですが、子犬を迎える前にペットショップなどで既に何回か接種されている場合もあり、これらによって費用が大きく変わります。
犬の販売価格
ペットショップから | ブリーダーから | |
---|---|---|
小型犬 | ¥213,833 | ¥195,797 |
中型犬 | ¥200,845 | ¥181,000 |
大型犬 | ¥259,772 | ¥253,409 |
犬を迎えたルートとしてはペットショップが最も一般的で、次いでブリーダーからの購入が続きます。犬の大きさ別では、小型犬はペットショップから迎えた比率が62%で最も高い割合を占め、大型犬はペットショップ(39%)とブリーダー(34%)の比率が僅差でした。
その他の迎え入れ方法としては、「友人からの譲渡」や「譲渡会・保健所などでの譲渡」などもあります。
不妊手術も視野に入れる
犬に不妊手術を受けさせる場合は手術費、入院費、薬剤費などがかかります。不妊手術は必ず受けなければならないものではありませんが、病気予防や望まぬ妊娠を避けるために受ける方が望ましいとされています。
※犬の不妊手術については、こちらの記事をご覧ください。
【獣医師監修】犬の避妊・去勢のメリットとデメリット
https://cheriee.jp/dogs/20437/
費用に関しては以下の通りです。
去勢手術(オス)
- 小型犬:¥30,000~¥50,000
- 大型犬:¥50,000~¥70,000
避妊手術(メス)
- 小型犬:¥40,000~¥60,000
- 大型犬:¥60,000~¥80,000
去勢手術や避妊手術は基本的にペット保険の補償対象外であるため、費用は高額になります。しかし、自治体によっては飼い犬の不妊手術に補助金が出るところもありますので、お住まいの自治体の情報をチェックしてみてください。
意外に多い!予想外の出費
人間と同様、犬も一緒に暮らしていると想定外の出費があります。それぞれの事情によって出費が大きく異なるため、一概に具体的な金額を挙げることは難しいですが、以下に飼い主たちの声をまとめました。
いたずらによる家具などの破損
- ソファ、カーテンなどが破損されて思わぬ出費になる
- 子犬の頃に家具やじゅうたんなどをことごとくかんでしまったので、ほとんどのものを買い替えた
- 家の壁紙や家具がボロボロになった
- 家電のコードがかみちぎられて捨てた
- リモコンをかみ砕かれた
- じゅうたんにおしっこをされてクリーニング代がかかった
思いがけないケガや病気
- 混合ワクチンで副反応が出て、病院に駆け込み費用がかさんだ
- 誤飲で胃に穴が開いて緊急手術をして入院した
- 散歩の時に蜂に刺されて休日診療でみてもらった
- 虫歯が悪化して全身麻酔で抜歯をした
愛犬の健康のために必要になったこと
- 老犬になってペットシートやオムツ代がかかるようになった
- 運動できるように庭を整備した
- 暑さが苦手なので、ひんやりするシートなどの暑さ対策のグッズの購入
まとめ
犬を飼うには本当にお金がかかります。生涯でかかる費用を計算してみると、飼うのを諦めようと考える人もいるでしょう。もちろん、軽はずみな気持ちで飼って欲しくはありませんが、「お金がかかるから」という理由で簡単に諦めてしまうのは、少し寂しいことです。
一緒に暮らしていると、「お金がかかるなあ」と感じることもあるかもしれませんが、一緒に過ごす楽しい時間は何ものにも代えがたいものです。
具体的にかかるお金を知ることは、「本当に犬が飼いたいのか」というご自身への問いかけになります。「お金はかかる。それでも飼いたい!」と思えた時、人は目の前の愛する者のために力を尽くせるのではないでしょうか。
参考サイト
- 改訂履歴
- 2024/04/19 記事の構成を変更、情報を更新
- 2019/05/18 内容を修正
- 2017/08/21 初版公開