犬を迎える3つの方法 – ペットショップ・ブリーダー・里親の違い

2025.11.18
犬を迎える3つの方法 – ペットショップ・ブリーダー・里親の違い

皆さんは、「犬を迎える方法」といえば、何を思い浮かべますか?その方法はさまざまですが、この記事では一般的な3つの方法をご紹介します。

皆さんの選択肢が広がり、ベストな方法を選べることが一番だと思います。それぞれの特徴を見ていきましょう。

この記事の目次

1.ペットショップから購入する

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日本で一番メジャーなのは、恐らくペットショップでしょう。ペットショップの良さは、何といってもその身近さ。家族で気軽に立ち寄れる場所ですし、雰囲気も良いため、行くだけでワクワクした気持ちになれます。

日本ではペットショップで犬を販売することが一般的な一方、欧米の一部の国では動物福祉の観点から規制や禁止の動きも見られます。

ペットショップから購入するメリット

  • 身近なため寄りやすい
    • 商業施設など身近な場所に店舗があるため、思い立ったときに気軽に見に行くことができ、すぐに子犬を家族に迎え入れられます。
  • スタッフに相談できる
    • 初めて犬を飼う場合でも、飼育に必要な情報や準備について対面でスタッフに相談できます。
  • 必要なものがそろう
    • フードやおもちゃ、ケージなど、犬を飼うのに必要なグッズをその場で購入できます。
  • 保証制度が付いていることが多い
    • 多くの場合、購入後の一定期間内に病気や死亡があった際の保証制度が付いています。

ペットショップから購入するデメリット

  • 親犬や育った環境がわかりにくい
    • その犬がどこで生まれ、どのような環境で育ったか(ブリーダーや繁殖場など)を確認できないことが多いです。
  • 社会化不足のリスクがある
    • 生後間もない幼い子犬が販売されていることもあり、親や兄弟犬から社会のルール(社会化)を学ぶ時間が不足し、問題行動につながるリスクがあります。
  • 生体オークションを通じて仕入れている可能性がある
    • 生体オークション(競り市)を通じて犬を仕入れる業者もおり、幼犬期に何度も移動を繰り返すことで強いストレスを受けることがあります。その影響で体調を崩したり、免疫力が下がって病気になりやすくなることもあります。
  • 悪質な業者の可能性がある
    • ペットショップ自体が悪質であったり、繁殖を目的とした悪質なブリーダー(パピーミル)から仕入れた子犬である可能性があり、その取引の支援につながる場合があります。

知っておきたい8週齢規制

犬を家族に迎える前に、動物愛護法で定められた「8週齢規制」を理解しておきましょう。

この法律は、子犬の健やかな成長を守ることを目的としており、生後56日(8週間)を過ぎていない子犬や子猫の販売・展示を原則として禁止しています(一部の日本犬種や譲渡の場合は対象外です)。

親や兄弟と過ごす生後約2か月間は、社会性や噛む力加減、人や他の動物との関わり方を学ぶ大切な時期です。この期間を親元で過ごすことで、将来的な問題行動を抑え、心身の健康を保ちやすくなるとされています。

優良なブリーダーやペットショップはこの規制を守り、子犬が十分な社会性を身につけてから引き渡します。子犬の健やかな成長のために、生後8週齢以降の子犬を迎えるようにしましょう。

2.ブリーダーから購入する

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自分の望む犬種を迎えられるだけでなく、実際に親犬に会えたり、その犬が育てられてきた環境を見学できます。親犬との面会や飼育環境の見学を理由もなく断るブリーダーには、注意が必要です。

優良なブリーダーから直接子犬を迎え入れることは、子犬にとって身体的・精神的な負担が最も少ない方法の一つとされています。

ブリーダーから購入するメリット

  • 専門的なアドバイスが受けられる
    • 特定の犬種を専門としているブリーダーは、その犬種の特性や性格、かかりやすい病気について深い知識を持っており、専門的なアドバイスを受けられます。
  • 親犬や育った環境を確認できる
    • 子犬が育った環境や、親犬(特に母犬)の性格や健康状態を自分の目で直接確認できるため、将来の子犬の性格や体格を予測しやすくなります。
  • 適切な社会化が期待できる
    • 優良なブリーダーは、子犬が兄弟や親犬と共に適切な期間を過ごし、十分な社会化を受けてから引き渡すため、新しい環境に順応しやすいです。
  • 健康と遺伝の管理が期待できる
    • 優良なブリーダーは、計画的な繁殖を行い、遺伝性疾患のリスクを減らすための健康診断や遺伝子検査を親犬に実施しているケースが多く、健康面での安心感があります。

ブリーダーから購入するデメリット

  • パピーミル(悪徳業者)のリスクがある
    • 利益を優先し、劣悪な環境で過度な繁殖を行う「パピーミル」と呼ばれる悪徳ブリーダーが存在します。見学を拒否するなど、不審な点がないか注意が必要です。
  • ブリーダーが近くにいない可能性がある
    • 飼いたい犬種が決まっている場合、自宅の近くにブリーダーがいるとは限らず、遠方まで見学や引き取りに行かなければならないこともあります。

3.里親になる

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近年では、保護犬の里親になることを選ぶ人が増えてきています。里親になる方法にもさまざまな形があります。

飼い主さんの環境や気持ちによっても向き・不向きはありますが、ぜひ選択肢の一つとして考えてみてください。

犬の里親になるメリット

  • 命が救え、社会貢献にもなる
    • 飼い主のいない犬に第二のチャンスを与え、殺処分ゼロを目指す社会的な取り組みに直接貢献できます。
  • トライアル期間がある
    • お試し期間(トライアル)が設けられている場合が多く、新しい家族として一緒に生活してみて、相性をじっくりと確認できます。
  • スタッフに相談できる
    • 多くの場合、譲渡後も保護団体やスタッフが飼育やしつけに関する相談に乗ってくれるなど、心強いサポートを受けられます。
  • 性格や特性がわかる
    • 成犬の場合は、性格や習性が確立しているため、人慣れやトイレのしつけの状況などを事前に確認でき、家庭環境に合った犬を選びやすいです。
  • 医療処置がされていることが多い
    • 多くの保護団体や施設では、譲渡前にワクチン接種、不妊・去勢手術、健康診断、ノミ・ダニの駆除などが済んでいるため、手間が軽減されます。

犬の里親になるデメリット

  • 譲渡条件が厳しい
    • 二度と犬を不幸にしないため、団体や施設が定める審査基準(年齢、収入、留守番時間など)が厳しく、希望しても里親になれない場合があります。
  • トラウマや問題行動を抱える犬もいる
    • 虐待やネグレクト、社会化不足、しつけ不足などが原因で、問題行動を抱える犬もいます。一般の家庭での飼育が難しいと判断される犬については、多くの保護団体が慎重に対応し、無理に譲渡することはありません。ただし、特別な配慮や継続的なサポートが必要になる場合もあります。
  • 費用が発生する
    • 「無料」と思われがちですが、譲渡費用として初期の医療費(ワクチン、手術費など)や登録費用を実費で負担する必要があります。ただし、ペットショップやブリーダーから迎え入れる場合と比べると、費用は抑えられます。

里親になる5つの方法

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ここからは、犬の里親になる方法を5つご紹介します。

犬の里親になることに不安を感じる方もいるかもしれませんが、信頼できる保護団体では丁寧な対応やサポートが行われています。ぜひ一度のぞいてみてください。

1.インターネットの里親募集サイトで探す

インターネットの里親募集サイトは、自宅にいながら全国の保護犬を探せる方法です。NPO団体や個人ボランティアが運営しています。

サイトでは、犬種、年齢、性格、募集地域、譲渡条件といった詳細な情報を確認できるため、ご自身のライフスタイルや住居環境に合った子を効率よく見つけられます。

代表的な里親募集サイト

2.譲渡会に行く

譲渡会は、保護団体やボランティアが主催するイベントで、実際に犬の性格や大きさ、人懐っこさなどを直接確認できます。

会場では、犬の性格や健康状態をよく把握しているスタッフと話ができるため、飼育に関する不安や疑問を相談しながら、自分のライフスタイルに合った犬を選ぶことができます。

先述の里親募集サイトでも譲渡会の情報が掲載されており、当サイトでも定期的に譲渡会情報を発信しています。

3.シェルター(保護施設)に行く

シェルターはNPO法人などの保護団体によって運営されており、多くの犬が新しい家族を待ちながら生活しています。

施設を訪問するメリットは、その犬が普段どのような環境で、どのように過ごしているかを自分の目で確認できる点です。

4.保護犬カフェに行く

保護犬カフェは、リラックスした空間で保護犬と触れ合い、里親を探すスタイルです。カフェを訪れる最大のメリットは、犬たちがケージの外で自由に過ごす自然な様子を観察できる点にあります。

保護犬カフェは、敷居が低く誰もが気軽に訪問できるというメリットがあります。また、もし里親になれなくても、利用するだけで保護犬の支援につながります。

5.動物愛護センター、保健所に行く

動物愛護センターや保健所は、自治体が運営する公的な施設です。迎え入れの際には、事前の講習会への参加が義務付けられている場合があります。

公的な施設であるため、他の選択肢に比べて訪問のハードルがやや高い傾向がありますが、職員やボランティアの支援を受けながら慎重に譲渡が進められる点は、公的機関ならではの安心感があります。

ベストパートナーが見つかりますように

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私自身、3頭の犬と関わってきましたが、いずれも里親になることで犬を迎え入れてきました(拾い犬、里親募集のサイト→譲渡会という流れ)。それは、我が家のポリシーとして「どこから迎え入れても大差はないのだから、どうせなら命を救える選択をしよう」という考えがあるからです。みんな良い子で、本当に愛し愛されていました。また、元の飼い主さんからお手紙をいただいたこともあります。

もちろん、ペットショップやブリーダーから迎え入れることが悪いわけではありません。また飼い主さんそれぞれの思いや、環境もあると思います。里親になるという選択肢があることを知ったうえで、どの方法が自分たちにとってベストなのかを一度考えてみてください。きっと、その考えの先に、あなたを待っている子がいるはずです。

また、悪質なペットショップやブリーダーが存在することも知っておいてください。飼い主が正しい知識を持ち、信頼できるショップやブリーダーを選ぶことで、結果的に不適切な業者を減らすことにつながります。

みなさんが、素敵なベストパートナーと出会えますように。

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