世界最大の犬の祭典、Crufts 2019に行ってきた【現地レポート】

2024.09.08
世界最大の犬の祭典、Crufts 2019に行ってきた【現地レポート】

毎年、英国で開催される世界最大の犬の祭典、Crufts。渡英する機会があり、2019年3月に実際にこのイベントへ行ってきました。

日本では、犬のイベントと言えば、「インターペット」や「いぬのきもちフェスタ」等が挙げられます。しかし、Cruftsは、それをはるかにしのぐ規模。ギネス記録も持っています。参加犬も世界各国から。英国ではテレビ中継をしていたり、夜にはダイジェストが放送されている非常に人気のあるイベントなのです。

今回は、Cruftsの魅力と、そこから見えてくる犬たちとの絆についてご紹介します。

この記事の目次

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Crufts とは?

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Cruftsは、英国で毎年開催される国際的な犬のイベントです。Cruftsは、いわゆるドッグショーをメインとしており、「Best in Show」と呼ばれるその年の最高の犬を選出します。また、同時に犬関連の商品やサービスを販売するブースも数多く出店され、他にも後述する多数のイベントが同時に行われます。

毎年、3月上旬にイギリスのバーミンガムにあるナショナルエキシビションセンター(NEC)で4日間(木曜日から日曜日まで)開催されます。Cruftsは、最も知名度が高く、世界で最大のドッグショーとして、ギネス世界記録も持っています。

2008年のCruftsでは、来場者数が16万人を突破したようです。また、ディスカバードッグというブースもあり、そこではケンネルクラブによって認識されているほとんどすべての品種を実際に見たり触ったりすることができ、さらにそのオーナーと意見交換できるのも魅力の1つです。

他に何が見られるの?見どころは?

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Cruftsのメインイベントはドッグショーと言えますが、ドッグショー以外にも、下記の催しが行われます。

  • Heelwork to Music(ヒールワークトゥミュージック)
  • Obedience(オビディエンス)
  • Agility(アジリティ)
  • Flyball(フライボール)

イベントはメインアリーナと5つのホールで同時に行われているため、細かい催しも含めると、もっと多くのイベントが行われています。以下に挙げたものは、それらのほんの一部にすぎません。ここに挙げていないものとしては、世界的に有名なドッグトレーナーによるガンドッグ(鳥猟犬)のデモンストレーションから、トリマーさんのコンテストのようなものもあれば、オビディエンスをもう少し簡単にしたようなものも行われていました。また、警察犬や軍用犬のショーも行われています。

興味のある方は、Cruftsの公式ウェブサイトをご覧ください。
https://www.crufts.org.uk/

ヒールワークトゥミュージック

ドッグダンスとも言われます。音楽に併せて、ハンドラーと犬がダンスを披露します。その盛況ぶりは、まるでフィギュアスケートのようです。日本でもドッグダンスは行われており、日本からの出場者も素晴らしい演技でした。

オビディエンス

オビディエンスは、犬を「おすわり」や「ふせ」、「まて」等の指示に従わせ、与えられた課題をクリアしていくドッグスポーツです。全ての競技を行う上での基本トレーニングです。日本でも、しつけ教室等では、まずはオビディエンス・トレーニングから行うことが多いですが、これを高度な次元まで高めたものと言えるでしょう。

アジリティ

アジリティは、犬の障害物競走と言えます。ハードルやトンネル、シーソー等の障害物を番号順にクリアしていき、そのタイムを競います。順番を間違えてしまったり、各障害物を完璧にこなせない場合は、減点になってしまうか、最悪の場合は失格になってしまいます。

フライボール

4つのハードルを高速で飛び越え、その先の台に埋め込まれたボールを取り、スタート地点まで戻ってくる競技で、チーム戦でタイムを競います。非常にシンプルな競技であり、会場が大盛り上がりする競技の1つです。

買い物も楽しみのうちの一つ

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会場には、数多くの犬に関するグッズを販売するブースが出ています。ドッグフードやトリーツを始め、リードやハーネス、知育玩具はとても多くの出店があります。また、犬の絵が販売されているブースもありますし、日本ではあまり見ないサプリメントのブースもあります。

ボランティア団体のブースでは、彼らの活動の説明を受けられますし、彼らが販売するグッズも購入できます。もちろん、募金も受け付けています。

犬がどれだけ愛されているのか

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幅広い年代の参加者

日本のインターペットも規模が大きく、来場ペット数が2018年は1万6千頭を超えたと発表されています。しかし、このCruftsは、参加犬数が2万2千頭を超えるという、想像もつかないほど大規模なイベントです。当然、会場で行われているイベントの数も出展者の数も、日本とは桁違いの大きさです。

この盛り上がりから見えてくるのは、英国人を始めとする欧米人の犬への愛情の深さではないでしょうか。

来場者は老若男女を問わず、幅広い世代の方々が世界各国からこのイベントに訪れます。また、YKC(ヤング・ケネル・クラブ)では、子どもたちが犬のハンドラーを務め、アリーナでも競技を行います。その技術力の高さは大人も顔負けです。子どもの頃から、大人に混じって犬とトレーニングする環境がごく自然に、当たり前のことになっているということに日本と英国の犬文化の違いが見えてきます。

注目度の高さ

さらに驚くのは、その注目度の高さです。例えば、日本でいう甲子園の高校野球のように、その日のうちにCruftsのダイジェストがテレビ放送されます。表彰台に上がった犬たちは、ハンドラーやオーナーとともにインタビューを受けます。

また、主要イベントが開催されるアリーナ会場は常に満席に近い混み具合。土日は、アリーナの外まで入場待ちの行列ができます。そして、会場の大声援。アジリティやフライボールは最も盛り上がる競技の1つで、日本の野球観戦やサッカー観戦のような盛り上がりを見せます。

犬と一緒にスポーツをするということが、どれだけ英国人にとって身近なものになっているのかが見えてきます。日本とは比べ物のならない注目度の高さに驚きます。

そんなCruftsは日本でも見られる

上記でもご紹介しましたが、実は日本にいても、この盛り上がりをYouTubeで見られるのです。
Crufts – YouTube

もし、Cruftsに興味がある方は、まずはYouTubeから始めてみてください。そして、Cruftsの魅力にハマった方は、ぜひ現地の熱狂を生で見て、英国の犬文化を肌で感じてみてください。

おわりに

crufts2019
英国では、電車に人と同じように犬が乗ってくることもあります。また、あれだけの数の犬がいながら、Cruftsの会場内でけんかする犬もいません。Cruftsの会場内でおしっこをする光景もほとんど見ることがありません。犬にも人間と同じようにマナーがあり、それが高いレベルでどの犬も身についているのです。

もちろん、日本と英国とでは、犬との関わりの歴史の深さが異なります。しかし、彼らの犬への接し方や、競技の内容を見ていると、本当に犬を愛しているということが伝わってきます。単に犬という動物として扱っているのではなく、人生のパートナーとして、人間と対等な関係として扱っているという表現が正しいでしょうか。私たちもそうありたいと考えさせられます。

これは、実際に体験してみないことには、なかなか言葉では言い表すことが難しいところです。このすばらしい文化を感じることで、あなたのこれからの犬との接し方にも良い影響を与えてくれることは間違いありません。Cruftsに限らず、機会があれば、一度、英国の犬文化を肌で感じてみてはいかがでしょうか。

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