私たちを幸せな気持ちにしてくれるかわいい犬たちですが、時には飼い主を悩ませる困った行動をすることがあります。
犬を飼っている人たちは実際に犬のどのような行動に頭を悩ませ、どのように対処しているのでしょうか?
今回は、東京都内在住者100人を対象にインターネットによる独自アンケートを実施しました。犬を飼っているみなさんのリアルな声をお届けします。
この記事の目次
アンケート回答者情報
調査は、2019年9月10日にクロス・マーケティング株式会社が提供するセルフ型アンケートツール「QiQUMO」を使って実施し、同社のパネル会員で東京都内在住の犬を飼っている100人からの回答を集計しました。
回答者の飼っている犬種
このアンケートでは多頭飼いの方は1頭に限定して回答してもらいました。その前提で、回答者の飼っている犬種について、最も多かったのが「チワワ」で17サンプル、次いで「トイプードル」と「雑種・ミックス」が同数の13サンプル、「ミニチュアダックスフンド」が11サンプル、「柴犬」が10サンプルとなりました。
その他様々な犬種が並びましたが、全体の傾向として小型犬が多いのは東京都在住者ということから、その住宅事情が影響していると考えられます。
経験したことがある困った行動トップ10!上位は「吠え」
犬について経験したことがある困ったことを複数回答形式で聞いてみると、1位は「ピンポンなどの音に吠える」が32%で全体の3人に1人以上の結果となりました。さらに2位は「人に吠える」が23%、3位「犬に吠える」が22%と上位3つは吠えに関する悩みが並びました。
人口が密集している都内では、来訪者が鳴らすピンポン音に吠えたり、来訪者に吠えたりしてしまうと近隣からのクレームにつながりやすいこともあり愛犬の吠えに悩んでいる飼い主さんが多いようです。
また、4位以下は、「人の食べ物を欲しがる」20%、「爪切りを嫌がる」17%、「散歩中に歩かなくなる」16%といろいろなジャンルの悩み事が並びました。
柴犬はお手入れがきらい?
困ったことを飼っている犬種ごとに集計して違いを分析してみました。
トイプードルと柴犬の比較
今回のアンケートでは、犬種ごとのサンプル数が少ないため、洋犬代表としてトイプードル(13サンプル)、日本犬代表として柴犬(10サンプル)の2つの犬種のデータを見てみましょう。
トイプードルは全体でも多かった「吠え」に関する回答が多いのですが、柴犬では吠えよりも「シャンプーを嫌がる」「爪切りを嫌がる」という身体のケアに関して困った経験のある方が多くなっていました。
小さい頃からの経験で差が出ているのかも
トイプードルはトリミングが必要な犬種なので、幼い頃からトリミングサロンなどでシャンプーやカットをされていて慣れている子が多いと考えられます。これに対し、柴犬は頻繁なシャンプーやトリミングを必要としない犬種です。大きくなってから自宅でシャンプーや爪切りをしようとすると嫌がって暴れて困る飼い主さんが多いということかもしれません。
犬は社会化が重要とされており、幼犬のときから様々なことに慣れさせ、犬に自信をつけておくと、人間社会での生活に適応しやすくなる生き物です。トリミングを必要としない犬種であっても、どんな犬種もいずれ必要になるシャンプーや身体のケアは、安心してやらせてくれるように子犬の頃からトレーニングしておくと悩みを未然に防ぐことに繋がるのではないかと思います。
対応策をネットに求める時代
そんな愛犬の困った行動に対して、飼い主さんはどのように対処しているのでしょうか?
1番多かった対処法は「ネットのサイトで対応方法を調べる」で40%の飼い主さんが実際にしたと回答しました。次に多かった回答は、ネットではなくリアルな「動物病院の獣医に相談する」の18%でした。次いで「ネットの動画で対応方法を調べる」が13%、「犬を飼っている知人に相談する」が11%という結果になりました。
知人や獣医師に直接相談する人も結構いるようですが、やはりネットで調べる人の割合が群を抜いて多いことが分かります。これは、アンケート回答者がネットユーザーであるという特徴も影響しているでしょう。
本当に役に立つのはネットよりも人?
やってみた事がある複数回答形式での回答数と、その中で最も役に立った事の単一回答形式での回答数を割り、『実際にやってみたけど最も役立ったのはコレだった』という割合を算出してみました。以下ではこの割合を分かりやすくするため「満足度」と表現します。
人への相談の満足度が高い
すると、94%もの高い割合で「動物病院の獣医に相談する」がトップの満足度でした。続いて、「犬を飼っている知人に相談する」が82%、「ドッグトレーナーに相談する」が80%となっており、人に相談した場合の満足度が高いことが分かりました。
これに対し、最も多くの人が対処法として挙げていた「ネットのサイトで対応方法を調べる」は63%と、満足度は低めの割合になりました。
これはインターネットの記事はどこの誰が書いているかわからない、断片的な情報が多く、正しいのか間違っているのかわかりにくいという特性が影響しているのかもしれません。また、犬の困った行動に対する対応は、その動物が置かれている環境やその性格なども影響してくるため、それらを事細かく伝えられる「対面でのコミュニケーション」の方が満足度が高くなるのは納得できます。
アンケート結果からわかること
東京都内在住という特性の下では、犬を飼っている人の多くは愛犬の吠えに悩んでいると言えます。一般的にも、「吠え」「咬み」「排泄」が犬の3大困った行動と言われていますので、このうちの「吠え」がクローズアップされたことは違和感のない結果と言えるでしょう。
犬を飼うということは、私たち人間とは違う種の動物と生活を共にするということです。インターネットも情報源としては有用ですが、実際の満足度が低いことからもわかる通り、インターネットでは一方向のコミュニケーションになりがちです。
実際のお困りごとや生活環境、個性やその行動が起きてしまう背景などを細かく共有できる「獣医」や「ドッグトレーナー」など、犬についての正しい知識や経験がある人たちに相談したほうが解決へは近道となりそうです。彼らの協力も得ながら、吠えやシャンプー等、犬特有の困った行動について適切に対処できるようにして、愛犬との潤いのある生活を過ごしていきたいですね。