セキセイインコやオウムなど、「言葉を喋る鳥」はペットとしても人気が高く、みなさんも一度は、彼らが言葉を喋る姿を目にしたことがあるのではないでしょうか。
そんな「言葉を喋る鳥」ですが、先日、迷子になっていたインコが、自宅の住所を喋り、無事帰宅したという出来事がありました。
インコはどれだけ言葉を喋ることができるのか、また、そもそもなぜ言葉を喋るのか。本記事では、そんなインコの疑問をみなさんと一緒に掘り下げていきます。
この記事の目次
インコが住所を喋って無事帰宅した!
2019年、秋田市で飼われていたインコのクリンちゃんはある日、飼い主が窓を開けた一瞬の隙に飛び立ち、自宅から約500メートルほどのところで迷子になってしまいました。
迷い込んだ先は、中古車販売店の一角。
大の動物好きだった店長夫婦は、しばらくクリンちゃんを保護していましたが、クリンちゃんは1週間ほどで飼い主の名字を喋り、2週間ほどで自宅の住所を番地まで喋ったといいます。
迷子になっていたクリンちゃんは、住所を覚えていたおかげで、無事飼い主の元に帰ることができました。
実は過去にもあった・・・
迷子のインコが自宅の住所を喋って無事に帰宅できたという出来事は、実は過去にもありました。
2012年、相模原市で飼われていたインコのピーコちゃんは、ある日自宅のベランダから、誤って飛んでいってしまいました。ピーコちゃんは近くのホテルで保護され、その後神奈川県警相模原北署が鳥かごで保護していましたが、突然、自宅の住所を喋り始めました。
飼い主によると、前に飼っていたインコも迷子になってしまったことがあり、自宅の住所と電話番号を教えていたそうです。
こうした出来事は、ニュースやバラエティ番組などでも取り上げられることがあったため、もしかしたら覚えのある方もいらっしゃるかもしれません。インコを飼っている人なら、「うちも教えておこう」と思ったのではないでしょうか。
インコはなぜ言葉を喋るのか?
インコは、住所を正確に伝えられるほど、お喋りの能力が高いことがわかりましたが、では、そもそもインコはなぜ言葉を喋るのでしょうか。
インコの他にも、九官鳥やオウムも「言葉を喋る鳥」として知られています。以下の3つのグループに属する鳥は、聞いた音を真似することができ、人間の言葉を真似られる鳥も多くいます。
- 九官鳥などのスズメ目
- インコやオウムなどのオウム目
- ハチドリなどのアマツバメ目
なぜ人間の言葉を話すのか
そもそもインコが言葉を喋るのは、パートナーや仲間とコミュニケーションをとって絆を深めるためだと言われています。
飼い主の言葉をインコが真似するのは、飼い主のことを仲間だと思い、コミュニケーションを図ろうとしているからなのです。
飼い主と仲間になりたいインコは、覚えた言葉を真似することで飼い主が喜んでくれるのを見て、さらに色々な言葉を喋ろうとするのだそうです。
おしゃべりを可能にする器官構造
私たち人間は、喉に「声帯」があるから細かい音を組み合わせて言葉にすることができますが、インコには、声帯の代わりに、胸に「鳴管」という器官を持っています。
インコはこの鳴管やのど、筋肉が発達した舌を上手に使うことで、人間と同じような、器用な発音をすることができるのです。
インコは歌やダンスもできる!?
インコやオウムは人間の言葉を真似て喋るだけではありません。
中には、歌を歌ったり、音楽に合わせてダンスをする愉快なインコやオウムもいるんです。
こちらは歌を奏でる様子。中には歌詞をつけられるインコもいます。
こちらは音楽に合わせてノリノリでダンスする様子。頭の上下運動や足のステップで器用にリズムをとります。
インコを飼いたい!インコ飼育の基礎知識
言葉を喋るインコや、歌を歌ったりダンスをするインコを見て、「うちにもインコがいたら楽しいかも!」「インコを飼ってみたい!」と思った方、いらっしゃるかもしれません。
インコを飼うことを検討する前に、まずは、インコの基本的な情報を知っておきましょう。
インコの生態と特徴
インコの生息域は、アメリカやアフリカ、アジア、オーストラリアなど、広範囲に渡ります。
大きさは小型のもので約12cm〜、大型のもので約90cmと、種類によって大きく違います。
寿命も種類によって、5〜50年とかなり大きな差があり、種類によっては一生の付き合いになる可能性もあることがわかります。
食べ物は基本的に種子ですが、果実やナッツの他、葉っぱや昆虫を食べるものもいます。
インコの飼育に必要なものと費用
セキセイインコなど、小型のインコであれば、生体価格は約3000円〜で、犬や猫に比べてかなりお手頃ですが、美しい色合いの子は値段が上がります。
中型で1〜12万円、大型で30〜120万円と、大きさによってもかなり値段が違います。
ケージや巣箱などの初期費用はおよそ3万円ほどで、その後はエサ代などが月に3000円ほどかかります。
インコの飼育で気をつけたいこと
インコは寒さに弱いので、適切な温度調節が必要です。
掃除をしっかりして衛生的な飼育環境を保ち、1日に1回はカゴから出して、運動不足やストレスを解消してあげましょう。その際、部屋の中を飛び回って糞をしてしまったり、物をつついてしまうことがあります。
また、インコはコミュニケーションが大好きな鳥なので、毎日話しかけてあげたり、音楽を聴かせてあげたりして、積極的にコミュニケーションをとることを心がけましょう。
まとめ
人間の言葉を覚えて喋るのが大好きなインコ。中には、自宅の住所を覚えておいたことで、迷子になっても無事に飼い主の元に帰ることができたインコもいました。
すでにインコを飼っている方や、これからインコを飼おうとしている方は、インコが迷子になった時に備えて、住所や名前を教えておくと良いかもしれませんね。
コミュニケーションが大好きなインコがおうちにいれば、おうちが楽しく賑やかになるでしょう。「ペットを飼いたい」と思っているみなさん、犬や猫だけでなく、インコもペットの候補として考えてみてはいかがでしょうか。