ペットとして、日本でも高い人気を誇る犬種「ダックスフンド」。
ダックスフンドは全体的に明るくて活発な性格だとされていますが、実は、「スムース」「ロング」「ワイヤード」の3つの毛の長さで性格が異なるともいわれています。毛の長さで、なぜ、そして、どのように性格が異なるのでしょうか。
今回は、ダックスフンドの歴史や性格の違い、そして注意したい「椎間板ヘルニア」について簡単にご紹介します。
すでにダックスフンドを飼っている人も、これから飼おうと思っている人も、ぜひ参考にしてみてくださいね。
この記事の目次
ダックス=「アナグマ」?
ダックスフンドという名前は、ドイツ語(Dachshund)から来ています。
Dachs(ダックス)は「アナグマ」という意味、hund(フント)は「犬」という意味で、アナグマ猟をするときにダックスフンドが活躍していたためにこの名前がつきました。
猟に特化した大きさに
ダックスフンドには、大小さまざまなサイズがあります。
それは、より小型の獲物(ウサギなど)を狩るために、ダックスフンドが小型化されてきたからなんです。
小さい動物ほど巣穴が小さいので、そこに入って狩りをするには、ダックスフンドも小さい身体でなければならなかったというわけです。こうして、大きな「スタンダード・ダックスフンド」だけでなく、小さめの「ミニチュア・ダックスフンド」、そしてさらに小さい「カニンヘン・ダックスフンド」が出てきました。
ダックスフンドの性格
明るくて、活発!
ダックスフンドは、「犬世界での楽天家」と言われるぐらい、その性格は明るくて元気いっぱい。好奇心も旺盛で、遊ぶことや運動することが大好きです。狩りをしていたころの名残で、穴を掘ったり、穴に潜り込んだり、獲物を追いかけたりする姿もよく見られます。
独立心が強い
ダックスフンドはしつけが重要だと良く言われます。独立心が強いため、幼い頃からしっかりとしつけをしないと、なかなか言うことを聞いてくれない犬に育ってしまうかもしれません。
ダックスフンドは毛質によって性格が違う?
「ダックスフンドは毛質によって性格が違う」と言われていますが、それはどうしてでしょうか。
ダックスフンドには、大きく分けて3種類の毛質(スムース、ロング、ワイヤー)がありますが、この毛質の違いは、交配相手の犬種の違いによって生まれました。そのため、その交配相手の犬種の性格が大きく影響するのです。
スムースヘアード(短い、光沢がある)
ビロードのような光沢があり、硬くて短い毛が密に生えている「スムース」。
3種類の中で最も歴史があり、ミニチュアピンシャーとの交配で誕生しました。明るく好奇心旺盛で活発な性格です。
スムースヘアードのダックスフンドは毛は短くて絡みにくいのでお手入れがしやすく、ブラッシングはときどきやれば良いとされています。
ロングヘアード(長い、少しウェーブがかっている)
長毛で柔らかい毛の「ロング」。日本では一番人気のタイプです。
スパニエル系と交配されてできたため、穏やかで優しい、温厚な性格が特徴です。一番飼いやすい性格といえるでしょう。
ロングヘアードのダックスフンドは、なるべく毎日ブラッシングをすることが推奨されています。
ワイヤーヘアード(ゴワゴワ、針金のような硬い毛質)
バリバリとした剛毛が特徴のワイヤーは、おじいちゃんのような見た目で愛されています。
テリア系と交配されているため、気が強い性格であることが多いです。狩りの時に一番活躍していたタイプです。しつけをきちんとして関係性を築くことができれば、良いパートナーになってくれるでしょう。
ワイヤードヘアードのダックスフンドは、毎日のブラッシングのほか、年に数回トリミングが必要になります。
短足胴長のダックスフンドが気をつけるべき「椎間板ヘルニア」
ダックスフンドの最大の特徴である「短足・胴長」は、可愛さのポイントでもありますが、「椎間板ヘルニア」を起こしやすいことも忘れてはいけません。
ダックスフンドは短い足で長い胴を支えなければならないので、足や腰に負担がかかりやすくなり、椎間板ヘルニアになりやすいのです。
特に、段差の上り下りは腰に大きな負担がかかるので、高いところに飛び乗ったり、高いところから飛び降りたりさせないように気をつけましょう。
具体的な対策
段差の登り降りを極力減らすため、ダックスフンドを飼っている人や、これから飼おうと思っている人は、次のような予防策を参考にしてみてください。
- 家の中のソファやベッドに犬用の階段を付けて段差を小さくする。
- 家の中や散歩中の階段を登ったり降りたりするときは、極力抱っこをしてあげる。
- 適度な運動は必要だが、長時間の運動や激しい運動は避ける(散歩は1日30分くらいが目安です)。
- 体が思いと足腰に負担がかかるので、体重管理に気を配る。
まとめ
今回は、ダックスフンドの歴史と、毛の長さによる性格の違いやその理由、注意すべき「椎間板ヘルニア」についてご紹介しました。
ダックスフンドが毛質によって性格が違うといわれているのは、歴史の中で交配してきた犬種が異なるのが原因だとわかりました。とは言え、毛質はあくまでも目安であって、実際の性格は個体によって異なります。それまでの犬の経験によっても差が出てきますので、あくまでもそういう傾向がある参考値としてご覧ください。
ダックスフンドを飼っているみなさんや、これから飼おうと思っているみなさんは、それぞれのダックスフンドの性格にあった育て方を見つけていってくださいね。