【獣医師監修】犬の震えの原因は?実は病気のサインかも!?

2024.09.19
【獣医師監修】犬の震えの原因は?実は病気のサインかも!?

犬の飼い主のみなさんは、愛犬が震えている様子を一度は見たことがあるでしょう。

冬の時期なら、「きっと寒くて震えているのだろう」と考えるかもしれません。しかし、本当に寒いだけでしょうか。もしかしたら、愛犬の震えは体調の異常のサインかもしれません。

小さな変化ですので、動物病院に連れて行こうか迷う方も多いでしょう。震えの原因はとても複雑で、獣医師であっても確定診断が難しい場合もあります。

そこで今回は、犬の震えについて、獣医師が詳しく解説していきます。

この記事の目次

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そもそも震えって何?

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震えは、意識とは無関係な筋肉の収縮や伸展によって起こります。

中には、部分的な痙攣や筋肉の異常によって引き起こされる場合もあります。
犬は言葉が話せませんから、なぜ震えているのかや、それが異常な震えかどうかは判断が難しいところです。

考えられる震えの原因

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もちろん、震えているからといって全てが病気の兆候とは限りません。
愛犬がなぜ震えているのか、考えられる原因をみてみましょう。

生理的反応

寒さ、恐怖、警戒などによって、震えることがあります。

これらは生きていく上で必要な反応なので、異常ではありません。
ただし、犬にとってはストレスがかかっているサインですので、原因を突き止め早めに取り除いてあげましょう。

疼痛(とうつう)

お腹など、体のどこかが強く痛む場合も震えることがあります。
痛みが原因の場合は、触られることを嫌がったり、抱き上げた時に鳴いたりすることがあります。

外傷などのわかりやすいものもあれば、椎間板ヘルニアなど見た目にはわかりにくい疾患もあります。また、動かない、攻撃的になる、呼吸が速いなどの症状が付随して見られることも多いので、注意深く観察しましょう。

ミオクローヌス

自分の意志とは無関係に筋収縮が起こることです。しゃっくりを思い浮かべて頂ければわかりやすいかもしれません。

中枢神経系(脳や脊髄)の異常や、各種中毒物質の摂取によって見られることがあります。また高齢犬が立ち上がろうとする時に後肢に震えが見られるのも、このミオクローヌスです。

中毒

色々なものを誤食することで、中毒症状が現れると震えることがあります。
代表的なものには、キシリトール、チョコレート、カフェイン、マカダミアナッツ、ニコチン、エチレングリコール、農薬類などがあります。

誤食の際には必ず痕跡(食べ残しがある、保管しているビニールが破れている、ゴミ箱が荒らされているなど)があるので、何かを食べてしまった可能性がある場合はすぐに動物病院を受診しましょう。

低血糖

肝疾患やインスリノーマなどによって、血液中のグルコース濃度が低下することでも震えが引き起こされます。
さらに深刻な低血糖状態に陥ると、発作や昏睡といった症状が現れるため、基礎疾患を持つ犬は震えを見逃さないようにしたいです

犬の震えを発見したら飼い主ができること

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ご紹介したように、震えには正常なものと異常なものがあります。

明らかに震えている原因がわかる場合を除いて、異常かどうかの素人判断は危険でしょう。
電話で獣医師に相談しても対処できない場合がほとんどですので、変わったことがあれば一度動物病院を受診してください。

動物病院で聞かれることを押さえておこう

動物病院を受診する前に、予め次のようなことをチェックしておけば診断がスムーズに進みやすいです。

・経過:止まっている時と動いている時の震えの違い、特定の動作時に起こるかなど
・予防歴:寄生虫、ウイルス疾患(犬ジステンパーなど)の可能性
・家族歴:遺伝性の可能性、犬種による好発疾患の推定など
・食事:栄養性、中毒性の可能性
・既往歴:代謝性、他臓器の疾患の可能性

痛みが震えの原因と考えられる時

震えの原因が強い痛みの場合、診察室内でも歩き方や姿勢に異常が見られれば診断しやすいですが、緊張や興奮によって動物病院内で痛みが隠れてしまうことも多くあります

筆者自身、「検査を行っても異常は見られないし、治療もせずに帰宅するとやっぱり痛そう」といった事例も経験があります。

できれば、自宅でリラックスしている状態の時に体を一通り触ってみて、どこか嫌がる箇所がないか確認しておきましょう。
ただし、愛犬が攻撃的になっている可能性もあり、痛みのある箇所に触った時に咬まれないように注意してください。

動画の撮影も有効

痛みが原因の場合に限らず、「自宅では震えるのに診察室内では平気そうにしている」可能性は十分にあり得ます。
自宅で異常を感じた際は、すぐに動画を撮影しておきましょう。

動画撮影時の環境や、撮影前の状況を把握しておくことも非常に重要です。
何もしていない時、呼びかけた時の反応、おやつやおもちゃを見せた時の反応などが望ましいです。

自宅での愛犬の素の状態を知らせるためにも、文明の利器を最大限活用しましょう。

まとめ

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小さな震えなどは、日常生活の中で愛犬をよく観察していないと見落としてしまうかもしれません。しかし、「その小さな震えが大きな異常のサインであるかもしれない」ことは忘れてはなりません。

些細なことでも構いません。何か気になることがあれば、気軽にかかりつけの獣医師さんに相談してみましょう。

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