「雨の日はうちの子、なんだか寝てばっかりで元気がない・・・」と思ったことのある飼い主さんも多いのではないでしょうか?
低気圧が人間に頭痛や関節痛といった不調をもたらすように、ペットもまた気圧・天候の影響を受けることが分かっています。特に、持病持ちやシニアのペットには、この気圧・天候の変化が大きな負担となってしまうこともありますので、適切に対処してあげたいですよね。
今回は、天気や気圧がペットに与える影響とその対策をご紹介します。
この記事の目次
天気・気圧の変化が引き起こすペットの体調不良
気象の変化が原因の「気象病」
様々なメディアで取り上げられていることもあり、おそらく多くの方が「気象病」という名前を聞いたことがあるでしょう。
「気象病」とは、天気や気圧の変化が原因で、様々な症状が現れたり元々患っていた症状が悪化する疾患です。具体的には、頭痛・古傷が痛むなどの肉体的な症状と、イライラするなどの精神的な症状がみられます。
ペットの「気象病」
気温・湿度・日照などを含む天気や気圧の変化は、ペットにも影響を与えます。
特に、気圧の変化が大きな影響をもたらすと言われており、自律神経のバランスが崩れたり、血管が収縮・拡張したりすることで、様々な身体的影響が起きます。
どのような症状が出るかはペットによって異なり、持病の有無や年齢によっても左右されます。
「ペットの気象病」で現れる体調・行動の変化
天気・気圧の変化の影響を受けやすいペットは、体のだるさ、頭や関節の痛み、その他のストレスから次のような行動を取ることがあります。
- 寝ている時間が普段より長い
- 散歩に行きたがらず、じっとしていることが多い
- 食欲が落ちる
天気・気圧の変化は体に負担がかかるため、ペットは体力を温存しようとして普段より大人しくなる傾向がみられます。
飼い主が取れる対策
いつもと違う様子に心配になるかもしれませんが、持病がなく他に顕著な症状がなければ、様子を見つつペットが落ち着いて休める環境を整えてあげましょう。原因が気象病であれば、半日〜1日で普段通りに戻るはずです。
症状が悪化しないように、普段から適切な食事・運動を心がけて、免疫力を高めておきましょう。また、1日の気温差が大きい日には、室温を一定に保つことも大切です。
病院を受診するタイミング
天候が良くなっても体調が改善する様子がなく、長時間元気がない場合は、別の疾患が隠れている可能性もありますので、かかりつけの動物病院を受診しましょう。
持病があるペットは要注意
持病があるペットの場合は、天気・気圧の変化によって症状の悪化や急な体調の悪化が起こりやすいです。
特に、関節性の疾患や脳腫瘍、てんかんなどを持つペットは、気象の変化が大きな症状をもたらすこともあるので、注意が必要です。
変形系関節症、股関節形成不全、椎間板ヘルニア、膝蓋骨脱臼などの関節系の疾患
変形系関節症、股関節形成不全、椎間板ヘルニア、膝蓋骨脱臼などの関節系の疾患を持つペットは、低気圧の時、雨の前日、梅雨や台風の時期などに痛みが強くなることがあります。
このような天候の時にペットが痛がっていたら、かかりつけの動物病院に相談してみましょう。
脳腫瘍、てんかん、水頭症、前庭疾患などの持病
脳腫瘍、てんかん、水頭症、前庭疾患などの持病があるペットは、低気圧の時などに発作が出ることがあります。天気予報を確認し、事前に注意をしておくことが大切です。
もし、天候が悪い時に頻繁に発作が見られるようであれば、かかりつけの動物病院に相談をしましょう。事前の対策や対処法を提案してくれるでしょう。
持病と気象病のことで、動物病院に相談する場合
気象が痛みや発作に関与していること示すために、普段から日記のようにメモを取っておくことをおすすめします。
- 天気、気温
- 痛みや発作が出た時間帯とその程度
- 1日の行動・様子
以上の点を毎日記録しておくことで、獣医師も気象と体調の相関関係を把握しやすくなります。
高齢のペットも注意
ペットも高齢になると免疫力が低下し、体調が変化しやすくなります。若いころは気にならなくても、加齢に伴い天気や気圧などの影響を受けやすくなるので、常に気にかけてあげてください。
病気や怪我が隠れていることも考えられるので、気になる行動・症状が見られたら、動物病院を受診しましょう。
まとめ
今回は、天気・気圧の変化がペットに与える悪影響をご紹介しました。
少しの体調の変化から、疾患の痛み・発作の悪化まで、気象がペットに与える影響は様々です。ペットの気象病を知ることで、事前に対策を講じ、体調の変化をコントロールしてあげることができるでしょう。
関節系の疾患など、持病を持っているペットは特に気象の影響を受けやすいので注意してください。
季節の変わり目や梅雨や台風の時期には、ペットの体調をより一層気遣ってあげてくださいね。