ほとんどの犬や猫では、飼い主さんが定期的にブラッシングをしてあげる必要がありますが、ハムスターの場合はどうなのでしょうか。
SNSや動画サイトでは、ブラッシング中のハムスターがうっとりしている様子が投稿されることもありますが、果たしてハムスターにとってブラッシングは本当に必要なのでしょうか。
今回の記事では、ハムスターのブラッシングや毛並みの改善方法について、詳しくご紹介します。
この記事の目次
ハムスターは自分で毛繕いができる!
ハムスターはとてもきれい好きな動物なので、身体を舐めたり顔を手で拭ったりして、自分で毛繕いできます。そのため、基本的には飼い主さんがブラッシングをしてあげる必要はないと考えて良いです。
ただし、中にはブラッシングを必要とするハムスターもいます。それについては、次の章でご説明します。
ブラッシングで匂いが変わってしまう
ハムスターにとって毛繕いは、毛並みを整えるだけの行為ではありません。自分の身体を舐めて自分の匂いを付けることで、安心感を得ているのです。
飼い主さんがブラッシングをし過ぎてしまうことで、ハムスターの身体に別の匂いが付いてしまい、不安になってしまうことがあります。
ブラッシングそのものを嫌がるハムスターは多い
ハムスターの身体はとても小さいので、犬や猫と同じような要領でブラッシングをしてしまうと、怖がったり、痛がったりします。あからさまに嫌がる仕草を見せなくても、ストレスになっている可能性があるので注意が必要です。
ただし、優しいブラッシングを心地よいと感じ、うっとりしてしまうハムスターもいるようなので、ブラッシングの好き嫌いは飼い主さんの技量とハムスターの性格にもよるのかもしれません。
とはいえ、多くのハムスターにとってブラッシングが必要でないことには、やはり変わりはありません。
こんなハムスターはブラッシングが必要!
長毛のハムスター
野生のハムスターは短毛ですが、被毛の長いハムスター同士を人工的にかけ合わせたことで、愛玩用に長毛の品種も誕生するようになりました。
短毛のハムスターの身体の汚れは、毛繕いによってすぐに取れるようにできていますが、長毛のハムスターではそうはいきません。
汚れがつきやすく毛も絡みやすいため、飼い主さんが適度にブラッシングをしてあげないと、皮膚病になったり、臭いがキツくなったりすることがあります。毛繕いをハムスターだけに任せると、長い毛を大量に飲み込んで毛球症や腸閉塞を起こす恐れもあるので注意が必要です。
絡んだ毛はカットしよう!
複雑に絡んでいる毛を無理やりとかそうとすると、ハムスターが痛がってブラッシング嫌いになってしまいます。そうした場合は、無理せず、絡まった毛をカットしてあげると良いでしょう。
病気などで毛繕いができないハムスター
病気や怪我、加齢などで身体が弱ってしまい、自分で毛繕いができなくなってしまったハムスターには、飼い主さんがブラッシングをしてあげましょう。
毛繕いが自分でできなくなってしまったハムスターは、かなり身体が弱っていると考えられるので、ブラッシングの際はとりわけ優しい力で、ハムスターに負担がかからないように行うことが大切です。
ハムスターのブラッシングの方法
専用ブラシか、柔らかい歯ブラシを使おう
体の小さいハムスターのブラッシングには、犬や猫用の硬いコームは適していません。
ハムスター専用のブラシを使うか、人間用の歯ブラシで、柔らかめのものを使うことをおすすめします。
ブラッシングは毛並みに沿って優しく
ハムスターのブラッシングは、頭からお尻にかけて、毛並みに沿って優しく撫でるようにして行います。毛を逆撫でするような方向でブラッシングをすると、ハムスターにストレスがかかってしまいます。
また、先述した通り、毛が絡まってしまってブラシが簡単に通らないようであれば、その部分はカットしてしまいましょう。
毛並みが悪いならまずは飼育環境の見直しを
短毛であれば基本的にブラッシングを必要としないハムスターですが、ハムスターによっては毛並み、毛艶が良くない場合があります。
毛並みの改善のためにはブラッシングが必要だと思うかもしれませんが、その前にまず、飼育環境を見直すことが重要です。
身体を擦り付けられるものを置こう
ハムスターは、身体を舐めて毛繕いする以外にも、砂場や床材などに体を擦りつけて汚れを落とし、毛並みを整えます。
砂場をまだ置いていなければ、この機会に置いてみましょう。
また、安すぎる床材は避け、ペーパーチップなどの人工加工製品よりも、ウッドチップなどの天然由来製品を選ぶと良いです。
食事内容を見直そう
タンパク質が豊富な種子類や植物の実ばかり与えてしまったり、逆に生野菜ばかり与えてしまったりすると、栄養バランスが崩れて毛並みが悪くなります。
栄養バランスを考えるのが難しければ、ハムスター用の総合栄養食(ペットフード)を基本とし、種子や野菜はおやつとしてあげるようにすると良いでしょう。
病気の可能性もある
飼育環境や食事内容を見直しても、ハムスターの毛並みが改善しない場合には、ハムスターの体調に問題がある可能性があります。
他にも気になる症状がないかをよく観察し、おかしいと思ったら動物病院に連れて行きましょう。
まとめ
ハムスターは自分で毛繕いを完結できる動物なので、短毛で元気なハムスターであれば、飼い主さんがブラッシングをしてあげる必要はありません。
一方、長毛種のハムスターや、病気などで自分で毛繕いができないハムスターには、柔らかい歯ブラシなどを使って優しくブラッシングしてあげましょう。
きれい好きのハムスターにとって、被毛を清潔に保つことは重要なことなので、毛並みが悪いと感じたら放置せず、住環境や食事などを見直すようにしましょう。