犬を飼っている方は、愛犬が長頭種なのか、短頭種なのかを気にしたことはありますか?
身体的な特徴が大きく異なるため、それぞれの特徴を理解することで、愛犬を飼育する上でどんなことに気をつけたらいいのかが見えてくるはずです。
この記事では、長頭犬種と短頭犬種の違いと、それぞれを飼う上で気をつけたいことについてご紹介いたします。これから犬を飼いたいと思っている方も、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
長頭犬種と短頭犬種の違い
字面だけ見ると「頭が長い犬種」「頭が短い犬種」と考えるかもしれません。しかし、実際には、頭蓋骨の長い・短いで区別するのではなく、頭蓋骨とマズル(口の周りから鼻先まで)の長さを比較したときに、どちらが長いかで分けられます。
【長頭犬種】マズルの方が長い
【中頭犬種】マズルと頭蓋骨の長さがほぼ等しい
【短頭犬種】頭蓋骨の方が長い
「長頭」なのに「頭蓋骨が短い」、「短頭」なのに「頭蓋骨が長い」と、少し混乱してしまうかもしれませんが、マズルの長さで区別するとわかりやすいかもしれません。
代表的な長頭犬種
長頭犬種は、鼻先が尖っている犬種が多く、全体的にシュッとした姿をしています。また、空気抵抗を受けづらいため早く走るのが得意です。
- ボルゾイ
- ラフコリー
- シェパード
- ドーベルマン
- ハスキー
- ダックスフンド
- グレイハウンド
長頭犬種が気をつけたいポイント
十分な運動量が必要
運動好きな犬種が多いため、お散歩はしっかりしてあげましょう。
走るのが特に好きな犬も多く、時々ドッグランなどで思いっきり走らせてあげるとストレスがたまりにくくなります。
散歩中に突然走り出してしまっては危険ですから、小さい頃からしつけをすることが重要です。
壁などにぶつかりやすい
マズルが長いため、鼻先を壁などにぶつけてしまうことがあります。
犬がぶつけてしまいそうなところには、あらかじめクッションなどをつけておき、ケガをしないように対策するといいでしょう。
代表的な短頭犬種
短頭犬種は「鼻ぺチャ」の犬種として多くの人から愛されています。
- パグ
- ブルドッグ
- チャウチャウ
- シーズー
- マルチーズ
- ボストンテリア
- ポメラニアン
- ヨークシャテリア
シワのある犬種は闘犬に多く、噛まれたときのダメージが少ないようブリーダーに好まれたためだと考えられています。
短頭犬種が気をつけたいポイント
短頭犬種の多くは、狩りや闘犬、もしくは姿を美しく見せることを目的に、人為的に鼻を短くなるように作られました。しかし、そのような特徴は健康的に過ごしていく上では欠点となる場合もあります。
どんなことに注意したらいいかを理解し、対策を怠らないようにしましょう。
目の病気にかかりやすい
短頭犬種は特徴的な大きな目を持ちます。そのため、草むらなどに顔を突っ込むと目をケガしたり、目の周辺の被毛が角膜を刺激して傷がつきやすいです。
また、ドライアイや涙やけなどの病気にも気をつける必要があります。
皮膚の病気にかかりやすい
シワのある犬種は、シワにほこりなどのゴミが溜まったり、細菌が繁殖したりして、皮膚病になりやすいです。
定期的にお手入れをして、洗ったあとはしっかり乾かしましょう。
呼吸器の病気にかかりやすい
短いマズルの特徴から、鼻腔狭窄、軟口蓋過長症、気管低形成、気管虚脱などの呼吸器系の病気にかかりやすいという特徴もあります。
イビキをかきやすくなった、呼吸するときに少し苦しそうと感じたら、動物病院を受診することをおすすめします。
体温調節が苦手
短頭犬種はマズルが短く、鼻呼吸が苦手です。そのため、体温調節が難しく、熱中症になりやすいとされています。
夏場は冷房のきいた室内で飼い、お散歩も気温が落ち着いている早朝や夕方に行きましょう。
飛行機に乗れないことがある
大抵の場合、ペットは手荷物として貨物室に預けられます。
貨物室では客室と同等の環境が保たれているものの、夏場は外部からの影響を受けやすく熱中症の恐れがあることから、多くの短頭犬種が夏場もしくは通年、飛行機での移動ができないことがあります。
短頭犬種を飼っている方で旅行を考えている場合、まずは利用する予定の航空会社に問い合わせてみてください。
実は中頭犬種が一番多い
中頭犬種は、バランスのいい体型をしており、多くの犬種が中頭犬種に分類されます。
- コーギー
- ビーグル
- 柴犬
- パピヨン
- ボーダーコリー
- プードル
- ラブラドールやゴールデン等のレトリバー
長頭犬種や短頭犬種と比べると、飼いやすいとされています。
だからと言って、病気にならないわけではありませんので、日々のお手入れや健康チェックは欠かさずに行ってくださいね。
まとめ
こうして比較してみると、短頭犬種はその特徴から注意しなければいけないことが多いようにも思います。しかし、今回ご紹介したものはあくまで平均的な傾向です。
長頭犬種でも熱中症対策は必須ですし、短頭犬種でもお散歩などの運動を欠かしてはいけません。どちらの方が優れているというのではなく、それぞれの特徴に沿った対策や住環境を整えてあげることが重要です。
住環境は問題ないか、お手入れはしっかりしているか、定期的に健康診断を受けているかなど、愛犬が健康でいられていためにできることを今一度確認しましょう。