これから犬を飼おうと考えている方は、愛犬との新しい生活を心待ちにしていることでしょう。保護犬の施設やブリーダー・ペットショップなどで気に入った子を見つけたら、自宅に迎え入れるのも目前です。
しかし、お迎えした子犬の元気がなく、体調が悪そうに見え、不安を感じることもあります。このような場合、先天的な病気の可能性も否定できませんが、もしかしたら「ニューオーナーシンドローム」が原因かもしれません。
この記事では、新しくお迎えしたばかりの子犬に起こりやすいニューオーナーシンドロームについて解説していきます。初めて犬を飼うという方はぜひチェックしてみてください。
この記事の目次
ニューオーナーシンドロームとは
子犬をお迎えしたばかりの頃に、子犬の元気がなかったり、エサをしっかり食べなかったりすることがありますが、これは「ニューオーナーシンドローム(新しい飼い主症候群)」という病気のひとつです。免疫力が弱く体力もあまりない子犬が、今までとまったく違う環境に置かれた場合、不安やストレスにより体調を崩してしまうことがあります。
犬の性格にも大きく左右されますが、ニューオーナーシンドロームはお迎えしてから数日から一週間程度の間に起こるとされており、お迎えする前からしっかり準備をしておくことが非常に重要です。
犬を飼ったばかりで飼い主さんも戸惑うことも多いかもしれません。しかし、子犬はそれ以上に不安やストレスでいっぱいです。家に来たばかりの我が子が少しでも安心して過ごせるような環境を用意してあげてください。
ニューオーナーシンドロームの症状
犬によって症状はさまざまですが、家に来たばかりの子犬に以下のような症状が見られたらニューオーナーシンドロームを疑いましょう。
- 下痢
- 嘔吐
- 食欲不振
- 風邪
- 元気消失
この中でも特に注意したいのが嘔吐と下痢です。体から水分が出てしまうと脱水状態になってしまうため、早めに動物病院を受診しましょう。他の症状も、長く続く場合は違う病気が考えられるため、少しでも不安なことがあれば獣医師に相談することをおすすめします。
子犬をお迎えしたら気をつけたいこと
犬の性格によって、新しい環境にすぐ順応できてしまう子もいれば、なかなか慣れずに体調を崩してしまう子もいます。すべての子犬がニューオーナーシンドロームになるわけではありませんが、しっかり対策しておくことで愛犬へのストレスを減らせ、ニューオーナーシンドロームになる可能性を下げることができます。
子犬をお迎えするにあたり、以下のことに注意しましょう。
1. 静かな環境を用意する
人が頻繁に通る場所やテレビの近くは安心して過ごせません。家に来たばかりの子犬が安心できるよう、なるべく静かな場所に居住スペースを設けてあげましょう。
2. 食べ慣れているエサを与える
子犬が家に来る前まで食べていたフードと同じものを与えましょう。環境も変わり、ご飯も変わってしまうと、犬にとっては余計にストレスがかかります。
家に来る前の状態を維持できるところは維持することで、少しでも犬の負担を減らしてあげましょう。また、急にフードを変更すると食欲不振や下痢の原因にもなるため、慎重に行うことが望ましいです。
3. 構いすぎない
我が家に来てくれた子犬は本当に愛らしく、時間を忘れてスキンシップをとりたくなってしまいますが、新しい環境に慣れるまでは過度のスキンシップや声がけは禁物です。
慣れない環境で知らない人に話しかけられたり触られたりするのは犬にとってストレスですので、家に来てから一週間が経過するまでは、構いたいのをグッと堪えて一匹でいる時間を大切にしてあげましょう。
4. 遊ばせすぎない
犬によっては家に来たばかりでも遊びたがる子もいます。しかし、体力を自分でコントロールできない子犬は、長時間遊ぶことで疲れて過ぎてしまい、大きな負担になります。
子犬のうちは、飼い主が犬の体力を考慮しながら控えめに遊ぶようにしましょう。
5. 睡眠中は起こさない
子犬は1日に18時間ほど眠るとされています。睡眠不足になると免疫力も低下して病気の原因にもなるため、起こしたりせずにそっと見守ってあげましょう。
最後に
免疫力が低く体力があまりない子犬は、突然新しい環境に連れてこられることで大きなストレスを感じ、体調を崩してしまうことがあります。
ニューオーナーシンドロームの原因はさまざまですが、子犬をお迎えしてから一週間はなるべく過剰なスキンシップは控え、静かに過ごせる環境を整えてあげましょう。
初めて犬を飼う場合は戸惑うことも多いかもしれませんが、犬はそれ以上に怖い思いをしていたり、ストレスを抱えたりしています。自分の家に来てくれたことに感謝し、愛犬の気持ちに寄り添いながら新しい生活を楽しんでくださいね。