モルモットを飼っている方は、モルモットの食糞を見たことはありますか?「食糞をするのは知っているけど見たことはない」という方もいるかもしれません。
では、もしモルモットの食糞を見かけたら、やめさせたほうがいいのでしょうか?それとも、特に気にする必要はないのでしょうか?
そこで今回は、モルモットが食糞をする理由についてご紹介します。
この記事の目次
食糞とは
食糞とはその名の通り、「うんちを食べること」です。人から見ればなかなか衝撃的なことですが、自然界では特別珍しいことではなく、家庭で飼育している犬でも見られることがあります。
以下の動画では、モルモットが食糞しているシーンを見ることができます。モルモットのうんちが登場しますので、苦手な方は注意してくださいね。
毛繕いをしているようにも見えますが、確かに肛門から直接うんちを食べているところが見えたと思います。このようにモルモットは、床に落ちているうんちを食べるのではなく、肛門から出て来た特別なうんちを食べています。
モルモットが食糞をする理由
草食動物であるモルモットは、必要な栄養素を草から摂るしかありません。しかし、草は栄養価が低く、さらにその栄養も十分に吸収できるわけではありません。そのため、うんちとして体の外に出て来た栄養を、食糞することで効率的に体内に取り込んでいます。
食糞はモルモットが健康的に生きていくために大切な行為ですので、やめさせる必要はありません。無理してやめさせようとすると、栄養が不足したり、ストレスになったりするため注意しましょう。
ちなみに、先ほどご紹介した動画の通り、基本的には肛門から直接口に入れて食べるため、あまり見る機会はないかもしれません。「うちの子は食糞しない」という方もいるかもしれませんが、飼い主の見ていないところで食べていると思われます。
食糞用のうんち
食糞用のうんちは「盲腸便」と呼ばれ、普通のうんちと比べると水分を多く含みやわらかいです。
盲腸便には盲腸内にいる細菌の働きで合成されたビタミンB群やタンパク質が多く含まれており、モルモットの健康維持に重要な意味があります。モルモットはこの盲腸便を1日に150〜200個程度食べているとされています。
普通のうんちを食べている場合は
もし、モルモットが盲腸便ではなく床に落ちているうんちを大量に食べている場合は、エサの量が足りていない可能性があります。頻繁に見かけるようであれば、獣医師に相談して指示に従いましょう。
普通のうんちが柔らかい場合は要注意
盲腸便はもともと水分が多く軟便であるため特に心配する必要はありません。しかし、通常のうんちが軟便であったり下痢をしている場合は注意が必要です。
モルモットは体調が悪くてもそれを隠すため、気づいた時には症状が進行してしまっている可能性もあります。うんちはモルモットの健康のバロメーターともいえますので、普段からよく観察しておき、違和感に気づいたら動物病院に連れて行きましょう。その際はうんちも忘れずに持っていくようにしてくださいね。
ビタミンC欠乏症
モルモットは自分の体内でビタミンCを合成することができず、不足すると食欲不振、軟便や下痢などを引き起こします。
一般的なモルモット用のペレットにはビタミンCが含まれているため、必ずモルモット用のものを与えてあげてください。なお、保存状態が悪かったり、開封してから時間が経っている場合は、ビタミンCが含まれていても劣化してしまうため注意が必要です。
また、ペレット以外にも牧草や野菜・果物をバランスよく与えてあげることで予防できます。
寄生虫感染
コクシジウムやクリプトスポリジウムなどの寄生虫の感染が原因で軟便や下痢になることがあります。
ケージの中は常にきれいにしてあげ、定期的に便の検査をすると安心です。
水分の摂りすぎ
生野菜の与えすぎが原因で軟便になることもあります。特に小さい頃は下痢の原因となることが多いため、様子を見ながら調整してあげてください。
ストレス
モルモットは大変臆病な動物で、環境の変化が起こると大きなストレスを感じ、軟便や下痢を引き起こしてしまうこともあります。
もしストレスの原因となるものがあれば取り除いてあげましょう。引っ越しなど環境が大きく変わる場合は、なるべく気をつけてあげる必要があります。特に、お迎えしたばかりの子は特に体調を崩しやすいため、あまり構いすぎないように注意しましょう。
最後に
モルモットの食糞は健康上とても重要な役割がありました。人間からするとびっくりしてしまう行動ですが、その意味をしっか理解し、やめさせないようにしてあげてくださいね。
食糞するうんちは「盲腸便」と呼ばれ、通常のうんちとは異なり栄養や水分が多く含まれています。しかし、盲腸便でないのにも関わらずやわらかいうんちが続く場合は体調不良を疑いましょう。
モルモットは体調が悪くてもそれを隠す動物です。気づいた時にはすでに症状が進行している場合もありますので、少しでも気になることがあれば獣医師に相談しましょう。