犬のヒート(生理)は人間とは全く違う!ヒート中のケアQ&Aも

2024.07.27
犬のヒート(生理)は人間とは全く違う!ヒート中のケアQ&Aも

性成熟期を迎えたメス犬は、通常年に1~2回「ヒート(生理)」があります。人間の女性の生理と同じように、陰部から出血が見られますが、出血の仕組みや妊娠しやすさなどは人間の生理とは全く異なるため、注意が必要です。

この記事では、犬のヒートについて詳しく解説します。ヒート中の愛犬に適切なケアができるように、しっかり学んでいきましょう。

この記事の目次

犬のヒートとは

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犬のヒートは、避妊手術をしていないメスの犬に定期的に起こる自然な生理現象です。妊娠の準備や妊娠可能なサインとして起こる現象で、「発情出血」とも呼ばれます。

犬の体に現れる変化

ヒート中の犬には、次のような体の変化が見られます。

  • 陰部からの出血
  • 陰部の膨らみ
  • 乳房の張り、膨らみ

行動に現れる変化

行動に現れる変化は個体差が大きいものの、次のようなものがあります。

  • 人や物に体をこすりつける(マウンティング)
  • いつもより元気がない
  • イライラ、ソワソワしている
  • 食欲の増減
  • 多尿、トイレの失敗

犬と人間の生理を比較

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冒頭で触れたとおり、人間の女性の生理と犬のヒートでは大きな違いがあります。ここからは、人間の生理を軽くおさらいし、犬のヒートと比較していきます。

人間の生理

人間の女性は通常8~16歳頃に初潮を迎え、多くが40代後半から50代後半に閉経します。正常な生理周期は25~38日で、その期間中に卵巣から卵子が排出される排卵があります。排卵日前後の数日間が最も妊娠しやすい時期です。

妊娠しなかった場合、通常であれば排卵から14日程度経過した後に子宮内膜が剥がれ落ち、血液とともに体外へ排出されます。個人差はありますが、生理期間は通常3~7日間ほど続き、子宮が収縮する際に分泌される物質によって生理痛が起こります。

犬のヒート

犬の場合も性成熟期の始まりは個体差がありますが、一般的には生後5~16ヶ月頃に訪れます。小型犬は比較的早く、大型犬は遅い傾向があります。

人間と違って閉経することはありませんが、加齢に伴い出血量や出血日数が減少することはあります。

発情周期は5~10ヶ月で、年に1~2回の周期で発情を繰り返し、次の4つの状態に分けられます。

  1. 発情前期(約7~10日間)
  2. 発情期(約7~10日間)
  3. 発情休止期(約2ヵ月)
  4. 無発情期(約4~8ヶ月)

「1.発情前期」には出血や外陰部の膨張が見られ、性ホルモンの影響によってオス犬を引きつけますが、まだ交尾は許容しません。

痛みについては、犬の場合は子宮内膜が充血することによる出血なので、人間の生理痛のような痛みは特に感じないとされています。ただし、ホルモンバランスの乱れから体調を崩す可能性はあります。

「2.発情期」の約3日目になると排卵が起こります。この時期には、オス犬に交尾を許容するようになり、最も妊娠しやすいタイミングとなります。

外陰部の膨張は4~5日目をピークに徐々に収縮し、出血も発情期の中ごろから減少し、血の色も赤色から淡いピンク色など、徐々に薄くなっていきます。

人間の生理と比較すると、人間の場合は妊娠しなかった結果起こる現象であり、犬の場合は妊娠の準備や妊娠可能なサインという違いがあります。

生理を基準に考えた時、人間と犬とでは妊娠しやすい時期に違いがありますので、避妊していないメスの犬を飼っている方は特に注意しましょう。

ちなみにメスの猫には、犬のような出血や外陰部の腫れなどのわかりやすい発情のサインがないため、飼い主が行動を注意深く観察する必要があります。

ヒート中の犬のケアQ&A

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ヒート中の犬はホルモンの影響によって体調不良や情緒不安定になることがあります。適切にケアできるように学んでいきましょう。

出血をなめても大丈夫?

多くの犬が出血を自分でなめてきれいにしようとしますが、なめることは自然な行為で問題はありません。ただし、汚れがつきやすい場合には、陰部の周辺の毛を短くカットしても良いでしょう。

陰部を拭いてあげた方が良い?

自分でなめてきれいにしている場合は特に必要ありませんが、汚れが気になるようであれば犬用のウェットティッシュなどで拭いてあげてください。その際、ゴシゴシと強くこするのではなく、優しく拭き取るようにしましょう。

マナーパンツを履かせた方が良い?

出血が少ない子やマメになめてきれいにしている子の場合は、おむつやマナーパンツが必要ないこともあります。床などが血で汚れて気になる場合は使用してください。その際は履かせっぱなしにせず、マナーパンツを外す時間も作り、清潔を保ってください。

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散歩しても大丈夫?

ヒート中の犬はナーバスになっていたり、オス犬を引きつけたりするため、他の犬と出会う可能性が低い場所や時間帯を選んで散歩に行きましょう。ヒート中は散歩に行きたがらない犬もいますので、無理に連れ出す必要はありません。

おでかけの際の注意点は?

他の犬を興奮させてしまったり、目を離した隙に未去勢のオス犬と交尾してしまう可能性があるため、できる限りおでかけは控えましょう。どうしても外出しなければならない場合は、マナーパンツの着用をおすすめします。

また、発情期に入ると普段は大人しい犬でも脱走しやすくなるため、外出時だけでなく自宅にいる時も注意が必要です。オス犬が寄ってくるなど様々なトラブルの可能性があるため、短時間でも屋外につなぐのは避けましょう

偽妊娠ってなに?

前章でご紹介した犬の発情周期の「3.発情休止期」には、偽妊娠(想像妊娠)が見られることがあります。偽妊娠になると、乳房が膨らんだり、ケージやベッドにぬいぐるみやボールなどを持ち込んで子育てをするような行動をとることがあります。

この時期、母犬のように警戒心が強くなり、子供に見立てている物を取り上げると怒りを表すことがあるので注意が必要です。数週間から約2ヶ月程度で自然に症状は治まるので、そっと見守ってあげてください。

避妊手術を検討する

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犬のヒートに困っていたり、望まない妊娠を避けるのであれば、避妊手術を検討してみてはいかがでしょうか。避妊手術によって予防できる病気もあり、特に子宮蓄膿症や乳腺腫瘍などの命に関わる病気を防ぐ効果が期待できます。また、ヒート期間中のストレスの軽減にもつながります。

ただし、避妊手術には全身麻酔のリスクやデメリットも存在します。かかりつけの獣医師とよく相談した上で、慎重に検討することをおすすめします。

※犬の避妊手術については、こちらの記事をご覧ください。

【獣医師監修】犬の避妊・去勢のメリットとデメリット
https://cheriee.jp/dogs/20437/

まとめ

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今回は犬のヒートについて、体や行動に現れる変化や人間の生理との違い、ヒート中の犬のケアなどについて解説しました。

妊娠を望まない場合、避妊手術するのも選択肢の一つです。愛犬にとって何が一番良いのか、よく調べて考えた上で決定するようにしてください。

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