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ねこ健康

【獣医師監修】猫の便秘を放置するのは良くない!原因を突き止めよう

相澤 啓介 獣医師

皆さんは愛猫の排便回数を気にしていますか?外に出る習慣がある子は、なかなか把握が難しいですよね。猫もヒトと同じように便秘になります。便秘の解消には、下剤の服用や直腸からの便掻き出しを行いますが、いずれも愛猫にとって負担の大きなものです。

では、便秘はどんな原因で起こるのでしょうか。便秘を「まあいいか」と放置せず、問題となっている原因を突き止めて、根本的な処置を行う必要があります。

今回は猫の便秘で考えられる疾患について解説します。

病気による便秘


腸、肛門、骨盤など排便には様々な臓器や器官が関与しており、便秘の場合、これらのどこかに異常が起こっている可能性があります。

意外なところに原因が隠れていることもあるので、どんな病気が関連しているのかを頭に入れておきましょう。

巨大結腸症

【症状】
便秘、トイレに何度も行くなど。便秘が進行すると食欲不振、嘔吐、脱水などが現れる。
【原因】
繊維質の少ない食事の継続、結腸の神経異常、消化管内異物、腫瘍、外傷などが原因となる。また原因不明の特発性巨大結腸症の報告もある。
【備考】
一度発症すると繰り返しやすいとされており、バランスの取れた食事や十分な飲水量の確保によって発症させないことが望ましい。

栄養性二次性上皮小体亢進症

【症状】
元気消失、食欲不振、多飲多尿、嘔吐、便秘、歩様異常、痙攣など。
【原因】
カルシウム不足によって上皮小体からホルモンが分泌され、骨からカルシウムを補おうとする。
【備考】
現在はフードの質の向上によって本疾患の発生は稀となっているが、手作り食の場合には栄養バランスには十分に配慮する。

骨盤骨折

【症状】
歩様異常、起立困難、激しい痛み、排便困難、排尿困難など。
【原因】
交通事故、高い所からの落下事故などの外傷。
【備考】
猫の骨折において骨盤骨折は意外に多い。治療は外科手術となるが、術後も便秘が続く可能性もある。

肛門嚢炎

【症状】
肛門周囲の不快感(肛門付近を舐める、お尻を擦り付けるなどの行動)、肛門周囲からの出血など。
【原因】
肛門腺分泌物が正常に排泄されずに貯留し、そこに細菌感染などが加わることで起こる。
【備考】
通常、肛門腺分泌物は便の排泄時に一緒に排泄され、過度に貯留はしない。何らかの原因で肛門腺の出口が閉塞したり、先天的に出口が狭い子は分泌物が溜まりやすいので、絞り出してあげる必要がある。

腎不全

【症状】
多飲多尿(飲水量と尿量の増加)、尿色が薄い、嘔吐、食欲不振、脱水、貧血、発作など。
【原因】
腎臓の炎症、感染、免疫異常、結石などによる尿管や尿道の閉塞などが原因となる。便秘は脱水や、消化管運動の減少によって起こることがある。
【備考】
多発性嚢胞腎が遺伝的に発生しやすい猫種(ヒマラヤン、ペルシャ、スコティッシュフォールドなど)では、若齢でも腎不全に陥ることがあるので注意が必要。

消化管内異物

【症状】
嘔吐、食欲不振、元気消失など。便秘の症状は異物が腸閉塞を起こしている場合に認められる。
【原因】
おもちゃ、ビニールなどを始めとする異物の誤飲。
【備考】
異物の形状によっては腸穿孔から腹膜炎を起こすこともあり危険。家の中でなくなっているものがないかを確認することで、異物誤飲を疑うキッカケになることもある。

病気ではない便秘


他にも、生活環境によって便秘が起こっていることもあります。猫はすごく繊細な動物です。「おや?」と思ったら一度、環境を見直してみるのもいいかもしれません。

しかし、引き際も肝心ですので、あまり長く様子を見ずに動物病院を受診するのも一つです。

食事性

繊維質が少ないフードを与え続けると便が硬くなり、排便に苦労します。これが続くと先述の巨大結腸症を発症し、慢性的な便秘になることもあります。

便を外へ送り出す力が弱くなるため、定期的に便の掻き出しを行わないといけなくなる可能性もあります。

フードを選ぶ際は繊維質、特に可溶性繊維に着目しましょう。可溶性繊維には便をフワフワにする効果があり、便秘の予防や改善に有効です。

環境の変化

引っ越しや人の出入りの激しい場所では、猫は安心して排泄できなくなることがあります。長期にわたって便を我慢し続けることは、体に良くないですよね。人の目につかない場所にトイレを設置する、猫にとって安心できる部屋や場所を作ってあげるなどの対策が必要です。

また、成長とともにトイレをいつもと違うものに変える、新しい猫を一緒に飼い始めるといったことも環境の変化に含まれます。

小さなことから大きな変化まで、しっかりと愛猫目線で考えてあげましょう。最近排便や排尿が少ないかなと思ったら、何か変化がないか考えてみるのもいいかもしれません。

まとめ


ヒトの便秘は食生活を始めとする生活習慣の乱れや、体質のせいだと捉えられがちです。もちろん猫にも当てはまることはありますが、やはり病気が原因でないかをしっかりと確認する必要があります。

便秘は思っている以上に苦しいものです。ささいなことでも何か気になることがあれば気軽に動物病院までご相談ください。

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