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【2019年改正動物愛護法】特定動物に関する規制強化の概要とは?

2019年6月、動物愛護法の改正が行われました。この中で、特定動物については、愛玩目的での飼養、保管が禁止されるようになりました。

動物たちを守るため、関連する法律がいくつもあり、その法律は年々変化しています。知らなかったでは済まされないこともあるため、私たちも法律などの細かい部分に目を配る必要があります。

今回は、その特定動物に関する規制の強化についてご説明したいと思います。

特定動物とは?

戦う特定動物のくまさん

言葉の定義

まず、動物愛護法の改正の中身を見ていく前に、特定動物の定義を見てみましょう。

特定動物とは、「人の生命、身体又は財産に害を加えるおそれがある動物として政令で定められる動物」のことです。簡単に言い換えるとすれば、その動物の取り扱い次第では、周囲の人間が大怪我をする恐れがある動物の事を指します。

特定動物の例

特定動物は、環境省のホームページに記載があるので、参考にしてください。この一覧に該当する動物は特定動物ということになります。
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/sp-list.html

哺乳類、爬虫類、鳥類と様々な動物が特定動物になっていますが、その中でも代表的なものを挙げます。

  • ゴリルラ属(ゴリラ属)全種
  • くま科全種
  • ぞう科全種
  • ひくいどり科全種
  • かみつきがめ科全種
  • コブラ科全種
  • アリゲーター科全種

動物愛護法の改正内容

法改正

特定動物の定義がわかったところで、今回の法改正の中身について見ていきたいと思います。

犬や猫の法律は、飼い主が多いこともあり、テレビ番組等で報道されるため、世間でもよく知られるところです。しかし、特定動物の法律の改正については、一般にはあまり知られていないのが現実ではないでしょうか。

そこで、今回の法改正で変更となった部分がわかるように、法改正の前後を比較してみました。

今まであった規則

現在までの規制は、以下の通りです。

  1. 各都道府県の動物愛護担当局に事前相談
  2. 飼育する特定動物の種類ごとに飼育許可を申請(有効期限5年。要更新)
  3. 飼育施設の検査
  4. 特定動物にマイクロチップの埋め込み
  5. 申請手数料の支払い(都道府県ごとに異なる)

飼育する特定動物の種類ごとに飼育許可を申請を行わなければならず、申請を行わない場合、それが発見され次第、罰金が課せられます。気になる方は、必ず動物愛護担当局に相談するようにしましょう。

追加された規則

改定後、追加された規制は以下の通りです。

  1. 特定動物の愛玩飼育は禁止
  2. 交雑種(ハーフ)も規制対象

今までは、特定動物に該当する純血種のみが規制対象になっていました。つまり、特定動物以外の動物の血が混ざっていれば、規制の対象からは外れていました。しかし、今回の改正により、交雑種も規制の対象となり、親のどちらか一方が特定動物であった場合は特定動物と同じとみなされるようになります。

既に特定動物を飼育している方はどうなる?

改正動物愛護法が施行された後、既に愛玩目的で特定動物を飼育していた方は、どのような手順を踏めば、そのまま飼育し続けることができるのでしょうか?

これを筆者が在住の北九州の動物愛護管理行政担当に確認したところ、下記の回答でした(2019年8月現在)。

環境省からは新規での愛玩目的での飼養は禁止になった事は連絡が来ているが、今飼育している人の手続きなどはまだ情報がないので分かりません。

現在、特定動物を飼育されている方は、施行後の手続きなどの詳細は定期的に確認をしておいたほうが良いでしょう。とは言え、飼育放棄をするわけにもいきませんので、今までの法改正時の流れを見ると、「現在飼育している一代限りは継続して飼育可能」になる可能性が大きいと言えます。

特定動物を飼うには

法改正

今回の法改正で、動物園、他にこれに類する施設における展示、そのほかの環境省令で定める目的に限って、特定動物の飼養の許可を与えることが明記されたため、新たに愛玩目的での特定動物の飼養はできません。

先の例にも挙げた通り、トラ、タカ、ワニ、マムシなど、哺乳類、鳥類、爬虫類の約650種が対象となっており、飼養するには以下の基準を満たす必要があります。新たに愛玩目的で飼養することはできませんが、参考までにその基準をまとめました。

守るべき基準

1. 飼養施設の構造や規模に関する事項

  • 一定の基準を満たした「おり型施設」などで飼養保管する
  • 逸走を防止できる構造および強度を確保する

2. 飼養施設の管理方法に関する事項

  • 定期的な施設の点検を実施する
  • 第三者の接触を防止する措置をとる
  • 特定動物を飼養している旨の標識を掲示する

3. 動物の管理方法に関する事項

  • 施設外飼養の禁止
  • マイクロチップ等による個体識別措置をとる(鳥類は脚環でも可能)

罰則など

以下の行為を行った場合には、個人の場合は6カ月以下の懲役または100万円以下の罰金、法人の場合は5,000万円以下の罰金に処せられます。

  • 無許可で特定動物を飼養または保管する
  • 不正な手段で許可を受ける
  • 許可なく以下を変更する

その他、施設の構造や管理の方法が不適切など、守るべき基準が守られていない場合は、許可は取り消されます。

法改正と同時にチェック体制の強化を

法改正

いくら良い法律ができたとしても、それがキチンと守られないと何の意味もありません。今回の法改正があったとしても、密輸や裏取引などが行われ、違法と知りながら特定動物を無許可で飼う人が出てくる可能性も否定はできないでしょう。

ここ数年で、動物先進国と言われる欧米に習い、日本における動物の法改正もどんどん進んでいます。法改正と同時に、違法行為の取り締まり、遵守されているかのチェック体制なども含めて、きちんと整えていく必要があるのではないでしょうか。

今回の法改正で、新たに愛玩目的で特定動物を飼えなくなりましたが、これまで特定動物を飼っていた方が飼えなくなったわけではありません。今回の法改正の背景には、「愛玩目的の場合、特定動物の飼育環境が本来の野生動物の能力を発揮できない非常に不適切なものになりがち」であったことが1つとしてあります。できるだけその動物が楽しく過ごせる環境を作るように努め、最後の最後まで大事に飼ってあげて欲しいと思います。

今回の法改正では、下記の改正も行われています。興味がある方は、こちらもご覧ください。
【2019年改正動物愛護法】マイクロチップ装着の義務化の目的と懸念に迫る
【2019年改正動物愛護法】生後56日以前の販売を禁止する「8週齢規制」とは?

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