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コラム

ペットをオークションにかけるペット業界の裏側。信頼できる入手先は

Risa
Risa シェリー編集部

近年、ペットの虐待を防ぐ法律が厳罰化したり、ペットの殺処分をなくす活動が活発化したりと、ペットの権利が重要視されるようになってきました。

ペットを飼ってからのペットの権利については理解が広まって来ていますが、そもそも、ペットショップで販売されているペットはどこから来ているかご存知ですか?

実は、ペットショップで売られているペットの多くが「ペットオークション」から来ています。今回は、ペット業界の現状について考えます。

「オークション」にかけられるペットたち

半数のペットはブリーダーからペットオークションへ
ブリーダーの元で繁殖されたペットは、直接飼い主の手に渡ったり、ペットショップに渡ったりすることもありますが、その大半はペットオークションにかけられています(2008年の流通量をもとに環境省による推計値)。

流通量が多いため、ペットショップの多くもその仕入れ先をペットオークションに依存しているのが現在の日本の実情です。

生後間もなくオークションにかけられるペット

2019年に改正された動物愛護法では、犬猫の販売を生後8週齢以降と定めました(俗に8週齢規制と言います)。

これは、生後8週齢までは親や兄弟の元で過ごさせることにより、犬猫の免疫力を高めるとともに、犬や猫の社会化を促進するためです。

改正法成立により、一般の人への販売は生後8週齢以降となりましたが、もし、それよりも早い段階でペットオークションに出されているのであれば、本末転倒です。

2020年3月現在、8週齢規制はまだ施行されていないため、施行後のペットオークションに出されるペットたちの年齢が気になるところです。私たち飼い主もこれをきちんと知り、監視をする必要があるでしょう。

ペットの「競り落とし」

ペットオークションでは、需要に合わせてペットの価格が決まります。

その仕組みは魚や野菜の「競り」とほとんど同じで、ペットの価格は数十秒から数分で決まるといいます。ペットオークションの様子からは、ペットをまさに「商品」として扱っている実態が伺えます。

ペットの繁殖業者「パピーミル」の実態

パピーミルは子犬工場のことで悪質なペットの繁殖業者(ブリーダー)を指す言葉
ペットオークション自体は違法でも何でもありません。後述する環境省が定める動物取扱業に「競りあっせん業」として定義されています。

ペットオークションにペットを「出品」するのは、ペットを繁殖するブリーダーの人たちです。問題は、ここに一部の悪質なブリーダーが含まれてしまっていることです。

もちろん、愛情を込めて1匹1匹を大切に育て、むやみに繁殖をさせないブリーダーも存在します。しかし、そうではない一部の悪質なブリーダーによって、たくさんの悲しい命がやり取りされています。

子犬工場「パピーミル」

最近よく目にしたり、耳にすることが多いキーワードが「パピーミル」という言葉ではないでしょうか。保護活動や悪徳ブリーダーの話題が知られることにより、世間にも認知されるようになった言葉です。

パピーミルとは、犬を「商品」と見なし、お金儲けをするために、むやみやたらと繁殖をさせて大量に出荷する繁殖業者のことを言います。

母親は「子供を産む道具」

パピー見るでは、母親たちは「子犬、子猫を産む道具」として扱われ、何度も子供を産まされ、そして、生後間もなく子供から引き離されます。

さらに悪徳な業者だと、子供を産めなくなった母親を処分してしまうところもあるようです。

劣悪な環境で育てられるペットたち

お金儲けのための大量生産を意識した悪徳なパピーミルには、きちんと清掃をしなかったり、ペットたちに十分なスペースを与えなかったりと、ペットたちを劣悪な環境で育てているところがあります。

なぜ、そんなことができるのか理解に苦しむでしょう。しかし、彼らにとっては犬や猫は「商品」であり、私たちが知る可愛らしい生き物ではなく、単なる「モノ」なのです。

繁殖には知識が必要

犬や猫の繁殖(ブリーディング)は、遺伝学の延長であり、非常に専門的な分野です。競馬をやる方はよくご存知なのではないでしょうか。

遺伝の影響を無視して、むやみな繁殖を行うことは、犬や猫が遺伝的に持っている病気や疾患のリスクを高めることにもなります。犬種や猫種によって特定の病気や疾患リスクが異なることは既に一般の飼い主の方にも知られているところですが、それは遺伝によるところが大きいのです。

スウェーデンでは、趣味レベルの小規模なブリーダーは例外ですが、繁殖を行うには資格が必要です。これは、繁殖がいかに専門的で難しいものであるかを物語っています。

どこからペットを買ったらいいのか?

私たちはどこからペットを買ったらいいのだろうか
ここまで、日本のペット業界におけるペットの流通の現実をお伝えしました。

では、これからペットを飼おうと思っている人は、どこからペットを購入したら良いのでしょうか。

ペットショップか、ブリーダーか

既にお伝えした通り、ペットショップの多くがペットオークションからペットを入手していますが、全てのペットショップがそうだというわけではありません。ペットショップの中には、信頼できるブリーダーから直接入手しているところもあります。

また、飼い主への直接販売を行なっているブリーダーもいます。ただ、悪質な業者が単に売れ残った犬や猫をネットを通して販売をしているケースもあり、ほとんど見分けはつかないでしょう。

ペットショップだからどこも悪い、ブリーダーだからどこも安心、ということはなく、どちらで買うにせよ信頼できるところを選ぶことが重要です。

信頼できるペットショップの選び方

信頼できるペットショップの選び方
信頼できるペットショップかどうかは、以下のようなポイントに注意して見極めましょう。

動物取扱業登録証はあるか確認しよう

動物を販売するペットショップは、「第一種動物取扱業」のひとつで、自治体等の登録を受けなければなりません。

行政に認可されているペットショップには、第一種動物取扱業の登録証が、登録番号とともに発行されています。ペットショップを訪れた際、登録番号を含む「動物取扱業登録証」が存在するかどうか確認しましょう。

これは最低限チェックする項目であり、これの掲示がなく販売されている場合は、違法業者ということになります。

ペットの入手先を確認しよう

ペットショップであれば店員さんに、ペットをどこから入手したのかを聞いてみるのも良いでしょう。

もし、よくわからない回答だったり、答えられなかったりしたら注意が必要です。単に、ブリーダーから入手したと言われたら、どこのブリーダーなのかを確認し、一度家に帰って信頼できるブリーダーかどうかを確かめましょう。

最近では、ペットショップにあるケージに出生地(ブリーダー名や所在地、生年月日)の表示があるところもあります。

飼育環境を確認しよう

ケージの掃除は行き届いているか、1匹あたりのケージが狭すぎないかなど、飼育環境を確かめることでペットをどれだけ大切にしているかが伺えます。

悪徳なペットショップだと、体が大きくなって売れ残るのを防ぐため、あえてペットの成長を遅らせるために食事制限をしているところもあるようです。ペットがやせ細っていないか、年齢に対して体が極端に小さくないかなどを確認しましょう。

逆にそういった子を救う気持ちで敢えて購入するという選択肢も考えられますが、それはそれでそのペットショップに利益をもたらすことになるため、私たちは頭を悩ませてしまいます。中長期的には、そのようなペットショップからは絶対に買わないという選択を取るのがベストだと思います。

ペットショップにやってきた時期を確認しよう

前述した通り、法改正により、既にペットショップでのお客への販売を生後8週齢以降としているところはたくさんあります。

8週齢規制が施行後、ペットショップに来る時期が8週齢より早い場合は、この法律自体があまり意味のないものになってしまうため、よく確認すべきです。

なぜなら8週齢規制の本来の目的は、生後8週齢までは母親や兄弟の元で過ごさせることだからです。客への販売時期が変わっても、ペットショップに来る時期が変わらなければ、単にペットショップで過ごす時間が長くなるだけなのです。

信頼できるブリーダーの選び方

信頼できるブリーダーの選び方

実際に行って確かめよう

ネット販売を行なっているブリーダーもいますが、先ほども申した通り、ネット上ではどのブリーダーが良いブリーダーで、どのブリーダーがそうではないのかは判断がとても難しいでしょう。ここは少し大変でも、実際に飼育の様子を見学に行ってから購入することをおすすめします

実際に、ブリーダーの元を訪れれば、母犬や子犬、母猫や子猫の生活環境がよくわかります。それだけでも、悪質な業者かそうでないかはわかるでしょう。

また、犬種や猫種にもよりますが、以下のような質問を投げかけても良いでしょう。

  • 母親はどのくらいの頻度で繁殖を行なっているのか
  • 父親と母親の性格はどうだったのか
  • 遺伝的な配慮はしたか、どんなことに気をつけたのか
  • どんな考えやポリシーを持って繁殖しているのか

ここまで色々と掘り下げて質問すると、少し煙たがられるかもしれませんが、愛情と情熱を持ったブリーダーであれば、きちんと話をしてくれるでしょう。

保護犬や保護猫という選択肢

保護犬や保護猫を迎えるという選択肢も考えてみては

詳細は別の記事に譲りますが、ペットを「買う」のではなく、ペットを譲り受けるという選択肢もあります。

東京都内の話ですが、一部のエリアや一部のコミュニティでは、徐々に保護犬を飼っているということが、「格好良いこと」とされるようになってきました。

保護犬や保護猫だからこそ難しい面もありますが、保護犬や保護猫を迎えるという選択肢も視野に入れてみてはいかがでしょうか?

まとめ

ペットショップ とブリーダーの現状
ペットショップで販売されているペットの中には、どのようなブリーダーに繁殖されたのかよくわからないペットオークションで仕入れられたペットがたくさんいます。

胸が痛むのは、例えそのような悪質なブリーダーに繁殖されたペットであっても、そのペットには何の罪もないこと。しかし、そのペットを救うために購入してしまうと、悪質なブリーダーに利益をもたらすことになるという矛盾も出てきます。

法改正などで、少しずつペットの権利に関心が高まっていますが、私たちはこのような矛盾にも目を向けるべきです。

そして、買い手である私たちがペット販売の知識を持ち、絶対に悪質なブリーダーからは買わないようにすることが、日本の悲惨なペット業界を変えるひとつのステップになるでしょう。

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