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コラム

中国のペット事情大公開! 一番人気なペットは?

Shu シェリー編集部

日本の隣国であり、古代から深い関係にある中国ですが、皆さんは中国のペット事情をご存知でしょうか。

実は、中国でも古くから犬や猫が飼われており、現代でも生活の一部となっています。しかし、隣国とはいえ、そのペット事情は日本とはやや異なり、中国独自のものも見られます。

今回は、そんな中国におけるペット事情についてご紹介していきます。

中国におけるペットの飼育総数


中国において、犬や猫などのペットを飼育している人口は全体の約5%と言われています。14億人を抱える中国にとって、わずか5%とはいえ、その数は7000万人にも及びます。

さらに、一人当たり一頭以上飼育していると考えると、飼育総数は1億匹を超えるとも言われています。

中国の劇的な経済成長により、多くの人の生活にゆとりができ、ペットを家族の一員として迎え入れる人も増えてきました。そのため、中国国内におけるペット総数は今後もますます増えていくでしょう。

どんな人が飼う?


かつての中国では、ペットを飼うことは非常に贅沢なことであるとされ、毛沢東の時代は、ペットを飼うこと自体が禁止されていました。

時代の変化や経済成長に伴いペットを飼う人が増加している中国では、どのような人々がペットを飼い始めているのでしょうか。

若者の間で増加

特に若者の間で顕著に増加してきており、飼い主の約8割が20代から30代の若年層だと言われています。

この背景にも、経済成長が大きく関わっており、各々の生活に余裕が出てきたこと、職場でのストレスや出稼ぎによる孤独感を緩和することを目的に、ペットを飼い始める若年層の人々が増加してきているとされています。

高齢者の間でも

若者の飼い主が増加する前は、ペットは主に高齢者が飼っていました。一人っ子政策により、子どもが独り立ちした夫婦が寂しさを埋めるためにペットを飼い始めるという家庭が多かったためです。

現在でも、多くの高齢者がペットを家族の一員として迎え入れています。

中国では小型犬が人気

中国では、古くからペットを屋内で飼う文化が根付いています。そのため、家の中で飼いやすい小型犬、特に、チワワやポメラニアン、トイ・プードルが非常に人気です。

高層マンションが立ち並ぶ都心部では、決して大きい部屋ばかりではなく、遊ばせてあげる庭などもありません。また、家から一歩外に出れば、人や車が非常に多い街中であり、散歩にも適しているとは言い難い場所ばかりです。

そのため、広い部屋や十分な運動量が必要な大型犬よりも、小型犬が好まれる傾向にあります。このあたりの事情は日本の都心部と同様のようです。

ブームが招く生態系の破壊


かつてはペットを飼うこと自体が富裕層にのみ許されていた贅沢であり、ペットは家族ではなく、どちらかというと自分が所有しているモノという考えが一般的でした。

日本においても特定の犬種が人気になるペットブームが幾度もありましたが、中国でもそれは同様です。

流行の最先端を取り入れたい富裕層は、ペットの爆買いを行い、ブームが過ぎた犬種を飼育放棄して新しい犬を飼うということを繰り返していました。

チベタン・マスティフの事例

具体的な例として、チベタン・マスティフが記憶に新しいかもしれません。

チンギス・ハーンが戦争で使ったとしてよく知られている犬種で、2010年頃に中国で絶大なブームを迎えました。一頭8億円もの値段で売買されたこともあるようです。

しかし、ブームが過ぎ去ると、富裕層は次々にチベタン・マスティフを手放してしまい、新たな人気犬種へと目を向けてしまいました。

その結果、野生化したチベタン・マスティフが群れを作り、人間や絶滅危惧動物を襲い、生態系を破壊してしまうなど、現在でも深刻な社会問題になっています。

犬食文化から見る人と犬の関係の変化


また、中国では昔から犬の肉を食べる文化があり、年間約1000万〜2000万匹の犬が食されていると考えられています。

しかし、時代の変化とともに犬は「モノ」から「パートナーや家族」へと変化していき、今では中国国内でも犬食に反対する声が高まっています。

そのようなこともあり、2020年に中国農業農村省が公表した「食べていい動物リスト」では、初めて犬が外されました。

人間と犬との関係が変化したこと、海外からのバッシングも多いことから、国をあげて犬食を禁止する動きが見られています。

まとめ


今回は、隣国である中国におけるペット事情について、簡単にご紹介しました。

ブームを意識しすぎたためにおこるペットの爆買いや飼育放棄は、現在ではだいぶ減少してきています。動物愛護団体も発足し、ペットはモノではなく家族であるという考えが主流になってきた結果だといえるでしょう。

飼い主の多くを若者が占めるようになってきていたり、犬を屋内で飼う文化が元々あったことから小型犬が人気であったりする点は、日本とは少し違うペット事情と言ってもいいのかもしれません。

1億匹ものペットが飼われている中国は、ペット市場においても注目を集めています。犬食の禁止に向けた動き等、動物愛護団体のもと、変わりつつある中国のペット事情がどのようにより改善されていくか、注視していきたいですね。

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