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コラム

働く犬たちを一挙にご紹介!人々を助けるワーキングドッグとは

千葉 綾 シェリー編集部

私たちが目にする犬のほとんどは、一般家庭で飼われている「家庭犬」です。しかし、身近ではないかもしれませんが、世の中には特定の仕事を持った、ワーキングドッグたちが存在しています。

機械化が進んだ現代でも、人々を助けるために働く犬たちはたくさんいます。この記事では、そんな「ワーキングドッグ」たちを紹介します。

※ワーキングドッグの仕事内容や呼称は、団体によって異なる場合があります。この記事では一般的な仕事内容や呼称を紹介します。

体が不自由な人を助ける犬たち


体に障害のある人をサポートする「ほじょ犬」たちをご紹介します。

盲導犬

盲導犬は、目の見えない人や見えにくい人が行きたい場所へ行けるように、障害物を避けたり、段差や角を教えたりして、安全な歩行をサポートします。体に白または黄色のハーネスという胴輪をつけています。

介助犬

介助犬は、体に障害がある人が生活しやすくするために、落とした物を拾ったり、ドアの開閉をしたりするなど、日常生活をサポートします。外出時には介助犬と書かれた胴着をつけています。

聴導犬

聴導犬は、耳が聞こえない人や聞こえにくい人に、ブザー音や火災報知器や非常ベルの警報音など、生活上必要な音を知らせて暮らしをサポートします。外出時には、聴導犬と書かれた胴着をつけています。

病院や施設で患者を癒す犬たち


高齢者や病気治療中の患者の精神的・肉体的なケアを担う犬たちをご紹介します。

セラピードッグ

セラピードッグは、高齢者や障がいを持つ方、病気治療中の患者の身体と精神の機能回復をサポートする役割を果たします。セラピードッグたちが患者に寄り添うことで、記憶力の回復や動かなかった手や足の動きを促進するなど、さまざまな効果があります。

ファシリティドック

ファシリティドッグは、病院などの医療施設に常勤し、病気の治療中の子どもたちに寄り添い、精神的なケアや治療のサポートをします。セラピードッグが様々な施設を訪れるのに対して、ファシリティドッグは特定の施設に常駐しています。

治安や安全を守る犬たち


事件の捜査や犯罪の抑止、戦場での活動などを担う犬たちをご紹介します。

警察犬

警察犬は、鋭い嗅覚を活かして、人間の足跡の臭いを追跡し犯人や遺留品の発見などをしたり、現場の遺留品の臭気から容疑者と遺留品の臭いの違いを識別したりと、犯罪捜査において重要な役割を果たします。また、行方不明者の捜索でも活躍し、人々の安全を守るために貢献しています。

警備犬

警察における警備犬は、爆発物の捜索、犯人の制圧、災害救助などの任務を担当します。一般社団法人日本警備犬協会では、爆発物探知や麻薬探知、警戒作業などの活動をします。どちらも人々の安全な生活を支えるために重要な役割を果たしています。

軍用犬

軍用犬は、兵士と共に戦場に派遣され、様々な役割を担います。かつては伝令や物資の輸送など幅広い任務に従事していましたが、現代では爆発物や地雷の探知、敵の追跡、味方の負傷者の捜索が主な任務となることが一般的です。

臭いを嗅ぎ分けて人々を守る犬たち


優れた嗅覚を使い、様々な臭いを嗅ぎ分け人間に知らせてくれる「探知犬」たちをご紹介します。

麻薬探知犬

麻薬探知犬は、全国の空港や港などの税関、国際郵便局などで麻薬の臭いを嗅ぎ分け、密輸入を防止する任務に従事しています。麻薬探知犬には、アグレッシブ・ドッグとパッシブ・ドッグの2つのタイプがあります。アグレッシブ・ドッグは、麻薬の入った貨物を引っかいて知らせる役割を担い、パッシブ・ドッグは入国検査場で旅客の携帯品や身の回りに隠された麻薬を察知し、その場に座って知らせます。

地雷探知犬・爆発物探知犬

地雷探知犬と爆発物探知犬は、両方とも火薬の臭いを嗅ぎ分け、爆発物を発見する役割を果たします。地雷探知犬は主に野外での活動に特化しており、爆発物探知犬は空港、建物、荷物、車両などの限定された場所で爆発の危険性のある物を探します。

動植物検疫探知犬

動植物検疫探知犬は、手荷物や国際郵便物などの中から動植物検疫の対象となる肉製品や果物などを嗅ぎ分け、見つけ出す活動をしています。彼らは伝染病や病害虫が日本へ侵入することを防ぐという重要な役割を担っています。

がん探知犬

がん探知犬とは、がん特有の臭い物質を嗅ぎ分ることで、がんの早期発見に貢献しています。犬の嗅覚は非常に優れているため、がん細胞の代謝により発生する有機物質の臭いを嗅ぎ分けているのではないかと考えられています。

災害現場で活躍する犬たち


災害現場で人々を助ける役割を担う、「災害救助犬」たちをご紹介します。

地震救助犬

地震救助犬は、優れた嗅覚を活かして、地震などによる家屋崩壊現場で行方不明になった人を見つけ出す活動をしています。警察犬が犯人や行方不明者などの特定の人物の発見を目的とするのに対し、地震救助犬は被災者の救助を目的としており、不特定の被災者を探し出すという違いがあります。

水難救助犬

水難救助犬は、海や川で溺れている人を救助活動をします。地震救助犬は小型犬でも活躍できますが、水難救助犬は溺れている人の元までロープや浮き輪を運び、浅瀬まで泳いで連れ戻さなければなりません。そのため、比較的大型の犬がこの役割を果たしています。

山岳救助犬

山岳救助犬は、山での遭難や行方不明者の捜索活動をします。災害救助犬の発祥の元となっているのは、アルプス山脈で遭難者の捜索にあたる山岳救助隊に同行していた山岳救助犬だと言われています。

農場で働く犬たち


農場で畜産業や農業の手伝いをしている犬たちをご紹介します。

牧羊犬

牧羊犬とは、牧場の羊を誘導し、監視する役割を持つ犬を指します。牧羊犬には、ハーディングドッグとガーディングドッグの2つのタイプがあります。ハーディングドッグは、羊などがはぐれないように誘導し、群れに戻す役割を果たします。一方、ガーディングドッグは、羊などを見張り、家畜を害獣から守る役割を担います。

牧畜犬

牧羊犬の対象が羊であるのに対し、牧畜犬は馬や牛、その他の家畜を誘導し、監視する役割を担っています。かつて自動車のない時代には、牧畜犬が家畜の群れを誘導し、村から市場へ送る役割を果たしていました。

害獣駆除犬

害獣駆除犬は、主に農作物や家畜への被害を防ぐために、野生動物を駆除する役割を担う犬のことです。一部のテリア種は、野ネズミ、モグラ、イタチなどの小動物の駆除に特化した犬種として知られています。また、日本でも「モンキードッグ」や「ベアドッグ」と呼ばれる犬が、動物たちを追い払うために活躍しています。

最後に


ワーキングドッグたちに対して、「人間に仕事をさせられてかわいそう」といった意見を持つ人もいます。しかし、多くの犬たちはトレーニングの過程でゲームのように楽しみながら仕事をするように訓練されます。また、現代ではほとんどの場合、犬の体力やストレスにも十分に配慮されるようになっています。

もしもどこかで、ワーキングドッグを見かける機会があれば、温かい目で見守ってあげてください。

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