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いぬ健康

【獣医師監修】ミニチュア・ピンシャーの好発疾患と飼い方のポイント

相澤 啓介
相澤 啓介 獣医師

ミニチュア・ピンシャーは毛が短く、線の細い小型犬種です。
小顔で、守ってあげたくなるような表情も魅力の一つですよね。

そんなミニチュア・ピンシャーですが、いくつか好発する疾患があります。
今回の記事では、獣医師の視点から、動物病院でも目にすることの多いミニチュア・ピンシャーの疾患について解説していきます。

ミニチュア・ピンシャーの基本情報

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歴史

ミニチュア・ピンシャーは、ドーベルマンを小型化したような見た目をしていますが、その歴史はドーベルマンより長く、17~18世紀頃と推定されています。

中型のヘル・ピンシェルが祖先で、ジャーマン・ピンシャーや、ダックスフンド、イタリアングレーハウンドなどとの交配を経て、現在のミニチュア・ピンシャーの形になったと言われています。

身体的特徴

オス・メスともに、体高は26~32cm体重は4~6kgが理想とされています。
手足が細いながらも筋肉質な体をしています。
被毛は短毛で、色は赤系の単色か、ブラック&タンもしくはチョコレート&タンです。

性格

明るく活発な性格ですが、繊細で警戒心が強い面もあり、初めての人や犬には攻撃的になることがあります。
また、体が小さいながらもとても勇敢で、大きな犬にも臆することなく向かっていく子が多く、番犬としても最適です。

ミニチュア・ピンシャーの好発疾患

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ミニチュア・ピンシャーのかかりやすい病気は、皮膚と骨関節の疾患が多い傾向にあります。
聞いたことのある病気もあるかと思いますが、順番に紹介します。

アトピー性皮膚炎

【症状】
痒み、紅斑、丘疹、色素沈着(皮膚が黒っぽくなる)、苔癬化(たいせんか:皮膚が厚くなる)など。病変は四肢端、腋窩部(脇の下)、肘屈曲部、膝内側部、大腿部内側部、頸部に現れる。外耳炎を併発していることも多い。
【原因】
発症機序は完全には解明されていない。ハウスダスト、花粉、カビなどのアレルゲンに対する過剰な免疫反応が、痒みを伴う皮膚炎症状を引き起こすと考えられている。
【備考】
犬のアトピー性皮膚炎は人間と異なり、加齢とともに症状が悪化していく傾向にある。早期に診断と治療を行うことが重要。

アレルギー性皮膚炎

【症状】
痒みを伴う炎症性皮膚病変形成。
【原因】
食事、ノミによる刺咬などによる過剰な免疫反応による。
【備考】
食事アレルギーは眼および口の周囲、外耳道、四肢端、背部に、ノミアレルギーは尾根部、尾部、大腿部、鼠径部に見られることが多い。

カラーダイリューション脱毛

【症状】
薄い毛色部分に起こる脱毛や乏毛。皮疹やフケを伴うこともある。
【原因】
メラニンが不均等に毛に分布されることによると考えられている。
【備考】
生後数年以内に被毛の異常を認める先天性遅発性脱毛症の一つである。

膝蓋骨脱臼

【症状】
患肢の挙上(足を地面に着かない)、跛行(足を引きずる)、膝の周りを舐めるなど。
【原因】
外傷、先天的な解剖学的異常(膝蓋骨の嵌まっている大腿骨の溝が浅い、膝蓋骨に付着している筋肉の左右不均衡など)
【備考】
膝蓋骨が外れたり嵌まったりを繰り返すことで関節炎が進行し、前十字靭帯断裂や歩行不能に陥ることもある。膝蓋骨脱臼と診断されたら膝関節への配慮が必要。伸びをするように片足を伸ばす動作は、自分で膝蓋骨を嵌め直している可能性あり。

大腿骨頭壊死症

【症状】
進行する跛行(足を引きずる)、痛みなど
【原因】
骨端への血液供給が不十分となり、大腿骨の成長板などに梗塞を来たすことによる。高い遺伝率を有するので、親の既往歴は要チェック。
【備考】
数ヵ月~1歳齢までに、進行性の跛行を呈する。内科的治療で痛みをコントロールできない場合は外科による大腿骨頭切除を行うこともある。

ミニチュア・ピンシャーに適した飼育環境

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ミニチュア・ピンシャーとの暮らしの中で、これら好発疾患の早期発見や予防のために、どのようなことに注意して暮らせばよいのでしょうか?
愛犬との快適な生活のために注目するポイントを解説します。

1. 寒さ対策は必須

ミニチュア・ピンシャーは毛が短いので、寒さには弱い犬種です。
室内では暖房を活用し、毛布をおくなどして暖かくしてあげましょう。また、その際に乾燥によって皮膚が悪くなることもあるので、同時に加湿も行います
さらに、散歩などで外に出る際には、服を着せてあげるといいでしょう。

2. 運動量の確保

筋肉質な犬種であるミニチュア・ピンシャーは、散歩やその他の運動によって筋肉量を保つ必要があります。
散歩の時間は意識的に長めにとってあげる、一緒に走るなどの工夫が必要でしょう。

ただし、急激なダッシュは禁物です。前十字靭帯断裂や脱臼に繋がります。
運動によってストレスを解消する目的もあるので、一緒に暮らす際には運動のことを重点的に考える必要があります。

3. 皮膚の状態は常にチェック

ミニチュア・ピンシャーは皮膚疾患が多い犬種です。毛が短い分、皮膚の状態は比較的観察しやすいかと思います。また、痒みを伴う疾患も多いため、痒み行動がないかも要チェックです。

夏は涼しく除湿し、冬は暖かく加湿をしてあげて、皮膚への刺激をできるだけ少なくしてあげましょう。
さらに、ハウスダストや花粉などもアレルギーの原因になるため、部屋はこまめに掃除・換気しましょう。

4. 滑りにくい床に

皮膚疾患と同じように、ミニチュア・ピンシャーでは骨関節疾患が多く見られます。
特に、屋内で飼育する際には、床が滑りやすいと各関節に余計な負荷を与えることになります。
床は滑りにくいように、カーペットやマットを敷くなどの工夫をしてあげましょう。

まとめ

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ミニチュア・ピンシャーの好発疾患には、痒いものや痛いものが多いため、早くに異常に気付き、不快感を取り除いてあげることが大切です。
愛犬を毎日観察し、適切な飼育環境を整えることで、病気の予防や早期発見に繋げましょう。

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