ハムスターのしっぽといえば、とても短くて丸っこいイメージがあるでしょう。
ハムスターの仲間であるネズミは長いしっぽを持っているのに、ハムスターのしっぽはなぜ短いのでしょうか?
今回の記事では、ハムスターのしっぽが短い理由や、短いしっぽの役割についてご紹介します。しっぽを立てているときのハムスターの気持ちや、しっぽが濡れているときの病気の危険性などについても解説しているので、ぜひ最後までご一読ください。
この記事の目次
ハムスターのしっぽはなぜ短い?
ネズミのしっぽが長い理由
なぜハムスターの仲間であるネズミは長いしっぽを持っているのでしょうか?
それは、危険を察知したときなどに、高いところに登って行動することが多いからです。
長いしっぽでバランスをとりながら歩いたり、しっぽを木の枝などに巻きつけて落下を防いだりします。
この特徴はネズミ以外にも、木の上で行動することのあるリスなどの多くの動物に共通します。
ハムスターは高いところに登らない
ハムスターの生活圏は地表や地下にあり、高いところには登りません。外敵に襲われそうになったときには、木の上ではなく地下の巣穴に隠れます。
高いところでバランスをとりながら走り回ることはしないため、長いしっぽは必要なく、次第に退化していったと考えられています。
しっぽの長いハムスターもいる
ハムスターの中でも、チャイニーズ・ハムスターは木に登る習性があるため、他のハムスターに比べて長いしっぽを持っています。
上手に身体のバランスをとりながら、飼い主さんの腕によじ登ってくることも多いようです。
ハムスターのしっぽの役割
ハムスターには長いしっぽが必要ないから退化したわけですが、完全になくなったわけではありません。
短いしっぽにも、ちゃんと役割があるのです。
身体のバランスを保つ
ハムスターの短いしっぽにも、立ち上がるときや、走るとき、少しの段差を上り下りするときなどに、身体のバランスを保つ役割があります。
ハムスターをよく観察していると、お尻を振りながら歩いている様子が見られるでしょう。この際、お尻だけでなく、しっぽも微妙に動かして姿勢を保っています。
発情期のサイン(メスのみ)
メスのハムスターのみ、発情すると交尾受け入れのサインとして、しっぽをピンと立て、お尻を少し持ち上げる行動を取ります。
「ピンと立てる」と言っても、大型ハムスターのしっぽでも1cmほどしかないため、人間には少し分かりにくいかもしれません。
警戒するとしっぽが立つ!
先述した通り、メスのハムスターは発情のサインとしてしっぽをピンと立てることがあります。ただし、しっぽを立てているからと言って、必ずしも発情しているとは限りません。
周囲の音に集中している
オス・メスどちらとも、周囲を警戒した際にもしっぽをピンと立てる傾向にあります。このとき、後ろ足だけで立ち上がったり、しっぽだけでなく耳もピンと立ててフリーズしたりもします。
こうした行動は、周囲の音を集中して聞くためのもので、住環境が変わったときや、知らない人がきたとき、普段聞かない音がしたときなどによく見られます。
慢性的な場合は飼育環境の見直しを
しっぽを立てるなどの警戒行動が一時的である場合は、そっとしておけば元に戻るためあまり問題ありません。
しかし、常に警戒しているのなら、飼育環境は不適切であると考えられます。今一度、飼育環境を見直しましょう。
- ハムスターのケージの近くに、テレビやラジオなど音のでる機械を置かない。
- ハムスターのケージのそばで、大声で会話をしない。
- ケージのそばでなくても、急に大声を出したり、怒鳴ったりしない。
- ハムスター以外のペットを飼っている場合は、ハムスターの視界に入らないよう部屋を分ける。
- 木箱の巣穴など、ハムスターが隠れられる環境を整える。
しっぽが濡れていたら病気のサイン!
「ウェットテイル」は危険
水様性の下痢が続くと、下痢便や腸からの分泌物によって、肛門のあたりやしっぽが常に濡れた状態になります。この状態を、「ウェットテイル」といいます。
ハムスターではよくみられる病気のサインで、重篤化しやすく、命に関わることもあります。
しっぽが濡れていたら、すぐに動物病院へ
人間にとって下痢はそこまで大した症状でないように思えますが、ハムスターにとっては非常に深刻です。
下痢が続けば命を落とすことも珍しくないため、日頃から排便やしっぽの状態を観察し、下痢やウェットテイルを発見したらすぐに動物病院に連れて行きましょう。
まとめ
今回は、ハムスターのしっぽについて、短い理由や役割のほか、ピンと立っているときの気持ちや、ウェットテイルが病気のサインになることなどをご紹介しました。
あまり使わないために退化したしっぽですが、じっくりと観察をすることでいろいろな情報を得られます。
しっぽは触られて嬉しい部位ではないため、なるべく掴んだりいじったりせず、くれぐれも程よい距離で観察してあげてくださいね。