犬の飼い主のみなさんは普段、犬のお手入れをおうちで行っていますか?
定期的にカットが必要な犬種の場合、トリミングサロンでやってもらっている方も多くいらっしゃると思います。でも、トリミングサロンになかなか行けないときは、おうちで最低限のお手入れはしてあげたいもの。お手入れをしないと、見栄えだけでなく犬の病気やケガに発展する恐れもあります。
今回は、犬のお手入れの中でも比較的行いやすい爪切り、足裏の毛のカット、目の上の毛のカットに必要な道具やポイントをご紹介します。
この記事の目次
爪切りの道具・ポイント
爪切りが必要な理由
犬の爪が伸びたまま放置しておくと、爪が巻いてきてしまい、爪が折れたり歩きづらくなったりしてしまいます。最悪の場合、その爪が肉球にささってしまうということもあります。そうなる前にこまめに爪切りを行いましょう。
よく散歩をする犬は、地面との摩擦で爪が自然と削れやすいのですが、それでも月に1回程度は爪のお手入れが必要でしょう。特に、「狼爪」という親指にあたる部分の爪は地面に接しないので、お手入れをしないとすぐに伸びてきてしまいます。
用意するもの
- 爪切り(ギロチンタイプがおすすめ)
- 止血剤や清潔なコットン
爪をカッター部分の丸い穴に入れて、両方から一気に切れるギロチンタイプは、爪を狙ったところでしっかり固定して切ることができるのでおすすめです。
万が一、深爪をしてしまった時に備え、止血剤や清潔なコットンを用意しておくとよいでしょう。止血剤はペットショップやトリミングショップで売っている場合が多いです。
爪切りのポイント
- 爪を切るとき、足を持ち上げすぎたり、横に引っ張ったりすると犬が足を痛めてしまうので、自然な方向に軽く持ち上げるようにする。
- 被毛が爪にかかっているときは、被毛をカットするか、被毛を掻き分け、切ろうとしている爪がしっかり見える状態にする。
- 犬の爪には血管が通っており、爪を切りすぎてしまうと、血管まで切ってしまうことがあるので注意が必要。爪が白い犬は、血管がうっすら見えますが、爪が黒い犬は血管が見えないので、血管を切らないように少しずつ切っていく。
なお、犬の爪の血管は、爪切りを放置することで爪と一緒に自然に伸びてきます。血管が伸びてきてしまうと、爪を短く切れなくなってしまいます。その点からも、定期的な爪切りというのは大事なのです。
足裏の毛のカットの道具・ポイント
足裏の毛のカットが必要な理由
足裏の毛が伸びていると、歩いたときに滑りやすくなってしまいます。足が滑ると犬の腰に負担がかかりヘルニアの原因になってしまいます。コルクボードや滑りにくいようにカーペットを敷くなどして対策されているのがベストですが、そうではないフローリングのおうちの場合は、頻繁なカットが必要です。
また、足裏は犬が発汗する唯一の部位なので、夏場は欠かさずにカットしましょう。
用意するもの
- 犬用のバリカン、もしくは先が丸くなっているハサミ
- コーム
バリカンがよいかハサミがよいかは好みによりますが、初心者であればバリカンの方が比較的簡単だと言われています。ただし、使い方を間違えると肉球をケガさせてしまうこともあるので十分に注意しましょう。
ハサミでカットするのであれば、家庭用のハサミではなく、先が丸くなっているペット用のものを使いましょう。
足裏の毛のカットのポイント
- カットを始める前に、コームで毛並みを整え、ゴミなどは取り除いてから行う。
- 爪切り同様、足を持ち上げすぎたり横に引っ張ったりすると犬が足を痛めてしまうので、自然な方向に、軽く持ち上げる程度にする。
- バリカンは肉球に沿わせるようにして、決して肉球に歯を強く押し当てないようにする。
- 指(肉球)の間の毛もカットしてあげる。
ご存知の方も多いと思いますが、犬の肉球はとてもデリケートで敏感な部分です。怪我をさせてしまわないように、注意して行いましょう。
また、下記の記事で紹介しているように、ワセリンなどで保湿してあげる等、足裏の毛を切るのと同時に、メンテナンスしてあげるとより良いでしょう。
目の上の毛のカットの道具・ポイント
目の周りの毛のカットが必要な理由
目の周りの毛が伸びすぎていると、毛が目の中に入って目の病気の原因になります。
特に目の周りの毛が伸びやすい犬種は、目の中に毛がかかっていないかを定期的にチェックしてあげましょう。
用意するもの
- コーム
- 犬用カットハサミ
- 清潔なコットン
用意するものは、足裏の毛をカットするときと同じもので良いでしょう。
また、コームがあると、目の周りや口の周りについた食べかすをふやかすことで取り除けるので、毎日清潔を保てるので大変便利です。
目の上の毛のカットのポイント
- 濡らしたコットンで優しく目の周りを拭き取って、被毛の汚れを取り除いたり、固まった被毛をほぐしたりする。
- 被毛が綺麗になったら、コームで毛並みを整え、目の上の毛を手前に掻き出し、目にかかるようにする。
- 犬の顎の下に片手を添え、顔が動かないようにする。
こちらの動画では、トリマーさんがカットの仕方を順序よく丁寧に教えてくれています。実際に始める前に動画を見ておくと、イメージしやすいのでおすすめです。
無理は禁物!犬が落ち着いた状態でお手入れしよう
犬が嫌がっているのに、無理やりお手入れをすると、暴れてケガをしてしまったり、お手入れが嫌いになってしまう恐れがあります。
そんなときは無理をせず、少しずつお手入れに慣れさせたり、おやつを使うなどして、お手入れによいイメージを持ってもらう工夫をしましょう。
まずはお手入れ器具に慣れさせよう
いきなり爪切りやバリカン、ハサミを使うと、犬が怖がって暴れてしまい、ケガをしかねません。特に音が出るようなものは注意が必要です。爪切りなどを犬の爪や足裏にあてたりして、まずはお手入れ器具への警戒心をなくしてからカットを始めましょう。
また、犬は音に敏感な生き物です。まずは犬から離れたところでバリカンの電源を入れましょう。そしてだんだんと近づけ、カットはせずに最初は音に慣らしていくことから始めます。
おやつを上手に使って
犬がお手入れ中に落ち着かないときは、上手におやつを使って注目を引き、犬を落ち着かせましょう。
初めのうちは爪切りなどのお手入れ器具を見せると同時におやつをあげて、お手入れ器具自体にいいイメージを持ってもらうとよいでしょう。
お手入れができるようになったら、お手入れをしながらだったり、お手入れ後にすぐにおやつをあげることで、犬の頭の中では自然と「お手入れ=おやつがもらえる」と結びつくようになり、お手入れを嫌わないでくれるはずです。
まとめ
今回は、自宅で犬の爪切り、足裏の毛のカット、目の上の毛のカットを行うために必要な道具とポイントをご紹介しました。
お手入れ初心者は、まずはお手入れ器具に慣れさせるところから始め、少しずつお手入れに慣らしていきましょう。おうちで慣らしておくことで、トリミングサロンや動物病院でも安心してお手入れをしてもらえるようになるので、一石二鳥です。
おうちでこまめにお手入れをして、犬の健康を守ってあげましょう!