猫の脱水症状は、夏にしか起こらないと思っていませんか?
しかし、実は油断しがちな冬にこそ、猫の脱水の落とし穴があるのです。水分が不足すると、腎臓病や尿路系の疾患にかかりやすくなってしまいます。
特に、高齢猫や肥満の猫は脱水を起こしやすいので注意が必要です。
今回は、猫が冬に脱水を起こしやすい理由と、猫にしっかりと水分をとってもらう方法を4つご紹介します。
この記事の目次
どうして猫は冬に脱水を起こしやすいの?
猫が冬に脱水を起こしやすいのは、「冬は乾燥しやすい」ことと、「夏ほど水を飲みたいと思わない」ことにあります。
冬は乾燥しやすい
日本の冬は、夏に比べて湿度が低く、乾燥しやすいのが特徴です。
また、暖房を使用すると部屋の湿度がさらに下がります。
空気が乾燥していると、皮膚や粘膜、または呼気から、自覚せずに水分が逃げて行ってしまいます。そうして、気づかないうちに体の水分が足りなくなって脱水を起こしてしまうのです。
夏ほど水を飲みたいと思わない
私たち人間も、冬は夏に比べて「喉が渇いたな、水を飲みたいな」と感じることが少なくなりますよね。
これは、体感温度が低いと喉の渇きを感じにくくなるためです。また、体を冷やさないために冷たい飲み物を控える場合もあるでしょう。
猫も同じで、夏よりも自発的に水を飲もうとしなくなるために、脱水になりやすくなります。
高齢猫や肥満猫は特に注意
健康的な猫でも脱水を起こすことはありますが、高齢や病気が原因で腎臓の働きが弱まった猫や、肥満が原因で保水力が低い猫は、脱水を起こしやすいので特に注意が必要です。
猫の1日の水分摂取量
猫の祖先は砂漠で暮らしていたので、少ない水分量で生きられます。しかし、だからといって不足しすぎてしまうと体調を壊してしまいます。体重量に応じて、適切な量の水分を摂取することが必要です。
猫が1日に摂取が必要な水分量(ml)の計算方法
75.6×(体重)^0.75 で算出できます。
※「(体重)^0.75」は、「体重の0.75乗」を意味します。電卓で、「^」や、「x^y」などのボタンを押すと計算できます。例えば、体重が4kgの猫なら・・・
75.6×(4.0)^0.75=213.829090631(ml)の水が必要と分かります。
もちろん、運動量や環境などによっても変わりますが、目安として計算してみてくださいね。
おうちでできる猫の脱水チェック
猫が脱水を起こしていないかを確かめるために、おうちで簡単にできるチェック方法をご紹介します。
まず、猫の皮膚をつまんでみましょう。正常であれば、手を離すと皮膚はすぐに元に戻りますが、脱水を起こしていると、なかなか戻りません。
また、毛艶がいつもより悪い、肉球や鼻の色がいつもと違う、歯茎が乾燥しているなども、脱水を起こしているサインであることがあります。普段のお手入れのときに少し意識してみると良いでしょう。
猫に水を飲んでもらう方法
では、猫に冬でもちゃんと水を飲んでもらうには、どうしたら良いのでしょうか。
水が冷たすぎないようにしよう
猫は熱いものが苦手ですが、冷たすぎるものも嫌う傾向があります。
冬は水が冷えやすいので、室内の暖かいところに水を置いてあげたり、人肌くらいのぬるま湯をあげると飲んでくれるようになるかもしれません。
清潔な水をあげよう
猫はきれい好きなので、汚い水や古くなった水は飲みたがりません。
不潔な水を飲ませると胃腸炎になりかねませんので、常に清潔な水をあげるようにしましょう。
具体的には、水を入れる容器をよく洗ったり、毎日欠かさず水を取り替えてあげるなど、こまめな衛生管理を心がけましょう。
器を変えてみよう
猫によっては、器のサイズや素材が気に入らないと水を飲みたがらないことがあります。
試しに、幅や高さ、素材の違う器に変えてみましょう。
ごはんをウェットフードにしてあげよう
猫があまり水を飲んでくれないときは、ごはんの水分量を増やしてあげることで、不足した水分量を補ってあげましょう。
ドライフードの水分量は10%程度なのに対して、ウェットフードの水分量は約75%と、フードによって摂取できる水の量が大きく異なることがわかります(商品によって異なります)。
ウェットフードに切り替えずとも、ドライフードに少し水を混ぜても良いかもしれません。猫が嫌がって食べなくなる場合もあるので、愛猫に最も適した方法で水分の摂取量を補ってあげると良いでしょう。
まとめ
今回は、冬に気をつけたい猫の脱水について、原因と対策をご紹介しました。
冬の猫の脱水は、乾燥しやすいことと、喉の乾きを感じにくいために起こりやすくなります。
水の温度や質に気をつける、ごはんをウェットフードに変えるなど、猫が十分に水分を摂取できるような工夫をしてあげましょう。
油断しがちな冬にこそ、しっかりと猫の脱水対策をしてあげましょう。