みなさんは、猫の妖怪「猫又」の伝説を知っていますか?猫又の伝説はひとつではなく、さまざまな時代や地域で言い伝えが残されています。
猫又は、時に人間に害を及ぼす妖怪として、時に人間に恩返しをする妖怪として描かれています。
今回は、そんな伝説の妖怪「猫又」の特徴や、現在に残る言い伝えをご紹介します。
この記事の目次
伝説の妖怪「猫又」とは?

猫又とは、日本各地に言い伝えられている伝承や民話、怪談話に登場する猫の妖怪のことです。
その特徴は地域や言い伝えによって異なりますが、多くの伝説で共通している特徴は、尻尾が2つに分かれていることです。
猫又の伝説は大きく2つに分類されます。1つは「山に住む獣の猫が化けたもの」で、もう1つが「飼い猫が化けたもの」です。それぞれの言い伝えについて、詳しく見ていきましょう。
1.山の猫が化けた猫又

猫又にまつわる山の伝説は、鎌倉時代にはすでに文献に登場しており、室町〜江戸時代にかけて各地で広く語られるようになりました。
山中の猫又の実態については定かではありませんが、文献の中には「猫又が人間を食い殺した」や「猫又が人間に化けて襲った」といった記述が見られるものもあります。
こうした物語は、実際になんらかの獣に襲われたり、暗い山の中で恐ろしい体験をした人々の不安が反映されたものとも考えられています。
猫又の伝説が由来の地名
富山県魚津市の「猫又山」や福島県会津地方の「猫魔ヶ岳」など、猫又にまつわる伝承が地名の由来の一つとされる山もあります。
2.飼い猫が化けた猫又

山に住む猫だけでなく、飼い猫に関しても多くの猫又伝説が存在します。一般的に、年老いた猫が猫又に化けると考えられています。
一説には、可愛がられていた猫は猫又になって飼い主に恩返しをし、意地悪をされていた猫は猫又になって飼い主を祟ると言われています。
古くは、鎌倉時代の『古今著聞集』に、山荘で飼われていた「唐猫(中国から渡来した猫)」が秘蔵の刀を持ち出して姿を消したという猫の怪異談が見られます。
江戸時代に入ると、飼い猫が年老いて猫又になる説が一般化し、人々は「猫は可愛がってやらないと祟られる」「老猫は飼わない方が良い」などと考えるようになりました。
歌舞伎や講談にもなった化け猫
飼い猫が怨念を受けて化け猫となり人間に祟る物語としては、佐賀藩に伝わる「鍋島猫化け騒動」が江戸時代に歌舞伎や講談、読本などの題材となり広く知られています。
作品によって細部は異なりますが、化け猫が藩主を苦しめ、最後に家臣が退治するという筋書きは共通しています。
ここでは、その代表的なストーリーを簡単にご紹介します。
佐賀藩の2代藩主・鍋島光茂は、龍造寺又七郎を城中に招き囲碁に興じていた。しかし、碁の名人である又七郎に光茂は連敗し、激昂のあまり遂に又七郎を斬殺してしまった。
又七郎の母はわが子の死を嘆き、悲しみと怒りを飼い猫に語り自殺する。流れる老婆の血をなめ尽くした猫はいずこともなく姿を隠した。
猫は城に忍び込み、光茂の愛妾・お豊の方を食い殺し、その姿に化けて夜ごとに光茂を苦しめた。
鍋島家の家臣がお豊の方の正体を見破り退治し、化け猫の祟りは収まった。
なお、この物語は後世に創作された怪談であり、実際の歴史とは異なります。鍋島家と龍造寺家の関係を背景に、さまざまな作品の中で脚色されて語り継がれています。
猫の妖怪伝説が多いのはなぜ?

古くから人間に飼われ、癒しの存在として愛されてきた猫ですが、なぜ猫の妖怪の言い伝えが各地で多く残っているのでしょうか。
その理由は、猫特有の特徴や習性にあると考えられています。
- 暗いところで猫の目が大きく光る様子が不気味だから
- ツンデレな性格や気まぐれな性格など、犬よりもミステリアスな雰囲気があるから
- 鋭い爪を持ち、実際に人間を傷つけたから
- 鋭い嗅覚で腐敗臭に反応することがあり、その行動が不気味に映ったから
- 一点をじっと見つめる様子や、背中を丸めたり毛を逆立てて威嚇する様子に恐怖心を覚えたから
猫にまつわる伝説は、日本だけでなく中国、ヨーロッパ、アメリカ、エジプトなど、多くの国や地域で言い伝えられています。
一緒に暮らしてきた猫だからこそ、独特の雰囲気や習性を持つ猫に対して何か奇怪なイメージを与えたり、人間の悪い習性を抑制するために「猫が祟る」という伝説が生み出されたのかもしれませんね。
猫又がモチーフのキャラクター

猫又は古くから伝わる妖怪ですが、現在でもさまざまなキャラクターのモチーフとなっています。
ここでは、そんな猫又がモチーフとなったキャラクターをいくつかご紹介します。
- ジバニャン『妖怪ウォッチ』
- クロ『青の祓魔師』
- 雲母『犬夜叉』
- 二尾/又旅『NARUTO』
- 楓『八犬伝-東方八犬異聞-』
- マタムネ『シャーマンキング』
- 橙『東方project』
- 小判『鬼灯の冷徹』
- 魔獣ネコマタ『女神転生』シリーズ
あなたの猫も猫又に!?

今回は、伝説の猫の妖怪「猫又」について、その特徴や言い伝えをご紹介しました。
古くから日本に伝わる猫又の伝説には、人間を祟ったり、恩返ししたりといったさまざまな言い伝えがあります。
飼い猫が年を取ってから猫又に化けるという説も、江戸時代から広く伝えられてきました。
もしかしたら、あなたが飼っている猫もいつか猫又に化けて現れるかも…!?





































