雪が降り積もった日に犬を外に連れて行くと、犬が雪を食べてしまうことがあります。
楽しそうに雪を食べる犬の様子にほっこりする反面、「雪を食べても大丈夫なのかな?」と心配になるかもしれません。
今回の記事では、犬が雪を食べる理由や、注意したいことを解説します。
この記事の目次
犬はなぜ雪を食べるの?
そもそも犬は、どうして雪を食べるのでしょうか?
その理由は主に2つ考えられます。それぞれ見ていきましょう。
好奇心旺盛だから
好奇心が強い犬は、雪に興味をそそられて食べてみることがあります。特に、雪に慣れていない犬や、あまり雪が降らない地域の犬は、雪に興味を持ちやすいかもしれませんね。
また、雪が好きな犬は、雪が積もっているとテンションが上がって食べてしまうというケースもあるようです。
水分補給のため
犬は、お散歩中に「喉が渇いたな」と感じたとき、水分補給のために雪を食べることがあります。
普通のお水よりも冷たくて爽やかな感じがするため、雪を好んで食べる犬もいるようです。
犬は雪を食べても大丈夫なの?
雪自体は水ですから、お腹を壊したり吐いたりしない程度の量なら、基本的には食べても大丈夫です。しかし、その一方で、場合によっては雪が汚染されていたり、異物が混入していることがあります。
それでは、雪にはどのような危険が潜んでいるのか、具体的に見ていきましょう。
大気汚染や排気ガスによる汚染
大気汚染によって「酸性雨」の問題が起きていることは、おそらく多くの方がご存知でしょう。
酸性雨は、化石燃料を燃やした時などに発生する硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)が大気中で化学反応を起こし、硫酸や硝酸となって雨の中に混ざったもので、酸性度が高い雨として知られています。
「酸性雨」があれば、当然「酸性雪」もあります。酸性雪による健康被害は未だはっきりしていませんが、酸性雨が喘息や目・皮膚への刺激の原因となると報告されているため、酸性雪も食べない方が良いでしょう。
特に都会など車の通りが多いところでは、雪が排気ガスなどで汚染されている可能性があるので注意が必要です。
ゴミやタバコ、排泄物の混入
雪の中には、人間が捨てたゴミやタバコのほか、犬や猫などの排泄物が混ざっている場合があります。
特に、タバコを誤飲してしまうとニコチン中毒になってしまうおそれがあります。
普段ならよく見るこれらの異物も、雪の中にあると飼い主には気づきにくく、飼い主が気づかないうちに犬が誤って食べてしまう危険性が高くなるので注意しましょう。
危険な植物の混入
雪は屋外に積もりますから、自然と植物の葉っぱや茎が混入してしまいます。
食べても特に問題ない植物もありますが、中には犬が食べると中毒症状を起こす植物もあるので気をつけなければなりません。
凍結防止剤・融雪剤の混入
場所にもよりますが、雪のシーズンには道に凍結防止剤・融雪剤を散布することがよくあります。
凍結防止剤・融雪剤には主に、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、カルシウム塩、尿素などが含まれています。
これらを犬が食べてしまうと、下痢や嘔吐のほか、胃腸の障害、脱水、発熱などを引き起こすことがあります。また、凍結防止剤・融雪剤を口から摂取しなくても、その上を歩いた場合、皮膚や肉球に炎症が起きるおそれがあるため、注意が必要です。
犬の雪遊びは危険?誤飲以外の注意点と対策
しもやけや凍傷、怪我に注意
人間同様、長時間冷たい雪の上にいると、しもやけや凍傷ができてしまうおそれがあります。
また、先ほどもご紹介した通り、凍結防止剤・融雪剤によって肉球や皮膚に炎症が起きてしまうこともあるほか、雪の中の異物は見えにくいですから、ガラス片や尖った石などによって怪我をする危険性もあります。
対策
足元のしもやけや凍傷、怪我の対策として、犬用の靴を履かせてあげましょう。
雪が多い地域や、雪の中をたくさん歩く場合は、防水機能や滑り止め機能がついているものを選んであげるとよいでしょう。
紫外線に注意
雪に反射した強い紫外線による刺激で、「雪眼炎(せつがんえん)」や「雪目(ゆきめ)」と呼ばれる目の炎症を起こしてしまうことがあります。
雪はアスファルトや土と違い、紫外線をほとんど吸収しないので、例えばスキー場などでゴーグルをしないでいると雪眼炎になってしまいます。雪眼炎は単に目が痛くなるだけでなく、白内障を誘発するとも言われているので注意が必要です。
対策
こちらも人間同様、犬用のゴーグルを着けてあげるのが一番効果的です。
犬がゴーグルを着けている姿はあまり見慣れないかもしれませんが、雪の中で長時間過ごす場合は着けてあげるのが犬のためです。また、雪が積もっている場合は、外に出るのはできるだけ短時間にするとよいでしょう。
雪玉に注意
雪玉とは、体についた雪が体温で溶けて、その上に新たに雪がくっつくことによってできた雪の塊のことをいいます。
肉球の間やお腹などに雪玉がたくさんできてしまうと、しもやけや凍傷の原因になります。
雪玉は基本的に長毛種にできやすいですが、長毛種でも雪国原産の犬は雪玉ができにくく、逆に短毛種でもトイプードルやミニチュアシュナウザーなどは雪玉ができやすいと言われています。
対策
犬用の靴を履かせるほか、犬用のジャケットも着せてあげるとさらによいでしょう。
こうしたグッズがない場合は、犬の様子をよく観察しながら、あまり長時間雪の上を歩かせないようにしましょう。
まとめ
今回は、犬が雪を食べてしまう理由と、注意点をご紹介しました。
一面に降り積もった雪はとてもきれいに見えますが、実際はその中に色々なものが含まれています。
好奇心旺盛な犬や、喉が渇いた犬は雪を食べたがるかもしれませんが、積極的におすすめできるものではありません。
雪遊びは楽しいですが、愛犬が誤飲をしてしまったり、凍傷や雪眼炎にならないように、くれぐれも注意しながら冬を満喫したいですね。