猫を飼っているみなさんは、「猫がお風呂やトイレにもついてくる」という経験をしたことがあるかもしれません。
飼い主さんのあとを常について回る「ストーカー猫」が、どんなことを思ってストーキングをするのか、気になったことはありませんか?
ストーカー猫に対して、飼い主のみなさんは「かわいい」と思うかもしれませんが、ストーカー猫は実は不安や愛情不足を抱えている可能性があります。
今回は、トイレやお風呂にまでついてくるストーカー猫の心理を、大きく「飼い主さんへの欲求」と「場所への関心」の2つに分けて、詳しく考えていきます。
この記事の目次
【ストーカー猫の心理】飼い主さんへの欲求の場合
猫がトイレやお風呂についてくる理由として、まずは、飼い主さんに対して何か欲求や願望がある場合を見ていきましょう。
1.かまってほしい
トイレやお風呂に限らず、飼い主さんが動くと常に猫が後ろをついてくるときは、飼い主さんにかまって欲しいと思っている可能性が高いです。
また、飼い主さんがトイレやお風呂にいる間は、じっとしていて動かないことを知っていて、猫は「トイレやお風呂なら飼い主さんに逃げられずにかまってもらえる!」と思っているのかもしれません。
2.飼い主さんにマーキングしたい
猫は自分のテリトリーにもマーキングしますが、実は飼い主さんの体にもマーキングをします。
飼い主さんがお風呂から出た後は、飼い主さんの体から猫のにおいが消えてしまいますよね。もしかしたら猫はそれを知っていて、飼い主さんがお風呂から出たらいち早くマーキングし直せるように、一緒にお風呂場についてくるのかもしれません。
飼い主さんがお風呂からあがってすぐに、猫が脚にスリスリと体をこすりつけてくるときは、マーキングの可能性が高いです。
3.ごはんがほしい
いつもごはんをあげている時間に飼い主さんが動いてどこかに行こうとすると、猫は「もしかして、ごはんをもらえるのかな?」と思ってついてくることがあります。
4.飼い主さんを親だと思っている
子猫は、常に親猫のあとをついて行動する習性があります。
親猫と離れて暮らす猫は、成猫になってからも飼い主さんのことを親だと思い込み、あとをついて回っている可能性があります。
5.飼い主さんと離れるのが不安
特に、飼い主さんがいない間に何か怖い思いをしたり、過去に捨てられたことがある場合や、引っ越しなどで住環境が変わった場合に、猫は飼い主さんと離れることに不安を感じやすくなります。
飼い主さんがトイレやお風呂に入ってしまうとしばらく出てこないため、猫はそれが不安になってついてきてしまうのかもしれません。
不安が大きくなりすぎると、飼い主さんの外出前や外出中などにパニックになってしまう、「分離不安症」にまで発展する恐れがあります。
【ストーカー猫の心理】場所への関心の場合
猫がトイレやお風呂についてくるのは、飼い主さんに対する欲求だけでなく、トイレやお風呂という「場所」に関心を寄せている可能性もあります。
1.床が冷たくて心地よい
トイレやお風呂場の床は、他の部屋と素材が違うというお家も多いのではないでしょうか。
例えば、タイルや人工大理石などを使用している場合は、特に夏場はその素材が冷たくて心地よいと感じる猫もいるようです。
2.テリトリーの安全確認・マーキングをしたい
トイレやお風呂の壁にスリスリと自分の体をこすりつけている様子が見られたら、それは壁に自分のにおいをつけることでマーキングをしている可能性が高いです。
トイレやお風呂場は、他の部屋に比べてドアが閉まっている時間が長いですよね。猫は、飼い主さんがドアを開けた時にしか自分のテリトリーを確認できません。
テリトリーに何か変わったことがないかを確認し、もう一度しっかりとマーキングをするために、猫は飼い主さんの後についてトイレやお風呂に入りたがるのかもしれません。
ストーカー猫の対策
愛猫が常に自分のあとをついてきたら、つい「かわいい」と思ってしまいますが、「ストーカー猫」は、不安を抱えていたり、愛情不足を感じている可能性もあります。
ストーカー猫の対策として、次のようなことを意識しましょう。
不安を除いてあげる
猫が飼い主さんと離れることに不安を感じている場合、できるだけ不安になる原因を取り除き、ひとりでも安心できる空間を作ってあげましょう。
猫は、周りが囲われている、薄暗くて狭いところを好みます。もし、外の様子が丸見えになってしまうようなケージなど、周りが十分に囲われていない空間しかない場合は、ケージを毛布で覆ったり、猫用のドームなどを用意してあげるとよいでしょう。
猫の要求は聞きすぎない
あとをついてくる猫に対して、ごはんやおやつをあげたり、かまってあげたりしたくなる気持ちはわかります。
完全に無視する必要はありませんが、常に猫の要求を聞きすぎてしまうと、ストーキングや欲求がエスカレートしてしまうおそれがあります。
ごはんは毎日決まった量をしっかりと与え、猫と遊ぶ時間も確保した上で、適度に猫のストーカー行為を無視するようにしましょう。
猫とコミュニケーションを十分にとる
猫がストーカーをするの原因は、猫が愛情不足を感じているからかもしれません。
「最近猫とあまり遊んであげられていないな」と感じたら、一度猫と過ごす時間を見直してみましょう。
空いている時間を見つけ、思いっきり猫とコミュニケーションをとるようにすれば、猫のストーキングも緩和されるかもしれません。
まとめ
今回は、ストーカー猫が飼い主さんを追ってトイレやお風呂にまでついてくる理由を考えました。
さまざまな理由が考えられましたが、他にも猫が不安を感じている様子が見られたり、「最近あまり遊べていないな」と感じることがあれば、猫の住環境や猫との関わり方を見直してみる必要があるかもしれません。
ストーカー猫を、ただ「かわいい」と思うだけでなく、その理由を考えることで、猫とより良い関係を築いていきましょう。