うさぎと一緒に長く暮らしていると、少しずつ体の変化が見られるようになります。一般的に、うさぎは5歳頃からシニア期に入ると言われています。
どの動物にもいえることですが、高齢になると食事、運動、排泄といった基本的な機能が衰えるため、飼い主さんはシニアうさぎの特徴を知っておくことがとても大切です。
今回はうさぎの老化のサイン、高齢うさぎのために飼い主ができることをご紹介します。うさぎを飼い始めたばかりの方も、将来のことを想像しながら読んでいただければと思います。
この記事の目次
うさぎは何歳からシニア?

野生のうさぎの平均寿命は2〜3年と言われていますが、ペットとして室内で飼われているうさぎの平均寿命は現在では10年程となっています。
活動量が減り、病気にかかりやすくなる5歳〜7歳あたりから「シニア期」として扱われることが多いようです。
うさぎの老化サイン

5歳を過ぎた頃からは老化のサインを見逃さず、早めに対応してあげることが大切です。
以下に、老化のサインをまとめました。
見た目の変化
- 痩せた・太った
- 毛ヅヤがなくなりパサパサになった
- 涙や目やにで目の周りが汚れる
- 筋肉や脂肪の量が減り、皮膚の張りがなくなった
- 目が白く濁る(白内障)
- お尻周りが汚れる
見た目の変化としては、体重が減ってくることが多いようです。これは主に食事量や運動量が減ることが原因です。逆に、動くことが減って肥満になるうさぎもいます。
また、うまくグルーミングをしたり盲腸糞を食べたりすることができなくなるため、お尻周りが汚れることがあります。
動きの変化
- 動き回らなくなった・寝ていることが多い
- へやんぽの時間が短くなった
- 動きがゆったりになった
うさぎは高齢になると縄張り意識が弱まるため、行動範囲が狭くなることがあります。
また、視力や筋力が衰えるため段差につまずくことも増えます。
食事
- 食事量が減った
- 偏食になった
- 牧草、フードの好みが変わった
それまで食べていた牧草やペレットを食べなくなる場合は、食欲不振や体調不良、歯が弱くなり硬いものを食べられないなどの可能性があります。
また、新しい食べ物を拒否する傾向が強くなります。
性格の変化
- 頑固になった
- 大人しくなった
- いろいろなことを面倒くさがるようになった
体調の変化
- お通じが悪くなった
- トイレを失敗するようになった
- 足腰が弱くなった
- 換毛期のタイミングが変わった
- 寒がりになった
視力や筋力の衰え、行動範囲の変化から、いろいろな場所でトイレをしてしまうことがあるようです。
シニアうさぎのために飼い主ができる4つのこと

うさぎはシニアになると、体や行動にさまざまな変化が現れます。安心して快適な生活ができるよう、飼い主さんができることを4つご紹介します。
1.バリアフリーの部屋にする
足腰が弱ったうさぎにとっては、ケージなどに段差があると怪我につながる恐れがあります。
段差をなくすためにスロープをつける、高さのある柔らかいマットを敷くなどの工夫をしてあげましょう。
2.トイレの位置を調整する
シニアになると、視力や筋力の低下の影響などでトイレを失敗することが増えます。
考えられる原因のひとつとして、トイレの段差を超えることが難しいのかもしれません。トイレをなくして、直接シーツにしてもらうように変えてみましょう。
また、うさぎはトイレをするために動くことが面倒になってしまうこともあります。トイレをうさぎが普段生活するスペースの近くに移動してあげるのもひとつの手です。
シニアになると排泄のコントロールがうまくできなくなっている可能性もあります。シニア期のトイレの失敗は叱らずに、トイレの設置状況を見直すようにしてあげましょう。
3.グルーミングをサポートする
うさぎは綺麗好きなため、自分で全身を毛繕いして清潔を保っています。しかし、シニアになると思うようにグルーミングができなくなってしまいます。
お尻周りや目やにを、かたく絞ったタオルやうさぎ用の体拭きシートで優しく拭き取ってあげましょう。うさぎは体が濡れるとストレスになってしまうため、水分が残らないように気をつけましょう。
異常なほどに目やにがでる場合は、獣医師に相談することをお勧めします。
4.食事を変える
牧草の摂取量が減った場合には、牧草がかたくて食べづらくなっているのかもしれません。柔らかい牧草に変えてみましょう。
また、運動量が減ったのにもかかわらず、それまでと同じフードを食べ続けると肥満になり病気のリスクが高まります。獣医師と相談しながら体重を調整し、シニア用のフードに切り替えることも検討しましょう。
食事を変える時は一気に変えるのではなく、今まで食べていたものから少しずつ切り替えるようにしましょう。
参考になる本のご紹介
2羽のうさぎの里親となった著者の坂本直子さんが、自身の実体験をもとに、うさぎの老いのサインやシニア期のお手入れ、介護の工夫、そしてお別れやペットロスとの向き合い方を、やさしい言葉で丁寧に綴っています。
かわいらしいイラストも豊富に描かれており、内容がすっと心に届くため、小さなお子さんにもおすすめの一冊です。まだ漢字が難しい年齢の子には、ぜひ読み聞かせてあげてください。
どんな生き物にも、いつか必ずお別れの時が訪れます。その時を過度に恐れたり悲しんだりするのではなく、日々の暮らしの中でたくさんの愛情を注ぎ、「この子と出会えてよかった」と思えるようになるといいですね。
まとめ

老化による体の変化は仕方のないことです。自分の体の変化に適応しようと頑張るうさぎを、飼い主さんはしっかりサポートしてあげましょう。
日々の些細な変化は、ずっと一緒に過ごしてきた飼い主さんだからこそ気がつくものです。少しでも快適に過ごせるように工夫してあげることで、愛するうさぎが穏やかに暮らせるはずです。
そして、いつかお別れの時が来るまで愛情をたっぷり注いであげ、かけがえのない時間を一緒に過ごしていきましょう。









































