フィラリア薬を飲ませ忘れたら。すぐに投薬を再開するのはNG!

2024.07.30
フィラリア薬を飲ませ忘れたら。すぐに投薬を再開するのはNG!

暖かくなり蚊が増えると、犬にはフィラリア予防薬を飲ませ始めます。
その後は、11〜12月頃まで、毎月投薬を続けますが、うっかり飲ませるのを忘れてしまうことがあるかもしれません。

飲ませ忘れた期間が長い場合、自己判断ですぐに投薬を再開すると、犬がショック症状を起こしてしまう可能性があり、非常に危険です。

今回の記事では、フィラリア薬を飲ませ忘れたときの対処法について、詳しくご紹介します。

この記事の目次

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犬の体にフィラリアが寄生・増殖する仕組み

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フィラリアは危険な寄生虫

フィラリアは、犬の肺動脈や心臓に寄生する寄生虫で、蚊によって媒介されます。
犬の体内で成虫になると、心臓で大量に幼虫を生み続けてしまうため、しっかり予防しないと命に関わるとても危険な寄生虫です。

ちなみに、寄生虫というととても小さいイメージがあるかもしれませんが、フィラリアの成虫は細長い素麺のような見た目をしており、体長は約10~30cmにもなります。

気温が約15℃を超えると蚊の吸血が始まるので、春先から予防薬を投与し始めることが多いです。

フィラリアの生育段階

フィラリアは卵を産まない「卵胎生」です。
蚊の体内である程度まで成長した幼虫は、蚊が吸血時に出す唾液と一緒に犬の皮膚に落ち、吸血で空いた穴から体内に侵入します。

その後、犬の体内で脱皮をして成長しながら、皮下→筋肉→肺動脈、心臓の順に移動し、成虫になって交尾をすると、メスは1日に2,000~3,000匹もの幼虫を肺動脈や心臓に産み続けます

犬の体内に侵入してから幼虫を産むまでの期間は、6~7ヶ月程度とされています。そして、産まれた幼虫は蚊の吸血時に蚊の体内に移り、ある程度まで成長してから、再び犬などの動物の体内に移ります。

フィラリア薬を飲み忘れるとどうなる?

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フィラリア薬の効果とは

フィラリア薬は、フィラリアの侵入を防ぐ薬ではなく、侵入したフィラリアの幼虫を駆虫する薬です。成虫には効かないため、幼虫の段階で駆虫しなければなりません。

飲み忘れるとどうなるのか

フィラリア薬は、「飲んだあとに侵入してきた幼虫を駆虫」するのではなく、「すでに体内にいる幼虫を駆虫」する薬です。そのため、蚊が出始めた1ヶ月後から飲み始めて、蚊が出現しなくなってからも1ヵ月後までは毎月飲み続ける必要があります。

つまり、仮にフィラリアが体内に侵入していた場合、薬の飲み忘れの期間が長くなれば長くなるほど、フィラリアが成長して、肺動脈や心臓で幼虫を産む段階に近づいていってしまいます

飲み忘れに気づいたら、「今年はもういいや」などと安易に投薬をやめてしまうのではなく、少しでも早く対処することが重要です。

飲み忘れに気づいても、すぐに飲ませるのはNG!

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フィラリア薬の飲み忘れに気づいたら、早急に対処するのが重要だと言いましたが、数ヶ月間飲み忘れが続いた場合は、すぐにフィラリア薬を飲ませてはいけません。

投薬を再開する前に、動物病院で一度検査を受ける必要があります

検査が必要な理由

すでに成虫にまで成長したフィラリアが犬の体内で幼虫を産んでいた場合、この段階でフィラリア薬を飲むことで、血液中の幼虫が大量に死にます

それにより、犬がショック症状を起こし、最悪の場合命を落とすこともあるのです。

数ヶ月間飲ませ忘れてしまった場合は、フィラリアが体内で成長していないかを動物病院で確かめてから、投薬を再開しましょう。

飲み忘れないための3つの工夫

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長期間飲み忘れると、フィラリア症の危険も高まりますし、検査を受ける手間もかかってしまいます。自分に合った工夫をして、月に1度のフィラリア薬を飲ませ忘れないようにしましょう。

1. カレンダーに前もって記入しておく

フィラリア薬の投与が始まったら、いつも使っている壁掛けのカレンダーや手帳に、11月、12月頃までの間の毎月分、投薬日を書いておきましょう。

2. スマホのリマインダーを使う

スマートフォンのリマインダー機能を使って、毎月決まった日に投薬の通知が来るように設定しておきましょう。

3. 家族のお薬カレンダーがあれば活用する

投薬を長期間続けている家族がいれば、お薬をポケットに入れておける「お薬カレンダー」「ピルケース」を使っているかもしれません。
ポケットやケースに、犬のフィラリア薬を一緒に入れておけば、家族と一緒に飲み忘れを防げます。

使っている人がいなくても、持病のある犬で投薬を継続する場合は、この機会に購入してみてもいいかもしれません。

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まとめ

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フィラリア薬が開発されるまでは、フィラリア感染症で死亡する犬がたくさんいました。予防薬ができてから犬の平均寿命が大幅に伸びたことからも、フィラリアが予防しないといかに危険な寄生虫かが分かります。

そして、そんなフィラリア薬を開発したのは、日本の科学者で、2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した、大村智教授です。

偉大な開発の功績に感謝し、フィラリア薬を飲み忘れないように注意したいものですが、気をつけていても忘れてしまうことはあるかもしれません。
飲み忘れが数ヶ月にわたる場合は、投薬を再開する前に動物病院で検査を受ける必要があることを覚えておきましょう。

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