愛犬が散歩中に草を食べてしまうことに悩んでいる飼い主さんは、意外と多くいらっしゃいます。やめさせるべきなのか、それとも食べさせても大丈夫なのか、一体どちらが正解なのでしょうか。
今回の記事では、散歩中に犬が草を食べてしまう問題について、原因や注意点、対処法をご紹介します。
この記事の目次
犬が草を食べる理由

犬が草を食べる理由はさまざまあると考えられます。ここでは以下の4つの説を紹介します。
①本能・習性
犬が草を食べる行動は、もともとの本能や習性による可能性があります。
犬の祖先であるオオカミは完全な肉食ではなく「雑食に近い食性」を持っていました。そのため、現代の犬にも草や植物を口にする行動が自然に残っていると考えられています。
また、散歩中はにおいを嗅いだり、気になるものを口にしたりといった「探索行動」が活発になります。その延長で、目についた草を興味本位で食べてしまうことも少なくありません。
②胃の違和感・消化不良
犬は胃の不快感や消化不良を覚えると、その違和感を解消するために草を食べることがあります。例えば、空腹が長く続いて胃酸が過剰になると、胸焼けのようなムカつきが生じるため、これを紛らわせようとするのです。
こうした行動は必ずしも吐くことが目的ではなく、実際にはそのまま落ち着くケースも少なくありません。
ただし、頻繁に嘔吐を繰り返したり、元気や食欲がなくなったりしている場合は、体調不良の可能性もあるため注意が必要です。
③習慣・拾い食いのクセ
犬が草を食べるのは、習慣や拾い食いのクセによる場合もあります。散歩中に地面のものを口にする経験を繰り返すことで、「見つけたものはとりあえず口に入れる」という行動が身についてしまうことがあります。
特に、草を食べても注意されなかったり、飼い主が気づかずに見過ごしていると、その行動が強化されて習慣化しやすくなります。一度クセになると繰り返しやすいため、早めに拾い食いを防ぐしつけを行うことが大切です。
④ストレス解消のため
犬はストレスや退屈を感じているときにも、草を食べることがあります。運動不足や遊びの時間が少ない、飼い主とのコミュニケーションが不足しているといった状況では、気を紛らわせる行動の一つとして草を口にするケースがあります。
ただし、ストレスだけが主な原因となることは多くはなく、他の理由と重なって現れることが一般的です。草を食べる頻度が急に増えた場合は、生活環境や日々の過ごし方を見直してみるとよいでしょう。
病気の可能性はある?

草を食べたあとに吐く行動が頻繁に見られる場合は、消化器の不調など、体に何らかの異変が起きている可能性もあります。
次のような様子が見られる場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
- 激しい嘔吐を繰り返す
- 下痢や血便がある
- 元気がない・食欲が落ちている
- 草以外のもの(石や土など)も食べてしまう
栄養不足の可能性は?
栄養不足を心配する飼い主さんも多いですが、「総合栄養食」と表示されたドッグフードを適切に与えていれば、特定のビタミンが不足する可能性は低いとされています。
草を食べる理由はさまざまですが、栄養補給というよりは、本能的な行動や空腹による胃の不快感などが関係しているケースが多いようです。
草を食べているときに注意したいこと

食べてはいけない植物に注意
植物の中には、犬が食べると中毒症状を起こす危険な植物もあります。ガーデニングなどで人気のある植物も多く、住宅街でも見かけることがあるため、散歩の際などには注意が必要です。
【犬が食べると危険な植物の例】
シャクナゲ、ツツジ、スズラン、ヒガンバナ、チューリップ、ユリ、アジサイ など
特にユリやスズランなどは少量でも中毒を起こすことがあるため、近づかせないようにしましょう。
危険な植物については、以下の記事でも詳しく解説しています。
寄生虫が潜んでいる可能性も
草むらには、ノミやマダニなどの寄生虫が潜んでいることがあります。特に暖かい季節は活動が活発になるため、注意が必要です。
散歩中に完全に避けるのは難しいですが、草むらに長時間入らないようにしたり、散歩後に体をチェックする習慣をつけましょう。
また、動物病院で処方される予防薬を使用することも有効です。
殺虫剤や薬剤が付着している可能性も
散歩中に見かける植物には、殺虫剤や除草剤などが使用されている場合があります。見た目では判断できないことも多く、犬が口にすることで体調不良を引き起こすリスクも否定できません。
自宅の庭であれば使用する薬剤を選ぶことができますが、他人の敷地や公共の場所ではどのような管理がされているか分からないため、むやみに草を食べさせないよう注意しましょう。
他人の敷地の植物には注意
食べたら危険な植物や寄生虫、薬剤のリスクがあるだけでなく、他人の家や管理されている場所の植物を犬に食べさせてしまうと、トラブルにつながる可能性もあります。
意図せず口にしてしまうこともあるため、草を食べるクセがある犬の場合は、リードをコントロールするなどして、他人の敷地の植物に近づきすぎないよう配慮することが大切です。
犬が草を食べるときの対処法

散歩中に草を食べてしまう場合でも、原因に合わせて対策をとることで、行動を減らしたり防いだりすることができます。
草を食べる理由はさまざまですが、空腹や習慣、環境などが関係していることが多いため、それぞれに合った対応をすることが大切です。
ここでは、すぐに実践できる対処法をご紹介します。
①空腹時間を減らす
空腹の時間が長くなると、胃の不快感などから草を食べてしまうことがあります。そのため、食事の回数を増やすなどして空腹の時間を短くすることで、草を食べる行動が落ち着くケースもあります。
実際に、朝の散歩で草を食べてしまう愛犬に対し、就寝前に少量のフードを与えて空腹時間を短くしたところ、行動が改善したという編集部スタッフの例もあります。
ただし、与えすぎると肥満の原因になるため、1日の食事量の範囲内で調整するようにしましょう。
②リードコントロールで防ぐ
草を食べる行動は、口に入れてしまう前に防ぐことが大切です。
散歩中はリードを短めに持ち、草むらや植物に近づく前に進路をコントロールしましょう。草に興味を示したタイミングで早めに方向を変えることで、食べるのを防ぎやすくなります。
このとき、おやつなどを使って気をそらすとコントロールしやすくなり、飼い主について行くことにポジティブなイメージを持たせることができます。
③「離せ」「やめ」のトレーニング
草を口にしようとしたときに止めるためには、「離せ」や「やめ」といった指示を教えておくことも効果的です。
日頃からおやつなどを使って、口にくわえたものを離すトレーニングを行い、指示に従えたらしっかり褒めることで、行動をコントロールしやすくなります。
拾い食いの防止にもつながるため、あわせて練習しておくと安心です。
④ストレス・運動不足を解消
運動不足や刺激の少ない生活が続くと、退屈やストレスから草を食べる行動が見られることもあります。散歩の時間や回数を見直したり、遊びやコミュニケーションの時間を増やしたりすることで、行動が落ち着く場合もあります。
特にエネルギーが有り余っている犬の場合は、しっかり体を動かす機会を作ることが大切です。
⑤散歩コースを変更する
散歩コースを見直し、草が多い場所や植え込みの近くを避けるだけでも、草を口にする機会を減らすことができます。
⑥安全な草を用意する
散歩中に生えている草を食べさせるのは、さまざまなリスクが伴います。そのため、どうしても草を食べてしまう場合は、「ペットグラス」とも呼ばれる「えん麦」を自宅で育てて与える方法もあります。
実際に取り入れている家庭もあり、好んで食べる犬も少なくありません。自宅で無農薬で育てれば、比較的安心して与えることができます。
ただし、食べすぎると食物繊維の摂りすぎにより、下痢をしたり、逆に便秘になったりすることがあります。与える際はおやつ程度にとどめ、与えすぎには注意しましょう。
犬が草を食べるときの対処法と注意点まとめ

犬が散歩中に草を食べる理由はさまざまですが、空腹や本能的な行動によるものなど、必ずしも異常とは限りません。ただし、頻繁に吐く、元気や食欲がないといった様子が見られる場合は、体調不良のサインである可能性もあるため注意が必要です。
また、屋外の草には中毒や寄生虫、農薬などのリスクもあるため、むやみに食べさせないようにしましょう。どうしても草を食べてしまう場合は、ペットグラスなど安全な草を用意するのも一つの方法です。








































